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妖怪百物語  作者: keikato
60/920

60 鬼熊

 鬼熊という妖怪がおります。

 長野県木曽谷に伝承があり、年老いた熊が化身したものだといわれています。

 鬼熊は力がとても強く、猿などは手の平で押しつぶしたといい、夜更けに人間のように直立歩行で里に下りてきて、牛馬を捕えては山に持ち帰って喰らったといいます。

 享保年間のはじめ。

 鬼熊が捕まえられたことがあり、その皮を広げたところ畳6畳分もあったといいます。

 鬼熊を仕留める場合は、大木を井桁(いげた)に組んだのち、藤蔓(ふじづる)で巣穴をふさいで弓矢で射つと、鬼熊は行き場を失って穴から出てくるので、そこを鉄砲で仕留めるのがよいとされていました。

 この鬼熊。

 矢が飛んでくると穴の中から叫びました。

「ヤだなあー」


・ヤだなあ=矢だな=イヤだなあ

・井桁=井の字の形に組んだもの


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― 新着の感想 ―
[良い点] 「ヤだなあー」 納得しかございません。 家に矢が飛んでくるなんて、妖怪だってヤなもんです。 なんだかちょっと親近感がわいてしまいました。
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