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令嬢ではあるけれど、悪役でもなくヒロインでもない、モブなTSお嬢様のスローライフストーリー(建前)  作者: タカハシあん
第14章

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705 大丈夫大丈夫 下

 兵士たちが馬車に慣れたら出発する。


 ほぼ午後からの出発なので、まずは領都の外に向かい、河原でお昼とする。


「お姉様。ここで野営するのですか?」


 ウキウキワクワクなレアナが尋ねてきた。


 レアナはもう少し先と思っていたのだけれど、行きたいとせがまれたので諦めて連れて来たのです。一応、レアナの着替えはアイテムボックスワールドに入れてあるからね。


「まずは練習よ。外で食べることに慣れないとね」


 以前、館に泊まりに来たとき外で食事をしたことはあるけど、ルーセル様や侍女たちはそれほど経験はないはず。用意や片付けも学ばせるためのものでもあるわ。


 この河原は領都の避難場所の一つとなっている。


 昔、わたしが作れと進言した場所なので、水の確保と予備の薪が詰んである。


 管理は領都の有志で行われているようで、薪は揃っており、パンを焼く窯もいつでも使えるようになっていた。


「お礼しなくちゃいけないわね」


 薪小屋に入った人に回復上昇の付与を施しておく。今の魔力なら三十人くらいは余裕でしょう。


「レアナ。ここに名前を書いてちょうだい」


 立札を出して薪小屋の横に打った。


「なんです?」


「ここを管理してくれている有志たちへの感謝の言葉よ。レアナの名前で書いておきなさい」


 わたしが領都に早々来ることはない。なのでレアナの名前で感謝しておきましょう。


「わたしの名でいいのですか? お姉様、今なにかしましたよね?」


 魔力を感知したのでしょう。日頃から練習しているいい証拠だわ。


「領地のことは誰がやっても同じ。良くも悪くもカルディム家の評価になるのよ。個人の手柄など関係なし。カルディム家のためになればそれでいいのよ」


 それが貴族ってもの。家あってのわたしたちだ。


「……納得できません……」


「その気持ちも忘れてはいけないわ。人として大切なものだからね。でも、わたしたちは貴族。民を統治しなくてはならない身。人としての心を忘れずに民の幸せを考えなさい。そうすればカルディム家は安泰よ」


 わたしは手柄など興味はない。カルディム家があればわたしの生活は保証される。わたしは貴族としての暮らしに満足しているし、貴族としての誇りもある。名より実。おっぱいが頂点にある。イエス、おっぱい!


「さあ、食事の準備をするわよ」


 と言っても一から作るわけじゃない。馬車に入れてある料理を出すだけ。それでも箱入り娘たちには充分仕事となる。


 テーブルとかは侍女たちに任せ、熱々に保存してあるスープやパンをいただいた。

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