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1683 沢女
沢女という妖怪がおります。
沢に火を投げ込むと沢女の祟りがあるといわれ、これは埼玉県に次のような話が伝わっています。
その昔。
秩父に次平という炭焼きがおりました。
次平の炭窯は山奥の沢のほとりにあり、一度に八十俵ほど焼ける大窯でした。
ある日。
次平が火のついた枝を沢に放り込むと、「ぴちゃ、ぴちゃ」と音がして、沢の方から顔のない女が歩いてきました。
女は「寒かんべえ、寒かんべえ」と言いながら近づいてきて、次平の顔に手を当てました。
すると次平は、とたんに気を失って倒れてしまいました。
その夜。
次平が目を覚ますと窯の火は消えており、一年分の炭が燃えてしまっていたといいます。
一夜にしてすべてが灰になりました。
・灰になる=築きあげたものなどが何の価値もないものになる




