桃色の帰り道…
最近の私はあきらかにおかしい。
里沙を避けて避けて避けまくっている。
意図的にではなく、なぜか体が勝手に反応するのだ。
そして、いつもなら二人のはずの帰り道を一人で歩く今に至る。
…なぜだ? なぜ避けている!?
よくわからん!!
「あ、あずちゃんだ!!」
うぐっ、嫌なヤツにあってしまった…
たすけて、里沙ー…と言っても今はいないのか。
「あずちゃーん♡」
「や、やあ、桃子…」
「きゃーーー♡♡あずちゃんに桃子って呼んでもらえたー!」
「……。」
こいつは安曇桃子。いつも会うたびにキャーキャー奇声を上げている。ニガテな女子の中でも最もニガテなやつだ…
「うわー、今日はあずちゃんと一緒に帰れるー、うれしー♡♡♡」
な!? もう一緒に帰ること前提なのか!?
やめろやめろやめろやめろ!!!!
そんなことしたら失神するぞ!!
「い、いや…今日はそのー、急ぎの用事があってだな。一緒に帰るのはちょっとー…」
「大丈夫だよ!私があずちゃんのペースにあわせるから。」
………うざい。
「でねー、昨日テレビで山梨くんが歌っててー超かっこよかったの~!やっぱりドルチェのなかじゃ山梨くんが一番だよねー!あずちゃんはドルチェのなかで誰が一番好き??やっぱり山梨くんだよね??」
「あ、ああ…」
「だよねー!!でさーその山梨くんがー」
ドルチェ?なんだそれは。正直いってか、な、り、どうでもいい。
桃子はずっとしゃべりっぱなし。
一人でしゃべるなら私はいらないだろう。
「そういえばあずちゃん、こんなゆっくりしてていいの?」
もう、どーでもいいよ…っていうか、おまえのせいなんだろーが!!
「あ、私んちここなんだ。それじゃ、また明日ね!」
やっと解放されるぅ~~↑↑
「じゃあな~」
「あ、まって、あずちゃん!!」
ま、まだなんかあるのか?
「私ね、今日あずちゃんと帰れてほんっとにうれしかった!その…なんかね、すごくドキドキしたの!」
「は、はあ…」
「また今度、一緒に帰ってくれるかな…?」
いいともー
とは絶対、死んでも言えないが、そのときの桃子は頬を赤らめてたじろいで。なんだかかわいらしかった。断れる雰囲気はまったくなかったので
「ああ。」
と思わず言ってしまったのだが…
まあ、悪くはないのかもな。
そして私はひどく静まり返った帰り道を、一人で歩いていくのだった。




