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1219 すじかぶろ
すじかぶろという妖怪がおります。
これは江戸時代後期、十返舎一九の『列国怪談聞書帖』に次のような話があります。
ある夜。
某娼家で、禿姿の化け物が遊女などにまぎれて座敷を巡り、客が残した酒や肴を食べているところが目撃されました。
その化け物は全身にウロコ、手足には水かき、口には牙がはえ、目はランランと光り、近くの沼からやってきたのか、体全体が泥にまみれていたといいます。
夜が明けると、座敷には爪痕らしき筋が残されており、遊女らはこの化け物を「筋禿」と呼んで、ひどく恐れました。
後日の晩。
主人は下男らと共に、化け物が酒に酔うのを待って打ちすえました。
このすじかぶろ。
泥酔していました。
・泥酔=泥にまみれ
・十返舎一九(じっぺんしゃいっく・1765~1831・戯作者、絵師)
・『列国怪談聞書帖』(れっこくかいだんききがきぞうし・1802年刊)




