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HRも終わり、教室のいたる所でおしゃべりが始まる。
蓮華はレナの席に行く。
レナは英語で書かれたプリントと格闘していたようだが、自分の前に来た蓮華に気付き、顔を上げた。
「また明日ね」
蓮華が言うと
「うん また明日」
レナが手をヒラヒラと振った。
教室を出るまでに、みんなと挨拶をしあう。
「じゃあね」
蓮華はわくわくした気持ちで図書館に向かう。
改装中だか設備の工事だかで長い間、生徒の立ち入りが禁止されていたのだ。
先程のHRで担任の先生から図書館の話は出なかったし、周りの子の話題にもでていなかったようだが蓮華は手帳の今日の日付の欄に印をして心待ちにしていた。
蓮華も午前中には別のことが頭を占めていて、すっかり忘れていたのだが、午後にはすっかり思い出し楽しみにしていた。