1068 かぐや姫かな? 上
なんだ、この弱さは? よくこれで出て来ようと思ったな。雑魚にもほどがあるだろう。己を弁えろよ。
無双のように骸骨兵を倒す二人の騎士。張り合いがなさすぎて勘違いしたらどうしてくれるのよ。修正するのわたしなんだからね。
「渦のような気配だな」
「元は同じなのでしょうね」
それなら巫女を連れて来るんだった。久しぶりに二人のおっぱいがみたいわ……。
通路の端に壺を置く。お城に満ちた闇を聖浄しましょう。
「渦が濃くなっているな」
「核に近づいている証拠です」
聖衣を纏っているから渦の効果は聖浄してくれる。とは言え、ゴズメ王国で感じた比ではないわね。守護聖獣以上のプレッシャーを感じるわ。
「と、とんでもないものがおるな」
「わかりますか?」
「わ、わからん。こんな圧力を受けたのは初めてだ。お前がいなければ逃げ出しているところだ」
「騎士様方、わたしの側へ」
さすがに騎士様方に施した付与でも耐えられなくなっている。なんか領域に入ってしまったかのようだわ。
「チェレミー嬢、いったいなにが?」
「わかりません。ただ、凄まじいまでの魔力が進みを遮っているようです」
魔力の宝珠がいっぱいになり、空だったガラスの珠も満タンになりそうだ。
満タンになったらアイテムボックスワールドに送り、錬金の壺と創造の壺を稼働させて通路に満ちた魔力を薄めた。
それでも魔力が生み出されている。まるで永久機関が働いているかのようだわ。
にしても魔力が充実している。なんなのかわからないけど、館の地下に設置できないかしら? 魔力無限チートとか夢があるわ。
「骸骨がいなくなりましたな」
「進みます。わたしから離れないでくださいね」
わたしの聖衣と魔力回収で中和されているので騎士様方に被害は及ばないでしょう。
通路はお城の中心に続いているようね。迷わないのはいいけど、侵入者対策ゼロじゃない。
骸骨兵は完全にいなくなり、ただ魔力の濃度が上がるばかりだ。
でも、ありがたい。しばらくここにいて魔力をいただきたいけど、騎士様方が今も戦っている。のんびりしてもいられないわ。
それでもいただける魔力は全力でいただき、中心部に近づいて行く。
そして、辿り着いたところには世界樹が根づいていた。やはりこれが原因か。
「おい、あれ」
タルル様がわたしのアゴを蹴って上を見させた。いったいわ!
「……かぐや姫かな……?」
アゴを擦りながら世界樹の幹から光が放たれている。いつから竹取物語が始まったのかしら?
「……と、とんでもないものがおるぞ……」
またややこしいことになりそうだわ。




