1056 それはあるのかないのか 上
揺れるおっぱいを見ながら考えてしまう。わたしはなにしにここに来たんだろうって。
いや、答え出てんじゃん。とかの正論はいりませんから。わたしは人生のすべてをおっぱいに捧げたいのよ! おっぱいだけを見ていたいのよ!
「人生とはままならないわね」
わかっていても、何度経験しても、人とは思いどおりにしようと奮闘してしまう。だからこそ人とは前に進めるのよ。そこにおっぱいがある限り。
なんて最終回っぽいセリフが出てしまうのは追い詰められているからでしょうね。
「チェレミー様。大丈夫ですか?」
ナルシア様がパラソルの下で休んでいるわたしにお茶を持って来てくれた。
「ありがとう。気を使わせたわね」
皆様方が湖で遊んでいるのに、一人だけパラソルの下にいる。気を使わないわけにはいかないでしょうよ。わたしとしては揺れるおっぱいを見ているだけで幸せを感じているわ。
「少しお休みになっては?」
「こうして休んでいるから大丈夫。ナルシアは、候補者方の様子を見ていて。わたしは、今後のことを考えるので精一杯なの」
おっぱいを見る分の余裕しかない。皆様方に気を使う余裕がないのよ。
「グリムワールは侍女たちに行き渡っているかしら?」
魔力がないのなら持っている者からいただく。そのためにグリムワールを魔力を持つ侍女や侍従に配るようお願いしたのよ。微々たる量だけどね。
「はい。皆も助かっております。生活に必要な魔法が使えて」
「ちなみになんだけど、光魔法を使える者はいるかしら? 辺境公家や辺境伯家に一人はいると思うのだけれど」
悪霊に苦心しているのなら保険として侍女の中にも紛れ込ませていると思うのだけれど?
「すぐに確認します」
よろしく~。
「──チェレミー嬢、少しよろしいか?」
次はラインフォード様とハーベルク様がやって来た。
「はい、構いませんよ。あ、座ったままで申し訳ありません」
今は魔力回復に専念したいんですよ。
「ああ、そのままで構わない。楽にしていてくれ」
「ありがとうございます」
すみませんね。おっぱいを見たいんです、わたし。
「言われたとおり、光魔法を扱う者を呼び寄せた。今はグリムワールに覚えさせている」
「ミランダルク騎士団は泳ぎを覚えさせている。船にも慣れさせいる」
つまり、順調ってことか。あとは熟練値を上げるだけか。
「いつ起こるかわからない以上、そう張り詰めなくても構いません。騎士様も事が起こるまで気を楽にしていてください、ハーベルク様」
ウワサでしかわたしを知らないのでしょう。ラインフォード様は落ち着いたものだ。
「いや、そうは言われてもな……」
「なにもなければそれでよいのです。なにかあれば騎士団が展開できるまでわたしが時間を稼ぎます。両騎士団は事が起こるまで、身も心も万全にしてください」
戦いになったら騎士団に頼るしかないのだからね。
「畏まった」
「はい。チェレミー嬢に従おう」
一礼して二人が下がった。ハァー。おっぱいが揺れる景色は素晴らしいわ~。




