1072 不利ではあるけど絶望ではない 上
手当てを終えた騎士様方が天幕に集まって来た。
意気軒昂。意気揚々。誰一人として絶望などしてなかった。
「負傷者は?」
「多少出たていどで戦闘に支障はない」
「ミランダルク騎士団も同じだ」
ほんと、元気でなにより。オラに元気を分けてくれ、だわ。
「王都守護騎士団を呼びました。総力戦を行います」
「ほー。よく呼べたものだ」
「コルディーの未来を守るために動かないような者はいりませんから」
誰かはわからなくとも守護騎士団を動かせる者はそうはいない。ラインフォード様なら心当たりはあるでしょうよ。
「守護騎士団の取り纏め役は、ラインフォード様にお願いします。基本、あの城に突入。骸骨兵を減らしてください。ミランダルク騎士団は、城の後方で待機。突入した騎士団が後退したときに突入してください」
「まあ、他の騎士団に活躍の場を譲ってやらんと恨まれるからな」
「数が増えると出番が少なくなるとはな。仕方がないか」
「ご理解いただけて助かります」
守護騎士団を集めたら五百から六百人。国土を考えたらどんだけ少ないねん! と突っ込みたいところだけど、あのお城広さだと、精々三百人がいいところでしょう。
「正直なところどうなのだ?」
まっすぐ見てくるラインフォード様。よろしくない状況なのはわかっているようだ。
「不利な状況ではありますけど、絶望的な状況ではありません」
絶望的な状況ならさっさと逃げ出せるのだけれど、まったく勝機がないってわけでもないから逃げ出せないのよね……。
「あちらには守護聖獣様にも勝る存在がいました。人の身では絶対に勝てないでしょう」
「封印か?」
「わたしは問題を先送りするのは好みません。わたしたちの代で解決させます」
そこはキッパリと答えておく。あんなものを近くに置いておいて呑気に暮らせるわけがないからだ。
「強大な存在であり、人の身では絶対に勝てない。けど、やりようは見つけました」
高密度の魔力を奪ったら和らいだ。それって魔力は無限ではないってことを意味している。仮に無限だとしてもあの空間を埋めるにはそれなりの時間がかかるってことだ。それって勝機があると言わない?
「骸骨兵たちは無限に湧く。しかし、倒せばその分の魔力は減ります」
「我々が倒して倒して倒しまくればよいのだな」
「単純でいい」
脳筋が頼もしいと思ったのは初めてだわ。
「まあ、そうですね。幸い、骸骨兵はそこまで強くありません。騎士様方の体力次第、と言ったところですね」
「つまり、騎士たちの運用が大事ということだな」
そうと言ってしまえばそのとおりすぎる。




