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アタシの愛美に手を出すな!〜百合子が初恋した話〜  作者: 碧木美月


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60/60

60.春、満開!〜その手を離さない〜



ガヤガヤガヤッ……(学校の校庭に、生徒たちのにぎわう声っ)




ふぅぅ……。

いよいよこの時が来たか。


ソワソワしすぎて、待ち合わせの時間より早く来ちまった。




今日から高校2年生。


愛美と一緒のクラスに……なれてるかなーー?






「おはよう、百合ちゃんっ」

「っ! ああ、おはよう、愛美」

「ごめんね、待った?」

「いや、アタシも今来たトコだ」

「そっか。わぁ……掲示板の前、すごい人だね」

「そうだな。それじゃあ、アタシたちも行くか?」

「うん……!」






……ヤバい。


どうしよう。

さっきまで落ち着いてたのに。





なんか。


急激に。


心臓が。


飛び出そうなほど……!






メチャクチャに、緊張してきたーー!(汗っ)






愛美とは恋人同士になったんだ。

たとえ、別々のクラスになっても心はつながってる。






……でも。






それでも。






やっぱり。








アタシは、愛美がそばにいてくれなきゃ、寂しすぎて毎日泣いちゃうよぉっっっ!(号泣っ)








ザッーー(百合子&愛美、人ゴミをかきわけて掲示板の前に到着っ)








「えっと……どうする⁉︎」

「ど、どうするって……な、なにを?」

「だから、その……どうやって、名前を探す?」

「えっ? そ、それは、もう……ど、どうする⁉︎」

「いや……う〜ん、そう……た、たとえば、ジャンケンとか?(百合子、謎の提案っ)」

「ジャ、ジャンケン? あぁ……うん、イイね!」

「よ、よし。じゃあそれでいくか」

「で……そ、それは、なにを決めるジャンケン?」

「あっ⁉︎ あぁ……な、なんだろうっ?(ドキドキ&混乱MAXにより、現時点で世界一カワイイ馬鹿ップルに躍り出た2人をでてやってください)」






「……あっーー(愛美、1点を見つめて固まりっ)」






ま、愛美?

いったいどこを見て……。




「……ごめん、百合ちゃん」

「えっ?」

「私……見つけちゃった」

「な、なにを?」






スッーー(愛美、ゆっくりと掲示板を指差しっ)






「2年A組……凛咲、愛美」

「あっ……!」

「私、たいてい出席番号が最後だから……つい、目が止まっちゃった」




……って、ことは。

ここに、アタシの名前がなければーー。



うぅぅっ!

こ、怖くて見れない〜!(百合子、目をつむりっ)




「ア、アタシの名前も……あった?」

「ううん……こ、怖くて見れないよ……!(愛美も目をつむりっ)」




ま、愛美……。


そうだよな。

愛美だって怖いよな。


よし、見るぞ!

自分の名前ぐらい、自分で確認するんだ!


アタシも出席番号はたいがいケツのほうだ。

どうせ見るなら、1番後ろの愛美からスタートすれば確認は早いっ。






スゥゥ……ハァァァ〜(深呼吸っ)






……では。


松城百合子。








確認しますっっっ!(百合子、カッと目を見開きっ)








凛咲愛美……。



吉宮カエデ……。



山科太輔……。



桃園はるか……。






うぐっ!

こ、ここで「ま行」が発動!


あ……焦るな。

まだ「も」の段階だ。


よし、次いくぞっ!











松平志音。


















……え?


















…………。


















ま。



















『ま』ぁぁぁぁぁぁっっっっっっっっっっっっーー⁉︎






















ちょちょ、ちょっと、待ってぇっっっ!!!


まっ、松平っっっ?


松平って……松平ぁぁぁっっっーー⁉︎





ウ、ウソっ……詰んだ?


アタシ、A組から外れたのぉぉぉっっっーー⁉︎(百合子の涙袋さん、号泣のスタンバイ完了!)















『大丈夫だ! 気をしっかり持てっーー!』













はぅぅっ⁉︎


こ、この声は……。




リトル百合子っーー⁉︎(※第52話参照)






『お、落ち着け! イイか、松平だぞ、松()()()! お前の場合、松の次はサ行のシだろっ? だから、まだ希望はある!』






はっーー!






そ、そうか。


アイウエオ順でいくと、ダ行はサ行よりも後ろ……。

まだ、松平志音の前にアタシがいる可能性はある!


ナイスフォローだぜ、リトル百合子。

さすが、アタシの中のもう1人のアタシ!






……だが。




現実的に考えて、アタシの名前があるとしたら次しかない。






神様。




どうか。






どうかっーーーー!(百合子、ガッチガチにカラダをこわらせながら片目で掲示板を確認っ)
























……………………。
























松城百合子。
























っーーーーーーーー。
























…………あった。
























……………………。
























「……あったーー(百合子、声ふるえっ)」

「えっ……?」

「アタシも……2年A組だ……!」

「っっっーー! (愛美、掲示板を確認っ)」








2年A組 松城百合子








「や、やった…………やったあっーー!!!(愛美、百合子の腕を両手でつかんで涙あふれっ)」

「っ…………!(百合子、声にならず涙腺崩壊っ)」






よ、よかった……。



よかったぁぁぁ……!






「あっ、愛美ちゃあんっ!」






っっっーー!!!


こ、この声は!(百合子、急いで涙をふきふきっ)




「えっ……? あ、藍川さんっ」

「掲示板見た? 私たち、また一緒のクラスだよ! ちなみにアサミも一緒!」

「そ、そうなのっ?」




マ、マジか。

藍川さくらと小野寺アサミも(第8、14〜17、35、40話参照)……。




「よかったぁ、またヨロシクね!」

「うん、こちらこそ!」

「あ(さくら、百合子に気づいてカキーンッ)」




……おい。

なぜ、そこで時が止まる。




「そそそっ……そういえばっ、まっ! まっ!! まっ!!! 松城さんもっ、いいいっ、一緒っ、だっ、ねぇぇぇっ〜⁉︎(さくら、内股でガクブルッ)」




……いや。


だから。


いい加減にどうにかならないんすか?

その、恐怖におののくオーバーリアクション芸(汗っ)




「じゃ、じゃあ、また教室でね〜!(さくら、光速で退散っ)」




…………。



ったく、相変わらずあからさまなヤツだぜ。



まあ……とは言っても。

アタシと会話をしてくれる、数少ない貴重なヤツ。


なんだかんだで、嫌いじゃないぜ。

お前のこと(笑っ)








「ゆ、百合子様ーー」













ピキィィンッッッーー!!!(百合子、凍りつきっ)












うぅぅっ……!

ア、アタシを『様』づけで呼ぶこの声。






で。


で……。


で…………!(百合子、声のしたほうに振り向きっ)











「あ、あはっ……♡(美輝、なにやら涙をこらえながらヴィーナススマイル発射っ)」











出たぁぁぁぁぁぁっっっっっっーー!!!


ここでまさかの、ひらはな 美希みきぃぃぃっっっ!






く、くそ……!


愛美と一緒のクラスになれたいんをゆっくり味わいたいのに、なんでこのタイミングで……。


それに、お前が登場すると愛美のご機嫌がだな……!(ハラハラッ)




い、いや。


大丈夫だ。




今のアタシたちは恋人同士。

きっと、愛美も恋人としての余裕で落ち着いてるはず……。











ゾクゾクッッッッッッーー!!!










ピギュウゥゥゥンッッッッッッ⁉︎(※注 百合子さん、ただならぬ圧を察知して謎の鳴き声が出ました)










な、なんだ?

このカラダ中に突き刺さる鋭利な気配は……。


ま、愛美……さん?(百合子、おそるおそる愛美を横目でチラッ)













ズゴゴゴゴゴォォォォォォッッッッッッーー!!!(愛美、漆黒の堕天使モードオンッ!)













ひいぃぃぃっっっっっっ!


まま、愛美がぁぁぁっっっっっっ!


愛美が、まるで悪鬼をにらみつける不動明王のような目で頬をピクピクさせてるぅぅぅっっっ!




「おはようっ、開花さん。なにか……御用?(愛美、アゴに右手を当てて小首をかしげっ)」




いっ、いや、ミスマッチィ!


目が不動明王なのに、声がエンジェルボイスすぎてミスマッチィィィ!


こっ、怖すぎるから、ソレ!

逆に怖すぎるから、愛美しゃあ〜ん!(泣っ)






「ふ、ふっ、ふぇっ……!(美輝、顔を歪めっ)」






え。


あれ?


どうした。


どうしたどうした、開花さん。


なんか、顔がおかしいんですけど。








「ふえぇぇぇ〜んっっっ!!!(美輝、号泣っ)」








おわあぁぁぁっっっ!(ビクウッ)


どど、どうしたっ?

なんか、急に号泣し始めたんですけどぉ⁉︎


もしかして、愛美の圧に耐えられなかったのか?


わ、わかる、わかるぞ!

アタシだって、一瞬でも気を抜くとオシッコちびりそうだもんっ!




「ま、また……また私、百合子様と同じクラスになれませんでしたぁぁぁ〜!」




え?




「2年生こそは、百合子様のそばで学校生活を送りたかったのに……また……またB組だったんですぅ〜!(美輝さん、両手と両膝を地につけてガックシッ)」




はぇ?

そ、そうなの?(百合子、掲示板をチラッ)


……あ、ホントだ。

2年B組に、開花美輝の名前がバッチリある。




い、いやあ……ゴメン。


ゴメンなんだけど。


それ、ちょっと助かった(思わず本音っ)






「えっ、そうなんだ⁉︎ 残念……だねっ(愛美、漆黒の堕天使から癒やしの大天使モードにジョブチェンジッ!)」






え?


愛美さん。


なんか、急に目がキラキラして優しいお顔になられたんですけど?




「大丈夫……クラスは違うけど、隣りの教室だもの。壁越しに、百合ちゃんの息づかいを感じて?(愛美、美輝の肩に優しく左手を置いていつくしみのエンジェルスマイルッ♡)」

「は……はいぃぃっ……(美輝、癒やしの大天使と化した愛美を見つめ、鼻水をズルルっと吸い込み&涙をふきふきっ)」




わあぁぁ……。


す、すごい。


愛美さん、こんな短時間で堕天使と大天使の両方を使い分けるなんて……。


アタシの恋人ってば……ホント、すごい(遠い目っ)




「じゃ、じゃあ、またチョコチョコ教室をのぞかせてもらいますね。あはっ……♡(美輝、名残なごり惜しそうなヴィーナススマイルを発射して立ち去りっ)」




う〜ん……。


まあ。


できれば。


年イチぐらいのペースで、お願いします(汗っ)




「ふぃ〜……(愛美、脱力&地面にお尻ペタンッ)」




はっ!


ど、どうしたっ?

愛美がヤケにグッタリしてるぞ!



「お、おい、大丈夫か⁉︎」

「ゴメンね……百合ちゃん」

「えっ? な、なにが?」

「開花さんに、またあんな態度を取っちゃって……」

「あ、あぁぁ〜……」

「百合ちゃんの恋人として、誰がどうしようと余裕でかまえてなきゃイケナイのに……ちょっと、急には無理みたい(愛美、ヘヘッと苦笑い気味にエンジェルスマイルっ♡)」






ドボフンッッッーー!(※注 百合子の頭の中が爆発しました)




ーーその後、百合子が昇天したのは言うまでもない。













……って。






ダメダメダメダメダメぇぇぇっっっ〜!


これから新たな愛の巣となる教室に行かなきゃイケナイのに、昇天なんかしてる場合じゃねえだろ!




……あ。


でも。


なんか。


愛美のエンジェルスマイルで昇天したの……久しぶりかも。






……ふふっ。






そうだよ。


やっぱ。


アタシたちは、こうでなくっちゃーー!






「新しい教室……行こっか?」

「……おう!」






◇◆◇◆◇






ピンポンパンポーン♪(百合子&愛美、2年A組の教室にインッ)




「やったね、百合ちゃん! 席の位置も1年生の時と一緒だよっ」

「おう、やったな!」




愛美と一緒のクラスで、愛美の隣りの席。

ホント、最高すぎる!






ーーで。






1年A組でキャラが濃かったメンバーはというと……。






リアル異世界転移野郎こと、虹野にじの 住人すみと(※第11話参照)はB組へ。



恋愛不器用ツンデレ野郎こと、爪大河つめたいが 優史やさし(※第26〜27話参照)はC組へ。



アルティメット・リア充野郎こと、いけ 照米てるよね(※第34話参照)はD組へ。



2学期デビューこげパン娘こと、白加羅しろから 黒江くろえ(※第22、42話参照)は、なんとプロデュース系幼馴染の陽太を追って転校!



……そして。

あの、超絶ウルトラ級にうっとうしい。



草中くさなか 二久ふく こと、ロールキャベツくそ野郎(※第3、14〜17、28〜30、39〜40話参照)は、最も教室が離れたE組へとクラスが変わった。


へっ、ざまあみやがれだぜ!




え〜と……あれ?


なんか、あともう1人ほど誰かいたような気がするんだけど。


う〜ん……思い出せん。


ま、いっか。


その程度のヤツだし、別に思い出さなくたってなんの問題もねえだろ(※注 百合子から完全に忘れられた悲しき男。消しゴム貸して詐欺野郎(※第5、34話参照)よ、フォーエバー……)







……と、まあ。

クラスメイトの大半は変わっちまった。




でも。




隣りには愛美。


対角線上には藍川さくら。


その後ろには小野寺アサミ。




なんだかんだで、この席から見える風景は不思議と変わらないような気がするーー。




また、1年生の時みたいに。

毎日が楽しくなったらイイなーー。




「百合ちゃん」

「ん?」

「手……かして」

「えっ? あ、ああ……(百合子、左手を愛美に差し出しっ)」








ギュッ……(愛美、右手で百合子の左手を握りっ)








へっーーーー?











……………。











へえぇぇっっっっっっーー⁉︎(ドッキリーンッ⭐︎)




ちょちょ、ま、待っ……!








「お、おい……! バ、バレるぞ⁉︎(照れ&焦っ)」

「……イイもん、バレたって」




イ、イイもんって……!


誰かがちょっとでもコッチ見たら、ホントにバレちゃいますけどっ!(汗ブッワ〜)








「私は……()()()()()()()()()()()()()ーー」











っっっーーーー!











それ……。








アタシが、浅宮先輩から言われて大切にしてる言葉と……(※第50話参照)











「……大好きだよ、百合ちゃんーー」











っ…………。











フッーー(百合子、微笑みっ)











「アタシも……大好きだよ、愛美」











ギュッーー(百合子、愛美の手を優しく握り返しっ)











「っーー! う……うんっ!(愛美、嬉し涙を浮かべながら最高のエンジェルスマイルっ♡」
















……アタシのことだ。


きっと、これからも愛美にとってはジレッたいリアクションをしてしまうことがたくさんあると思う。




でも。




少しずつ、変えていくから。


周りなんか気にせず。


気持ちに素直なまま、この気持ちを伝えていくから。


もう……ずっと、この手を離さない。


そして。


近づいてくるヤツがいたら、いつだって言ってやる。


















「アタシの愛美に手を出すな!」


















……ってーー。






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