41.ふたりの恋守り
今朝の気温。
0度っ。
……だが。
アタシの心は、氷を溶かすほどポッカポカだぜーー!
なぜなら。
そう。
アタシは。
これから、愛美と初詣デートなのだぁぁぁ〜!!!
ああ、なんという最高の新年の幕開け!
元旦から愛美と初詣に行けるなんて!
去年のクリスマスイルミネーションデート(※注 前話参照)の時、愛美が教えてくれたサンタさんに頼んだプレゼント。
それは。
なんと。
アタシと初詣に行くこと、だったんだよぉーー!!!
聞いた時は頭が真っ白になっちまったが、頼まれたプレゼントは届けるのがサンタの役目!
この百合子サンタ、愛美のプレゼントを届けに元旦からトナカイに乗ってやってきたぜえっ!
つーか。
もはや、コレって逆にアタシの方がプレゼントをもらった側だよ〜!
「お、お待たせ百合ちゃん。待った?」
はぃぃ、きたあっっっーー!!!
なんど経験しても、毎回最高のドキドキ感を更新するこの瞬間!
ああっ、今年お初となる愛美の姿を目に焼きつけさせていただくぜえっ!
くるんっ……(ゆっくりと愛美のほうに振り向きっ)
っっっっっっーー⁉︎(百合子、愛美の姿に衝撃っ!)
「っ……ど、どう、かな?(愛美、右手の指先を頬に軽く当てながら照れMAXっ)」
どっ、どうっ、て……。
…………。
どうってえぇぇぇぇぇぇーー!
まま、愛美お嬢様っ!
愛美お嬢様がっ!
ふふっ、振袖を着ていらっしゃるぅーー!!!
「お母さんのお古が家にあったから、思いきって着てみたんだけど……変じゃないかな?」
ブプッッッッッッ!(百合子、鼻血を噴射して片膝を地面につきっ)
「わわ! ゆ、百合ちゃん⁉︎ だ、大丈夫っ? は、鼻血がっ……!」
「……だ、大丈夫だ。ちょっと、アタシの鼻からも初日の出が昇っただけだ」
「は、初日の出……?」
ま、愛美お嬢様っ。
それはちょっと反則ですって!
イキナリ振袖姿のご披露とか、そんなの興奮が抑えきれず鼻血も出ちゃいますって!
や、やばい。
あまりの可憐さに酸欠で頭がクラクラしてきた……。
「と、とりあえずこれで拭いて?(愛美、ポケットティッシュを差し出しっ」
「す、すまん……」
はうぅぅ……。
新年早々、こんな醜態をさらして情けない。
愛美お嬢様、どうかこんな私目に愛想をつかさないでくださいませ〜(泣っ)
◇◆◇◆◇
ピンポンパンポーン♪(百合子&愛美、拝殿に向かいっ)
「ごめんね、草履だと歩くのも遅くなっちゃって」
「ああ、問題ない。気にすんな」
はわわぁ〜!
慣れない草履で、歩行がおぼつかない愛美も可愛いすぎるよぉう!
あぁ、こんな可憐すぎる大和撫子がアタシの彼女だなんて……もう、壊れるほど抱きしめるだけじゃおさまらないーー!(※注 勝手に愛美を彼女化した百合子は、妄想の世界へと突入しました。しばしお付き合いください)
『ゆ、百合ちゃん、どうしたの? こんな、人気のない所に連れてきて……』
……ごめん、愛美。
もう、我慢ができないんだ。
『え? が、我慢って……なにが?』
わかってるクセに、そんなこと訊いてイジワルだな。
『そ、そんな……私は、本当に……(愛美、頬を赤らめて百合子から視線をそらしっ)
それに、アタシに内緒で振袖を着るなんてイケナイ娘だ。
『ど、どうして?』
どうしてって……こんな可憐な姿、ほかの誰にも見せたくないからに決まってるだろ?
『あっ……(カアァァァ)」
ぐっ……!
そんな顔をして、どこまでアタシを興奮させるつもりなんだ?
『そ、そんな、私はそんなつもりじゃ……』
すまない、愛美。
これからアタシはケダモノになる。
そして、お前の全てをいただくーー。
『っ…………(愛美、顔を真っ赤にして涙目っ)』
神様に見られちゃうけど、イイよな?
『……違うよ』
えっ?
『見てもらうんだよ』
なっ……!
『神様に……見てもらお? 私たちが……1つになるトコローー(愛美、艶っぽく潤んだ瞳でエンジェル微笑みっ)
っっっーー!!!
ま!
まっ!
まっっっ!
愛美ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃーー!!!
まなみぃぃぃぃぃぃ!
なみぃぃぃ……!
みぃ……。
ぃぃぃ……。
……………。
ゃん……。
ちゃん……。
りちゃんっ……!
ゆりちゃんっ……!
「百合ちゃんっーー!!!」
はっっっーー⁉︎
「だ、大丈夫、百合ちゃん? なんか、顔がポワァ〜ってしてたよっ?」
「ああっ、だ、大丈夫だ! いい天気すぎて、ちょっと顔がゆるんでた(※注 百合子、現実世界へと無事に帰還を果たしました)
「そ、そうなんだ?」
ふぃぃぃ〜、あっぶねえ!
つい快楽の楽園にフライトしてた!
いつもながら、ナイス引き戻しだぜ愛美(汗っ)
「あ……私たちの番だね。行こっ」
「お、おう」
チャリン、カランカラン……パンパン(百合子&愛美、お賽銭を入れてご祈願完了っ)
「ねえ、百合ちゃんはなにをお願いしたの?」
「え? いや、別に……たいしたこと願ってねえよ」
ウソ。
ホントはメチャクチャ大事なことをお願いしました。
それは。
これからも愛美と一緒にいられますようにってコト!
でも、そんなの恥ずかしくて言えないよ〜!
「そうなんだ?」
「そっちは、どんなことお願いしたんだ?」
「えっ? ああ……うん、内緒。へへっ」
はうぅぅ!
最後の「へへっ」が可愛いすぎるぅ!
もう、最高のお年玉をもらった気分だぜ〜!
「わあ、おみくじだ」
「やっていくか?」
「う〜ん……私はイイかな」
「えっ、イイのか?」
「うん。思ったのと違うのが出たら、ちょっとヘコんじゃいそうだから」
「ふぅん……そっか」
ちょっと、意外。
愛美もそういうの気になるんだな。
でも。
そんなトコロも可愛すぎるよぉん!(悶絶っ)
「あ……でも、ちょっとお守りを買ってもイイ?」
「ああ、イイぜ」
「百合ちゃんは買わないの?」
「おう、アタシは大丈夫だ」
「……そっか。じゃあ、ちょっと行ってくるね」
はうぅぅ……。
お守りを買う振袖姿の女神様。
もう、尊すぎて言葉にならない……(悦っ)
「お待たせ、ごめんね」
「ああ、買えたか?」
「へへ……コレ、買っちゃった(愛美、百合子にお守りを見せっ)」
……え?
れ。
恋、愛……成、就ーー?
……………。
恋愛成就っっっっっっっっっっっっーー⁉︎
えええっ……そそ、そんなっ……!
れれれっ、恋愛成就って、誰か結ばれたい人がいるってことぉ⁉︎(ガクブルっ)
「す、好きなヤツが……いるのか?(声ふるえっ)」
「あ……うん(ポッ)」
ひいぃぃぃっっっーー!!!
メ、メチャクチャ照れてるぅっっっ!!!
お、終わった……。
もう、全てが終わった……。
「百合ちゃんは、好きな人……いないの?」
「い、いねえよ、そんなもん……(遠い目っ)」
「そう……なんだ」
ウソです。
アナタのことが大好きです。
でも。
魂さんが。
アタシの、魂さんがですね。
あと、1ミリでカラダから抜けて。
この晴れ渡る、新年の青空に向かって昇ろうとしているワケで。
ピッーー(愛美、百合子の両手にお守りを握らせっ)
はひぃっっっ⁉︎(百合子、ドッキリーン&魂がシュルンっとカラダに戻りっ)
スッーー(愛美、お守りを握らせた百合子の両手を取って自分の顔の前に動かしっ)
なな、な、なに、コレッ……?(心臓バックバクッ)
「…………(愛美、目をつむって静かにお願いっ)」
「あ、あの、えっと、コ、コレは……⁉︎」
「……ふふ。お守りのチカラ、おすそ分けしたよ」
「お、おすそ分け?」
「百合ちゃんにも、好きで好きで仕方ない人ができますように……って」
「えっ……」
「そして、どうかその人は……」
そ、その人は……?
「どうか、私でありますように……ってーー(きっとアナタは気づいてないんだろうけど、私の成就させたい恋は、今この手の中にあるんだよ? 的なエンジェルスマイルでニコッ♡)
ドボフンッッッーー!(※注 百合子の頭の中が爆発しました)
「な、なぁんてね! 冗談だよ……って、あれ? ゆ、百合ちゃん? ちょっと、百合ちゃんーー⁉︎」
ーーその時、百合子が先走って今年最初の昇天をしていたのは言うまでもない。




