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アタシの愛美に手を出すな!〜百合子が初恋した話〜  作者: 碧木美月


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42.こげパン娘、アゲイン


ふあぁ〜あ。


眠い。


今日から3学期だというのに、全くもって正月ボケが抜けない。



……でも。






そんな眠気も、これから一気に覚めるぜーー!






なぜなら。


そう。


今から。


教室に入れば。






アタシの愛美に会えるからだよぉ〜んっっっ!!!






ガラガラッ(百合子、戸を開けて教室にインッ)



「あっ……おはよう、百合ちゃん」



ばっはあぁっっっ!(※注 百合子は意味不明な言葉を発しておりますが、喜びを表現している模様です)



あぁぁぁ〜……。


コレですよ、コレ!


この『おはよう、百合ちゃん』が、頭のテッペンからつま先まで全てをシャキッとさせてくれるんだよ〜!



「お、おはよう」

「今日から3学期だね、またがんばろうね」

「あ、ああ」



はうぅぅ……。

愛美の優しい声と言葉に、カラダの芯から癒されるぜ……(しみじみと味わいっ)




「おっは〜、愛美ちゃん。アケオメ!」




ピクッーー!




だ、誰だ⁉︎

アタシの癒やしの時間をジャマするヤツはっ?






……いや。



つーか。






この、久々に聞くれしい話しかけ方。

これは、もしや……!



「あっ……しろさん、明けましておめでとう」




やっぱりぃぃぃ!




コイツは、しろ くろこと、2学期デビューこげパン娘ーー!(※第22話参照)




プロデュース系幼馴染の手によって、夏休みに色白系おとなし女子からゴン黒系陽キャ女子へと変貌をとげたコイツが、いったい愛美になんの用だ⁉︎



「愛美ちゃん、よく本を読んでるよね。こんなしおりがあるんだけど使う?」



ピッーー(黒江、紅葉の葉がラミネートされた栞を差し出しっ)



「わあ……きれい! どうしたの? これ」

「年末に温泉旅行へ行ってきてさ、古民家がやってる民宿に泊まったの。そこでたくさんもらったんだ。よかったらどうかなって」




ピクッ……!




お、温泉旅行?

それって、もしかして……。




「ありがとう、使わせてもらうね!」

「うん、喜んでもらえてなによりだよ。じゃあね!」



ほっ……イイぞ。

サクっとやり取りが終わった。


旅行の土産話に発展しなくて安心したぜ。


おそらく、その温泉旅行には例のプロデュース系幼馴染がからんでいると思われる。


そうなると、現地で起こった出来事はキット刺激的な内容に違いない!


朝からそんな話、純真無垢な妖精の少女にはふさわしくないからな。




「白加羅さんっ!」

「ん、なに?」




へっっっーー⁉︎




ま、愛美……?

なぜゆえに、そこで2学期デビューこげパン娘を呼び止めるんだ?


ま、まさか……(汗、つ〜)




「もしかして、その温泉旅行って……陽太くんと?(愛美、赤面しながら興味津々っ)」






だあぁぁっっっ!


やっぱりぃぃぃ!


愛美から率先して話をほじくりにいったあっ!!!






……そう。


信じたくはないが、初めて2学期デビューこげパン娘にからまれた時にアタシは確信したんだ。






愛美は、()()()()()()()()が好きなんだ、とーー。






清楚で優しくて可憐。




なのに。




実は、エロい。




……かもしれない。






そんなギャップも最高です!

最高すぎですっ!



でも。


やっぱり。



愛美には、そんな話題に自ら切り込んでいくような積極性は似合わないよ〜!




「あ……わ、わかっちゃった?(黒江、ニヤッ)」




ほらぁ!


案の定、2学期デビューこげパン娘が超絶だらしなくニヤニヤし始めたぞ!


これはもう、話したくて仕方ないスイッチが完全に入ってしまった!(頭を抱えっ)




「2人で旅行でもしようって秋頃から計画してたんだけど、未成年だけで泊まれるトコって全然なくてさ。そんな時、陽太の親戚が古い民宿やってるから特別にOKもらえたの! で、その近くに穴場的な温泉があるって陽太が言うから、イイ感じで温泉旅行になったってワケ」

「へ、へぇ、ステキ。それで……どんな感じだった?(※注 愛美さん、もう止まりません)」




ダ、ダメだよ愛美ぃっっっ!

それ以上、深掘りしにいっちゃダメだっっっ!




「うん、温泉は大自然に囲まれた露天風呂で最高だったよ。地元民しか知らないような場所にあって、私たち2人で貸切状態だったし」

「ふ、2人だけっ?(愛美、目を見開きっ)」

「うん。いわゆる……混浴、ってヤツ」




ダアァァァッッッッッッ!


やばいっ!


やばいって、それはっ!


もう、イキナリ()()に突入しそうな勢いだぞっ⁉︎




「こっっっ、混浴っっっ……⁉︎(愛美、興奮のあまり椅子から少しお尻を浮かせっ)」




あああっ!


イケナイッ!


妖精の少女がっ!


純真無垢で可憐な妖精の少女がっ!


禁断の沼に足をとられてしまうぅぅぅ!!!




「夕暮れの中、最初はお互いに背を向けて『イイ湯だね〜』なんて言いながら入ってたの。でも、途中で会話が途切れてしばらく無言になってさ。そしたら突然、陽太の背中が私の背中にピタッとくっついてきてーー」

「はあぁぁ……! うんっ、それでっっっ……⁉︎」




ひゃあぁぁぁ!


ま、愛美もアクセル全開で聞きにいくぅぅぅ!

もう、誰にも止められないぃぃぃ!




「お互いに胸のドキドキが背中越しに伝わり合って、変な雰囲気になった、その時……」






も、もう我慢できないっっっーー!




ここらでその話、打ち切りにしてやるぜぇぇぇ!






「地元のおばちゃんたちが入りに来ちゃってさ、もう大慌て! 声が聞こえてきた瞬間に、2人して急いで温泉を出て民宿に帰ったんだよ」




ナ、ナイスッッッ!


ナイスすぎるぜ、地元のおばちゃんたち!


そうだよ、だって温泉はカラダを癒やすトコ!


男女があやしくイチャイチャする場所ではない!






「へ、へぇ……(愛美、遠い目で棒読みっ)」






…………。




……テ、テンションが下がってる。

わかりやすく、愛美のテンションが下がってるぞ。




「……でも、さ」




ピクッーー!


な、なんだっ?

その意味深なニュアンスの『でも、さ』は……。


なんか、やばい匂いがプンプンする!



「そのあと、夜に()()()()()()()が待ってたの」

「っっっーー! ビ、ビッグウェーブッ……⁉︎(愛美、期待に胸を膨らませて思わずガタッと椅子から立ち上がりっ)」




はわわぁぁぁっっっ!

ま、愛美が立ち上がったあっ!


な、なにっ?

ビッグウェーブって、いったいなにぃぃぃ⁉︎




「民宿に帰って夕飯を食べたあと、2人で窓から星空をながめてたの。キラキラ輝いてキレイだねって話してたら、おもむろに陽太が言ったの。お前の目のほうが、キラキラ輝いてるよ……って」

「はあぁぁぁ……!!!(愛美、顔を真っ赤に染めて両手を口に当てっ)」




はうぅぅぅっっっ!


ま、愛美の興奮度がMAXにぃぃぃ!




「照れて無言になった私に、陽太はこう言ったの。俺にはその輝きが眩しすぎるから、ちょっと目を閉じてもらってもイイかっ……て」

「おっ、おおおぉぉぉんっっっ……!(※注 愛美さん、興奮が限界突破して変な声が出ました)」




や、やめてぇぇぇ!


お願いだから、そんな声出すのやめてぇぇぇ!


愛美がキャラ崩壊するトコロなんて、見たくないよぉぉぉ!!!(泣っ)




「ドキドキしながら目を閉じたら、私の唇に陽太の唇が重なって……キス、されちゃった(カアァァァ)」

「おっ、おおんっ……! おおおんっっっ……!!!(※注 愛美さん、声だけでなく口に当てた両手までふるえ始めました)






グギュウウウッッッッッッーー!!!(百合子、血が出そうなほど両手のこぶしを握りっ!)






ゆ、許そうっ……。


1兆歩ゆずって、そこまでは許してやるっ……!






だが、しかしーー!!!






それ以上、話してみろ。


この石をも砕くほど握りしめたアタシのこぶしが、どうなるかわかってんだろうなぁ……⁉︎




「陽太のキステクで頭がトロけちゃって、足もガクガクして力が入らなくなって……もうダメって、膝から崩れ落ちそうになったその瞬間、陽太が私をお姫様抱っこしたの」

「◯っっっ、◯¥◇♯@♫⭐︎っっっ……!(※注 愛美さん、ついに言語回路が破壊されました)」

「そのまま布団に連れて行かれて、浴衣の帯をほどかれて、そして……!」






ドバッコォォォォォォォンッッッーー!!!(※注 ただいま、百合子が机を破壊せんばかりに正拳突きしました)






「ひいぃぃぃっっっ!!!(黒江、ビクウッ!)」


「ゆ、百合、ちゃんっ……⁉︎」






シ〜ン…………。






「あのっさぁ……! 栞を渡したんならさぁ……! サッサと自分の席に戻ったらどうかなあっっっーー⁉︎(眼力ドォォォンッッッ!)」



「はっ、はひいぃっっっーー!(黒江、急いで自席にピュ〜ッ!)」






ふうぅぅ……。


やれやれ。


危ないトコロだったが、なんとかレッドゾーンへ突入する前に話を打ち切れたぜ。


さあ。

これでもう安心だ、愛美。






……って。


あれ?






「むぅっ…………(愛美、不完全燃焼によりふくれっつらで両頬をプクウッ)」






ひゃ、ひゃあぁぁぁーー!


ま、愛美が怒ってるぅぅぅ!


話を途中で切られて、完全に怒ってるぅっっっ!!!






いや、だって、ほら……!


アタシはただ、可憐な妖精の少女に純真無垢なままでいてほしかっただけで……。


な、なのに、そんなプク顔で怒られたら……アタシ、泣いちゃうよ?(鼻を真っ赤にして涙目っ)




「……百合ちゃんっ」

「は、はひっ⁉︎(ドッキリーン⭐︎)」

「アタシたちも、その民宿に泊まりに行こっ?」

「えっーー?」

「……だって、あんな中途半端なトコで話が終わっちゃったら気持ちわるいよっ」

「は、はあ……」

「だから、実際に私たちが泊まりに行って、話の続きをつくって穴埋めしよっ?」

「えっ⁉︎ そ、それって……」

「もちろん、場面は……星空をながめて、布団に行ったトコロからーー(どっちが陽太くん役なのかは当然わかってるよねっ? 優しく、してください……的な照れ顔でエンジェルおねだりっ♡」)






ドボフンッッッーー!(※注 百合子の頭の中が爆発しました)






「な、なぁ〜んてね、冗談だよっ! あ、でも旅行には本当に行きたいな……って、あれ? ゆ、百合ちゃん? ちょっと、百合ちゃんーー⁉︎」






ーーその時、すでに百合子が空高く昇天していたのは言うまでもない。






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