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ネコミミ

「おかえりニャン」


「おかえりだ。ニャン」


 俺は学園の1学期を終え帰宅する。


 明日からは夏休みだ。


 楽しい楽しい夏休み。そのせいか変なものが見える。


 俺が屋敷に帰り、玄関の扉を開けるとそこには人型に変化したアリスが(化け猫だからね)、メイド服で招き猫ポーズでお出迎え。頭の上には当然クロネコ耳。スカートの後ろからは二本の尻尾も見えている。


 人型になったアリスは可愛い。ショートヘアーの黒髪に大きな瞳。精霊だけあって人とは一つランクが違う美少女だ。


 まあメイド服は兎も角としてアリスのお出迎えは何時もの事だが、


「あんたは、人ん家でメイド服来て何やってんですか!姫!」


 アリスの横には同じメイド服を着た姫。それもお揃いの黒ネコミミのヘアバンドをし、ご丁寧に尻尾のアクセサリーも腰にぶら下げている。


「てか尻尾が豹柄!?」


 姫は尻尾を手に取って、人差し指を顎に当ててちょっと悩んでから、


「おかえりだ。ガオ?」


 俺は全身の力が抜けて玄関口にへたり込んだ。


 程なくして現れた父に、説明を聞くと。


 どうやら事の発端はこの間の迷宮事件に遡る。


 あの騒動のおかげで、一つの大事件が起こったのだ。


 姫が開けた……、いや、掘った隠し通路を覚えているだろうか?


 実は姫はその時通路を掘るだけではなく、邪魔とばかりに扉も切り刻んでしまっていたのだ。


 おかげで迷宮と王宮は素通り状態。


 程なくして迷宮探索に来た冒険者達にその存在がばれて、隠し通路の事が世間に知られてしまった。


 それだけでも本来重罪なのだが、この事件はこれだけでは終わらない。


 その通路を埋めてしまう事が議会で決定し、埋められる工事が始まるまでの間に盗賊に入られては不味いと交代制で通路の城側に衛兵を駐在することになったのだが。


 その通路を通って迷宮からモンスターが大量に押し寄せてきてしまったのだ。


 モンスターは迷宮の自分の階層からは出られないとたかをくくっていたのだが、どうやら迷宮と城が扉なく繋がった為、城は迷宮の一部と認識されたようであっけなくモンスターが侵入し、あまつさえ城の中にポップモンスターまでも出る始末。


 運が良いのか悪いのか、出現したのが通路のある五階層の弱いモンスターであった為、程なくして騎士団の手により鎮圧され、迷宮への通路が直ぐに埋められるたことにより事態は収拾されたのだが。


「感動して、勘当された~」


後ろから抑揚のない声で姫が結末を述べる。


「フフ、フフフフ」


 さらに自分の言った冗談で笑っている。


『王様が泣いていたのは感動したからじゃないですよ。姫』


 あ、ちなみにそのモンスター事件が思いの他早く鎮圧できたのは俺のおかげだ。


 俺のファミリアー(ネズミ)がいなければ城の中の至るところにランダムに発生するポップモンスターに素早い対応が出来ず、怪我人、いや下手すると死人が出た事だろう。


 それはそれとして、


「で?何故ここにいる。勘当されたなら早く故郷のジャングルにでも帰れ。ほらバナナあげるから」


そう言って姫に懐からバナナを取りだし握らせる。(注:卑猥なことを想像しないようにしてください)。


 姫は殺気を出して腰元に手をやるが、残念ながら腰には何時もの愛刀夜桜は無い。


 ガックリと肩を落とし、無表情で涙を滝のように流す姫。


 空中の何もないところを両手でもきゅもきゅしながら、


「よ~ざ~く~ら~」


 当然夜桜は王家の宝刀の為、王様に取り上げられていました。


 父が耳元でコッソリ言うことには、王様に姫の面倒を内緒で頼まれたとの事でした。


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