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令嬢ではあるけれど、悪役でもなくヒロインでもない、モブなTSお嬢様のスローライフストーリー(建前)  作者: タカハシあん
第20章

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1185/1191

1181 監査 下

 世界樹の高さは、二、三百メートルはあるかしら?


 ゴズメ王国の三分の一、と言ったところだ。世界樹としては小さいのでしょうね。


 それでもこの時代では、とんでもない高さでしょう。十メートル以上の建物なんてないのだからね。あるとしたら屋敷の礼拝堂ぐらいかしらね?


「ただ、日照権が脅かされそうね」


 岸から三、四百メートル。太陽が昇る反対側には建物を造れないわね。


「あの光がムーンライト様の本体か」


 てか、なんで光っているのかしらね? 魔力が多いと光る、とか? まあ、今も魔力を垂れ流してくれている。百年どころか二百年は困らない魔力をいただけているわ。逆に、多すぎて魔力を溜めておけなくなっているわ。


 魔石にして固定化はしているけど、百年分ともなると四トントラック百台とかになっている。さらに百年分となると、また別の場所を用意しなくちゃならないわ。


 やはり、世界樹から魔力を流す道を創るしかないかな~。


 エネルギーをムーンライト様に頼る危険性はある。恒久的なエネルギーでもなければゴルディー全土を覆うほどのエネルギーでもない。


 ファンタジーな世界でもエネルギー問題が出て来るんだから夢も希望もないわよね……。


 まあ、わたしが全世界のエネルギー問題に責任を持つなんておこがましいこと。エネルギーはこの世界に住む者すべての問題。わたしは今に責任を持ち、百年後くらいまではエネルギーを途切れさせなければいいのよ。


「シューティングスター、世界樹の天辺に向かってちょうだい」


「わかった」


 世界樹の天辺に向かってもらい、付与魔法で風を纏わせ、シューティングスターから飛び降りた。


「お姉様!?」


「大丈夫よ」


 さすがに箒に跨がって飛ぶ勇気はわたしにはない。それならメリー・ポピンズ方式にして傘で飛ぶとするわ。いや、やらないけどね。 


 その者風の衣を纏いて緑の地に降り立つ、的な方式を使わせていただきます。


 魔力を吸い取っているのか吐き出しているのか、ただ、ここが魔力が満ちていることはわかる。


 わたしの付与魔法で魔力を送る付与を設けた。これはいずれ求められたときの布石だ。いつになるかまではわからないけど、やっておくに越したことはない。いまのうちに施しておいたほうがいいでしょうよ。


「ジーヌ家の地下にも魔力炉を作っておきますか」


 おそらく、わたしは王宮にも魔力炉を設置したはずだ。売店を求められて王都に来たのだ、王宮も同じものを求めたって不思議ではないわ。


「魔力、か~」


 このまま魔力がインフラのエネルギーとして求められるのか。この世界を創造した者は、そこまで考えているのかしらね……。

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