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成長・指数関数

 宇宙戦艦の多重クロスを考えていて、この文のメインテーマである謎、

《なぜ連邦が退廃しルドルフが出たのか》

 が解けた気がしてしまいました。筋が通るというだけで、間違いでしょう。しかしとことん筋が通るのです。

 大変なのは、その解が「なぜ銀英伝の世界は、人類の宇宙進出直後にでも、生産量の自己増殖による指数関数爆発が起きていないのか」の解と一体なのです。

 ついでに『|(旧)宇宙戦艦ヤマト』の巨大な秘密も解けた気がします。それは旧の白色彗星帝国をまったく違うものにも見せます。

 その思考の過程に、それまで考えたこともなかった、「なぜ、アンネローゼはフリードリヒ四世の死で殉死しなかった、殉死しろと圧もかけられなかったのか」までも解が出ました。おぞましい解が。


 以下の論は、別のところでの多重クロス二次と違う根本設定にしています……あちらではラインハルトはひたすら前進、ヤンは傍観ですがそこを違えるとすべてが違ってしまう。ですがこちらのほうが原作との整合性が高い。


 以前も書いた、ガイエスブルク要塞にエンジンをつけたことと、イゼルローン要塞。

 イゼルローン要塞は内部に水耕農場とミサイル工場を持ち、何百万人も食と部品、水と空気を供給でき、生きられる。ユリアンは50年籠城する決意をしたほど。

 ガイエスブルク要塞もほぼ同等であり、シャフトの提案でエンジンをつけたことで、移動できる。


 ガイエスブルク要塞、または同等の要塞がエンジンをつけて脱走したら。資源小惑星を食べながら自分の部品を一つずつ作り、水耕農場で人々を食べさせ、産み育てさせて教育し、人間を含む自分を複製できる。そうなったらもう、糖液中の細菌と同じ、1が2、2が4、8、16、32……将棋盤に米粒と同じ指数関数。


 筆者は何となく、クーデターでヤンが氷の塊を加速させたことと、ラインハルトがガイエスブルク要塞にエンジンをつけたことが、往復書簡だと感じました。


 その往復書簡という直観に沿う、完全に筋が通る解釈を思いついたのです。

《『銀河英雄伝説』の地位が高い人間たちは、帝国・同盟ともに、「指数関数増大を禁じる」という強大な規範を、明文化・組織化させずに持っている。》

 これが仮定です。


 ここからは筆者の妄想です。

 ヤンは、帝国が要塞にエンジンをつける計画を察知した|(これは確か原作にはない)……根拠としては、互いに技術を奪い合うので極端な技術格差はない、という言及が原作にあった。

 クーデター鎮圧で加速させた氷を使った……帝国、特にこれから帝国を手に入れるラインハルトに対する「指数関数増殖させるんじゃねーぞ」という警告として。これは『三体シリーズ』を読んだ今だからわかることですが、宇宙のわずかな水素を拾うラムジェットエンジンでの加速は、恒星間距離の後には本当にとんでもない速度・威力になる……『三体シリーズ』の光粒に匹敵する。恒星を破壊し、星系の全生命を殺せる。

 銀河のすべての生命を殺せる、という脅迫。

 その書簡を読んだラインハルトは、ガイエスブルク要塞を使い潰した。あれはヤンに酷評されるほど悪い作戦であり、意味がない……そして、ガイエスブルク要塞が後のラグナロク、同盟征服作戦でもしラインハルトの手にあったら、兵站で苦しんだ帝国軍がどれほど助かったことか。楽勝だったでしょう。

 それすら捨てて使い潰した……それが、ラインハルトのヤンに対する、「わかった、指数関数には踏み出さない。ほら、要塞は潰した。やりたくても当分先だ」と、行動で書かれた返書だった。

 この解釈は筋が通る。


 そう考えると、ガイエスブルク要塞にエンジンをつける、というのはシャフトなどという小物か?と。……フリードリヒ四世。

 仮定を加えましょう、要塞にエンジンをつけるという発想自体がフリードリヒ四世だった、と。


 ではフリードリヒ四世はどんな立場だったでしょうか?

 原作ではっきりしているのは、ラインハルトが出てくるまででもヴァンフリート、エル・ファシルなど同盟領に大きく攻め込み、またイゼルローン要塞の威力で同盟艦隊に膨大な出血を強いて戦争を有利に進めていた。ラインハルトが出たのちも、ラインハルトは皇帝の臣下ですから、それまですべての勝利は任せた皇帝の功績のはずです。何もしていなかったとどれほど言われてもそれこそ名君。

 さて、そう安定的に戦い続けながら、なぜ自分の死に前後して、要塞にエンジンをつけるということを許したのか?死後と言っても、シャフトがアイデアを出してから一晩でできる仕事ではありえません。何十年も前から色々な動きはあったはずです。それを皇帝は黙認した。


 ガイエスブルク要塞にエンジン、それは指数関数増大を可能とする。それはやや時間はかかるが、人間の歴史から見ると短期間で、帝国と同盟を束にしてもかなわない膨大な人口・艦船生産能力を持つ別文明を作れる。

 さらにいうなら、自由惑星同盟それ自体が、文明の自己増殖、ひいては指数関数増殖の始まりでもある。

 帝国の中のごくわずかな部分集合、流刑囚がドライアイスの船で旅立ち、小惑星に隠れてワープ船を作って未踏の航路を探索し、犠牲を出してよい星にたどりついて人口を増やし、工業を増やして帝国と戦える文明を作った……まさに文明が自己増殖した。

 木が小さな種を飛ばし、それが風や鳥の腹や水など様々な方法で移動して、遠くで芽を出し、親と同じように大きな木になるように。


『現実』の歴史にもそれに近いことは起きています。

 一番印象が強いのが、アメリカ合衆国が、イギリスと同等以上に鉄を作り、軍艦を作ったこと。どこかでアメリカの鉄鋼生産がイギリスのそれを上回ったこと。

 たまたま、『現実』の歴史は、そのままアルゼンチンも南アフリカも、またアメリカを親としてアラスカもハワイも、とはなりませんでしたが、そうなっていることを禁じる物理法則はありません。日本や中国がそうなったとも言えます。

 遠い過去であれば、ギリシャはあちこちに植民都市を作りました。同様な社会、同様な生産、同様な軍を持つ都市が遠くにできる……しかも本国と違い近くの木材を使い切っていない。


 筆者はこう考えました。ゴールデンバウム帝国が恐れたのは、自由惑星同盟が、イゼルローン回廊・フェザーン回廊で帝国と結ばれる、その逆の方向に新しい回廊・新しい未踏の星々の領域を見つけ、そこにさらに種をまいてしまうこと。

 また、大きな木が育ってしまうこと。

 それを防ぐために、ひたすら攻め続けていた……和平を選ばず。


 そこでフリードリヒ四世は?その使命に従っていたが、最後にガイエスブルク要塞にエンジンをつけることを許すという、指数関数の解禁を行った。筆者の妄想ではそれは、ラインハルトに対して指数関数増大の恐ろしさを教えるため、そして同盟・帝国に、自己増殖要塞文明という第三者をぶつけて相打ちにさせるため、としました。

 さらに自分の使命に反抗する気持ちもあった、とも想像しました。


 さらに、フリードリヒ四世が指数関数増大を止める立場だったのなら、愛妾であるアンネローゼが殉死を強いられなかったことの恐ろしい説明にもなるのです。

 ルドルフの代では医者も死を賜りました。死の時まで世話をしていたアンネローゼが責任を取らされるのは、殉死を強いられるのは必然でしょう。

 そうならなかった……殉死しろと圧力もかからなかった。いくらラインハルトの権勢があっても、彼らはそのような宮廷の暗い部分は苦手でしょう。

『ホームズ』にある、吠えなかった犬。なかったことが重大な情報。

 アンネローゼにできること。次の皇帝になるであろうラインハルトに、私的に近い立場。ラインハルトを殺すことができる。彼女自身が生きていれば。

 だから、殉死しろと圧力をかけてもならない、とフリードリヒ四世は命じることができた。

 ……これまでの歴代皇帝にも、そんな存在がいた……

 そして、ラインハルトの若すぎる病と死も、アンネローゼが容疑者になってしまう……


 ゴールデンバウム朝にも、流血帝アウグストなどの暴君はいる……ストッパーがいるならすぐ暴君を止めていただろう……

 基準が違うなら?

 暴君だろうが名君だろうがそんなことはどうでもいい。指数関数増大、本当の成長をしようとしたら殺す。そんな基準なら?

 そしてアウグストがまず父の後宮を皆殺しにしたのも、先帝の後宮の殉死しなかった生き残りに殺された皇帝がこれまで何人かいることに気が付いたから……と、考えてしまいました。

 そうなればもう、すべての人が刺客に思えてしまう。だから殺しまくる……

 肥満体で自力で歩けない自分こそ、ルドルフの基準では皇帝の資格がないことは明白、それも意識してしまっていたでしょう。

 ……争って自滅した、フリードリヒ四世の二人の兄も……

 同盟征服、同盟との和睦どちらも潰された、それは原作では地球教の陰謀とされますが、こちら側からの説明もできます。戦い続けていればこそ同盟の自己増殖を封じられる、和睦すれば同盟には別の回廊を探索する余力ができ、同盟を征服したら同盟が持つ別回廊探索・自己増殖の物語とノウハウが肥大化した帝国に入ってしまう。


 この、指数関数にまつわる妄想は、ひたすら拡大を続けていたルドルフ以前の銀河連邦が退廃したことすらも、またルドルフそのものも説明してしまいます。


 シリウス戦役後、どんどん植民星を増やして拡大を続けた連邦。まさに指数関数です。

 それを嫌った人たちがいたら?その人たちは何らかの方法で、人々の心が変わるように情報をまいたりして、腐敗し成長が止まるようにした……と説明できてしまう。

 さらにルドルフ。彼がしたことは暴虐であると同時に、すべてが的確な指数関数封じです。

 自由を消す。福祉をなくす。格差を極大化する。大虐殺。秘密警察。人力にせよ。ゲルマン民族・文化……それらはこの上なく効果的に、経済成長・人口増加・技術進歩を消し去っていきます。

 筆者の妄想では、ルドルフは、その指数関数封じという賢い人たちの合意を理解したうえで、それを利用して自分の権力欲を満たしつつ、しかもそれを自らの使命としてより強く進めた、だから帝国の深い部分に指数関数を禁じよという命令と闇の制度も埋め込んだ、と理解できてしまいます。


 さらにこれは、もっと過去にさかのぼると恐ろしいことになります。

 地球人が宇宙に出た直後、ある時点で、なぜ生産の指数関数増殖がなかったのか。


 以前宇宙世紀でも提言しました。

 宇宙に出た時点で手に入る膨大な太陽のエネルギー、小惑星や木星の小さい衛星にある核が露出した破片の、高純度で膨大な金属元素資源、大きい衛星の水・二酸化炭素・アンモニアなど原子番号が小さい揮発性元素資源。そのすべてがそろえば、自己増殖性の、少人数の生産設備を稼働させることが可能なはずです。

 それが、木星圏から地球までの運搬に時間はかかるとしても、稼働すれば比較的短期間であらゆる生産はとてつもない量になる。

 それを全人類に分配すれば、格差のある社会とは別の社会になっているはず……


 これは『銀河英雄伝説』でも、『ガンダム宇宙世紀』でも、『スターウォーズ』でも、事実上すべてのSFに言える不在という事実なのです。ホームズの吠えなかった犬。……逆にそれがあるのが『スタートレック』『断絶への航海』。


『銀河英雄伝説』の冒頭近くに、「どうにかしたいが、どうにもならない」という言葉があります。

 しかし作中のピースを合わせれば、どうにかなる…イゼルローン要塞の農場や工場の描写と、ガイエスブルク要塞のエンジンがそろった時点で。



 他の作品でも、指数関数増大を気にするととんでもないことが浮かびます。

 たとえば、『宇宙戦艦ヤマト|(旧)』でスターシヤが地球に波動エンジンを届けたのは、結果を知っているからこそガミラスを止めさせようと?

 征服と膨張、その先は破局だと知っていたから。

 地球もやらかすかもしれないが、地球人は見ればバカだとわかるのですぐ自滅するから大した害はないだろう、と。


 旧の白色彗星帝国も、そういう目で見ると恐ろしいものです。多くは前述ですが。

 三次元を一次元にしているので、二乗で増える表面積と三乗で増える内部人口のギャップという問題がない。

 恒星破壊兵器の心配がない。

「ファウンデーション」の強い皇帝と強い将軍のジレンマが起きない。関連して、帝国内部の距離が邪魔になって援軍を動かすのに時間と費用がかかることがない。

 征服し続けているので、征服して分配しているときの高度成長状態、ハルドゥーンのいうアサビーヤ=団結と武人精神を永続させられる。中国文明、他でも避けられない宦官外戚荘園腐敗にならない。

 騎馬民族が下水コスト・不潔による伝染病がない、野に出して翌日は移動すると同じ、エントロピーを滅んだ世界に置いて行ける。木材不足も起きない。

 三次元に膨らんだ帝国を作らないことで、腐らず存続し続けることができる……宇宙の支配者、と欲望の塊に見せかけて、実際には禁欲だった、指数関数に抵抗する正解だった、と。


『現実』では、ティムールがそれに似たことをしています。あちこちで、勝利し破壊と略奪をしながら、あとの統治機構を作らずに去ってしまっているのです。

 そうするほうが滅びなくていい、ということかもしれません。……史実でティムールは、アサビーヤを失うことで衰退する国々という法則を見出した歴史家イヴン・ハルドゥーンと会っています。同じ結論に……



 あらゆるSFが、宇宙に出て間もなく、あるいは地上でもいくつかの技術がそろえば可能になる、生産の指数関数から全員が十分豊かな社会になる、がない、銀河の多くに広がっているのに奴隷制や帝国、戦争がある。

 これ自体が、一度気が付いてしまえば不自然なことなのです。


 なぜ?容疑者は、今のところ三人います。

〇ご都合。特に生産の指数関数増大による豊かさが実現した後の世界では、物語ができない。貴族と奴隷のほうが物語は作りやすい。冒険小説で、元特殊部隊の正義漢を拷問するのに目も指も潰さず電撃だけ、逃げられてラストでナイフ格闘でやられる悪役と同じストーリーの奴隷。


〇今回の筆者の妄想、その世界のえらい人たちが指数関数増大・成長を止めると決めたから。筆者自身は信じていない、ストーリー上作っただけです。


〇そしてもう一人の容疑者が、人間性に含まれる必然による。

「物」側……伝染病、ある規模になると必然的に争う、などなど。人口が増えるだけでも変質するでしょう。ダンバー数をはじめ、昆虫が何メートルものサイズになれないように、人数や範囲が増えたら群れの性質が変わる。おそらく枢軸の時代もそれ、人間サイズが増えて、人の顔と声では支配できなくなって、成文法や官僚機構、唯一神を作った。その後も近代国家……人口の桁数と、支配手段が関係しているのが歴史の普遍法則?

「心」側……人間の性、も考えてみたいです。

 現実の歴史で多くの文明が、常に指数関数抑制をしてきた……反科学・反自由思考・反商工業・技術奴隷と筆記特権階級を分けることの普遍性があります。

 ルドルフがやったことが、指数関数封じであるとともに、普遍的な人間の欲望=敵を殺す・贅沢をする・世界をきれいにする、の発露で、歴史上多くの独裁者がやったことであること。

 塩化ナトリウムを水に溶かしてゆっくり水を蒸発させれば立方体になるように、人間が膨大に集まって暮らすと、自然に指数関数封じミームが生じる、といえばいいでしょうか。


 ウォルター・シャイデルは平和に暮らしているだけで格差が拡大する。

 トマ・ピケティは給与より資本所得が大きいため格差が拡大する。

 ピーター・ターチンは富のポンプとエリート過剰生産で社会が不安定化する。

 ダロン・アセモグルは、一度収奪的社会になったら極めて強い慣性があり、それが徹底して指数関数を潰すと指摘する……多分ガンダム宇宙世紀はそれ。

 格差が拡大しきった社会も、それを正当化するために文字の獄など科学抑圧方向になることが多い。

 戦乱になればますます科学は死ぬ。

 ダロン・アセモグルと共著者の通俗本『国家はなぜ衰退するのか』『自由と国家』『技術革新と不平等の1000年史』は、無政府状態でも、腐敗していても、強すぎる帝国でも自由が死ぬ、自由がなければ科学技術を発達させ豊かに生きることができない、と強く主張します。

 戦後の途上国などは、むしろ権力者たちが権力と利益を保つため、あえて国を強くしない、技術進歩を意識的に抑圧することも多く見られると指摘します。

『文明(ファーガソン)』をはじめとするいくつかの本が、西洋が勝った理由として所有権・法の支配など社会システムが、工夫・発明・科学・技術進歩を許した、それを奇跡として語ります。


 現実ではこれまで、何度も指数関数が伸びかけてすぐ潰れる、マルサスの罠も指摘されています。『10万年の世界経済史(グレゴリー・クラーク)』は『夜来る』を題材に、限られた範囲で指数関数的に人口が増えると、土地を使い切り、木材が枯渇し、次の気候変動で飢饉が来て自滅する、と。

 では今回も同じことに?この近代文明の緩い指数関数成長、さらに未来で膨大な資源が瞬間的に人類の手に入る可能性はあります。だからこれからは違うのか、それともその指数関数破壊要素が「結晶」するのか、それもわからないとしか言いようがないです。

 ウォルター・シャイデルも同じように、格差拡大と文明崩壊による平等を見ています。

 そしてバーツラフ・シュミルは、すべての指数関数増大は止まる、と告げています。あらゆる技術で、あまりにも多くのS字曲線、限られたシャーレの細菌が一時的に指数関数増大をして、資源不足で止まるのを見続けたからでしょう。


「心」側として、フェルミのパラドックスの解の一つ、「すべての知的生命体には、宇宙に出ない行動方向がある」を考えてみましょう。

 その理由として「未発見の物理法則」か「|(三体)内気遺伝子がないと滅亡」も仮に考えられます。それと指数関数禁止は同形であり、しかも一部である、と。

「指数関数を抑制した文明だけが生きている」、進化・グレートフィルター側として考えられる、これは『現実』の、大沈黙というデータとも整合する。

『三体シリーズ』では隠れるのが遺伝子になっていない文明は殺処分するというモノサシがあります。

 あらゆるSFに、反指数関数「遺伝子」がなければ滅びる?宇宙に出て、水と鉱山とエネルギーを得て最初の指数関数を回せるようになった時点で?

 宇宙世紀ガンダムもその抑制遺伝子がある?ヤマトや『スーパーロボット大戦OG』は敵の多さが抑制遺伝子のかわりをしている?


 実際問題、以前も書きましたが、条件がそろっていないときの生産や人口の指数関数増大は、木材枯渇や農業に適さない斜面の開拓~条件が悪くなった時の大洪水など、大災害による文明破局につながることも真実なのです。


 指数関数の抑制、という面を強調した歴史書も結構多くあります。ほかにもまだ読んでいない本はあるでしょう。

 それは、「なぜ産業革命を起こしたのが、栄えた中国ではなく辺境のイギリスだったか」という歴史の最大級の問題にもつながります。

『繁栄』『OPEN』などさまざまな歴史書に描かれる、「権力者が自己主張と欲望を最大化し、異論を消し去ろう、世界をきれいにしようと暴虐をする」というのが、「強烈な使命感での指数関数封じ」のように見えてしまうということでしょう。

 人間の自然な欲望自体が、指数関数封じにもなってしまうという興味深い性質。

 そして今筆者が書きもので伝えたいのが、そうなるほど、多くのSFとこの現実のギャップになるぐらい人は指数関数が見えないが、多分指数関数は人間のこれまでの技術進歩曲線の、ほんのわずかな延長にある、上で書いたような指数関数封じ組織=作者のご都合は、「現実」にはない、海図のない海に出るしかない……


 そう考えると、あらゆるSFは、「生産の指数関数増大は起こらない、人類は宇宙世紀でも銀英伝でも変わらず戦争と超格差と悪政を続けてるよ、変わらないから大丈夫だ」という安心毛布では?

 実際には、宇宙世紀水準、今の地球人の少し先……無理をすれば今にも……指数関数増大はあるし、現在の「経済成長がある資本主義」が十分指数の係数が小さいだけで正の指数関数であり、数千年で見れば破局確実、また世界の深刻な貧困は急速に減り、計算すると出る数十年でゼロになり人類の質が変わるという現実から目をそらしているのでは……


 ここで、『現実』の今、軌道エレベーター・核融合炉なしに人類の生産を爆発的に増やす技術をあげておきましょう……

 エネルギーの、きわめて安価な貯蔵があれば砂漠地帯を太陽光・風力発電所にしてエネルギーを潤沢にできる。または大量生産が効く小型で劣化ウランとトリウムを燃やせる炉も、エネルギーを今のスケールではほぼ無限にできる。岩盤に水を注入する石油抽出法もかなりそれかもしれない。

 あまり質の良くない鉱物からの資源抽出。

 海水とエネルギーから、ブドウ糖やアミノ酸の直接合成、あるいは化学合成細菌を利用した、農業に頼らない食糧生産。いや、海水で育つアゾラ……浮いて空中窒素固定をする植物、でも。

 もちろん、バーツラフ・シュミルはどれも無理だというでしょうけど……彼も全知ではないはず。



 指数関数増大を防いでいる、それを明白に描いている作品も多くあります。

 ここでは、指数関数増大を、知と生産力に分けるほうが良いでしょう。

 知であれば今話題のシンギュラリティ、人工知能の賢さを無限に高めてしまう。それに人間を加える、人間を遺伝子改造したりサイボーグ化したりして知能を高める。

 生産力……自己増殖性工場、あるいはロボットの大量生産で、人がいらないのに物資が多い世界。以前あげた欠乏と豊穣の考え。

『ガンダム宇宙世紀』作中で明白に、サイコフレーム技術の封印が描かれています。ニュータイプそのものも軍事利用はするけれど封印しぬいています。ニュータイプの思想をアムロがばらまこうとしても、それは民に広がらず軟禁されることになりました。

『デューン』昔の戦いから、人工知能・コンピュータ系を徹底的に封じ、人間を改造と言ってもいいほど訓練し薬物を加えることで何とかしています。

 ほかにも人工知能・ロボットを封印している作品は多くあります。

『鉄腕アトム』でロボットを奴隷とした……それは、原住民や黒人を恐れたからこそ奴隷とし文字を教えることを禁じた白人たち……『死者の代弁者』の、ペケニーノを恐れるからこそ技術を教えないスターウェイズ議会、となります。

『スタートレック』地味に制約が多い。データのような人工知能アンドロイドの量産も許していないし、人間を改造改良することも厳重に規制している。ロミュランには反アンドロイドの陰謀組織がある。

『量子怪盗』で重要な勢力は量子力学を嫌い、「龍」の経験から技術の方向に制限をつけています。

『エンダー四部作』前述ですが、遺伝子改造で生じたビーンを殺すかえらい人が葛藤し、その後は高知能遺伝子改造人間には精神病も遺伝子的に仕込んで逆らわないようにしました。

『三体』は三体人が攻撃として地球人の技術を止めましたが、智子が去ってからも地球人は空間歪曲技術を禁じました。他の技術もあまり進歩しない、技術革新に対するためらいを感じます。二次元化が密造銃レベルに当たり前だったらそのリスクにも気づいていたでしょう。

『スーパーロボット大戦OG』は、地球を侵略する勢力には、地球人という危険な種族が技術を持つのが危険だから封じる、と宣言するのもあります。『三体』も三体人は地球人から技術を奪おうとし、『死者の代弁者』もペケニーノに技術を教えないようにしました。


 また、悪が結果的に、指数関数増大を抑制した話もあります。『ガロン』は、惑星改造のために与えられたガロンを善用すること、指数関数的に人類の力が増してしまうことを、無数の悪役が防いだ、とも言えるのです。

 この見方をしたからこそ、『銀河英雄伝説』のルドルフの暴政が、指数関数封じという面もあることが見えました。

 他にも『ヤマモトヨーコ』『真紅の戦場』など遺跡争奪系の無数の話は、その争いこそが結果的に遺跡の技術を有効に活用し、人間の生産力や知を爆発的に増大させることを防いでいます。

『三体』の暗黒の森も、結果的に技術進歩を色々な形でねじ曲げています。進歩しないことも破滅、でも存在を見せてしまう方向も破滅なのです。

 かつての失敗から技術を封印した、恐れているのが『ヤマト3|(旧)』のシャルバートやイスカンダルです。

『都市と星』のダイアスパーも、少し真相は違いますが、外に出てひどい目にあったからと外を恐れ、拡大を止めています。

 そして遺跡技術を手に入れたけれど、これは今の人類に渡しても戦争に使うだけだと捨てる、膨大な話こそ、一人の人間が判断して、知や生産の指数関数増殖を抑制したと言えるのです。


 神話としても、バベルの塔の話など、とてつもない知や力を人類が得ることは傲慢(ヒュブリス)として罪とされ、罰を受けて潰されます。

 人類の物語の強い共通点として、指数関数封じはあると言っていいでしょう。


 また話の類例として、「悪に力を与えるな」が使命になることも多くあります。

 それは『三体』の暗黒の森の構造、相手がどれだけ技術水準が高いかわからないから必死になる、もあります。『現実』はナチスが核兵器を開発することを恐れてアメリカは膨大な金と人材を注いで核兵器を開発しました。

『ガンダムシリーズ』は敵の新兵器を奪取する、奪回しようとする、新兵器の研究が敵の手に渡らないように執拗に追撃する、を繰り返します。

 それが変形されると、「人間はまだ未熟だから、この技術はまだ早い」と主人公が判断して捨てる話になるのです。

 結局のところは普遍的に力はあってはならない、という古くからの道徳・命令がある、と思えます。



 あらためて指数関数がどれほど重要か、しっかり考えてみましょう。

 米粒でも麦粒でも、64マスでも81マスでも、現実の現在、秀吉と曽呂利の時代よりずっと多い世界農業生産をぶっちぎる。

 ゆっくり、たとえば1%の経済成長などでも、何万年だと人口でも何でも宇宙の原子の数より多くなることをホーキングが指摘しています。かなり長いこと増加がなだらかなので目立たない、でも一度それがはじまるとグラフは垂直にしか見えないぐらい急に増えます。

 地球の海全部を砂糖水にして細菌ひとつから初めてもごく短期間で食いつくす。

 以前考察したことですが、指数関数のグラフは長いことなだらかで、突然真上に伸びるように増える。その性質は、『時空大戦』では自己増殖工場があったのに、それが威力を発揮する前の攻撃で破れることになった。

 そして『現実』では、グラフが動く前に借金取り・徴税人がすべてを破壊する事が繰り返されている?


 生物がそれほど急速に増えること、それは『三体』の暗黒の森とも強くかかわっています。

 水だろうとケイ素だろうとどんな存在だろうと、文明は、進化からでなければ作れない……これはドーキンスらのきわめて強い確信です。

 指数関数増大、とんでもない数のコピー。資源に限界があるから大半は死ななければならない。そこでコピーのわずかなミスが、方向を定めない進化を生み出し、どんなことでも際限なくできるようになる……その結果として、『現実』の地球人の文明というとんでもないものも生じている。

 逆に、指数関数増大で資源を食いつくすことが普遍的で、宇宙の資源が有限、だから他者が脅威となって〈暗黒の森〉になる、それが『三体シリーズ』の洞察です。

 宇宙は所詮闘争だ、というズォーダーやルガールの主張もそれと同じでしょう。『現実』の、国同士の闘争、国益以外に何もないという多くの声も。


 指数関数増大は、原爆そのものにも関わっています。原爆の連鎖反応こそ、一つの原子が壊れて二つの中性子を放出する、中性子を受けた原子も崩壊して二つ崩壊する、指数関数によるものです。

 ほかにも伝染病、ミームなど、とても多くのことが指数関数に関連します。


 資本主義そのものが指数関数を本質としています。経済成長率が、高度成長で15%、1%しかない低成長、というのが、昔の人間からすればおかしいのです。

 複利、プラスのフィードバック、収益を資金に加えて再投資することがあれば、それは遅かれ早かれ爆発する指数関数なのです。


 知も指数関数的な向上が考えられます。『繁栄』は、アイデアが種付けされ繁殖することが進歩の源泉であり、宗教・役人・兵士がそれを潰し続ける歴史を描きます。

 シンギュラリティの本質は、知の向上が一次関数の直線グラフではなく指数関数になり、人間の予測や想像がついていかなくなることです。数学で別の見方をすれば、一次関数直線グラフだと思っていたのは、指数関数の初期だった、あるいは多数のS字曲線の合成だった、ということでもあるでしょうか。

 その技術爆発に対する恐怖は、『三体』の暗黒の森の根拠の一つです。


 そうして人間集団が拡大したら、質も変わるでしょう。

 声が届かなくなる、官僚機構が必要になる。

 勝利で味方が増え続け、自分たちの質が変わり、コントロールが効かなくなる……

 以前は始皇帝型の、ビジョンを作って天下統一をする独裁者に注目しましたが、別の話も浮かびます。『氷と炎の歌(マーティン)』にある、ロブ・スタークが北の王となった時。勝利を繰り返して領土も味方も増えた、そのときロブ自身はスタニスに仕えてバラシオン朝の枠組みの中にいたがった。だが声が大きい部下が、スタニスは嫌いだ北の王、と叫び、部下たちが同調した。集団心理……叫んだ部下も簒奪ではなく従い続けた。ロブはそれに抵抗する力がなかった。

 平将門、足利尊氏、そしてチンギス・ハンも、そのタイプではないか?と思えるのです。


 そしてラインハルトが長命で、さらにたくさんの敵が登場して来たら?

 どこかで規模が大きくなりすぎて、国家や軍の質が変わっていたでしょう。強い将軍と強い皇帝のジレンマ。それはラインハルトの代は彼が最強だったから大丈夫でしたが、アレクの代は?

『銀河戦国群雄伝ライ』は天下統一後の変化も知者たちは見通し、雷自身も理解していました。最後の下剋上は終わった宣言。師真は引退した。武ではなく文に優れた長子の相続を守った……より優れたジャムカも公式に認知しなかった。

 帝国と同盟、フェザーンも合わせた新帝国も質の変化があるほどの規模だったのでは?だから新領土戦役が起きたのでしょう。



 自由惑星同盟が、文明の自己複製にほかならない、ということも考えを発展させてみましょう。

 歴史的な「文明複製」成功失敗例、と考えてみましょう。

 古代日本も、「中国文明を複製しようとした」試みと言えるでしょう。形は似るが中身別物になり、さらに変化しました。古代朝鮮のほうが複製忠実度が高いようです。

 そして平泉の奥州藤原氏。かなり高い水準で中央の文化を複製していた、だからこそ頼朝はなりふり構わず潰した、とも考えられます。ほかにも戦国時代には多くの小京都が生じ、潰されました。

 アメリカ合衆国=イギリス工業文明のほぼ完全な複製・「より上」に成功。

 ソ連=欠点は多かったが自立で戦闘機・原発維持成功。

 日本=戦前は資源、戦後は交易がなければ存在できないが工業水準では成功、ただし「より上」は劣る。……日本、韓国、台湾が強調して加速器、戦闘機開発、独自GPSなどをできなかったことが致命的に思えます。

 戦後インド=複製失敗。

 現代中国=工業水準、おそらく「より上」も成功。……核融合、加速器などをやれば。


 ここで、『氷と炎の歌』のシオン・グレイジョイや、ジョン万次郎が浮かびます。

 先進文明で学んできたのに故郷で受け入れられなかった人たち。

 逆に留学成功例としての岩倉使節団、イギリス織機を目に焼き付けてアメリカで複製した人、ピョートル大帝。

 複製できる文明とできない文明がある、ともいえるでしょう。

 さらに、空想でしかない文明の複製も……キリスト教国の神の国ビジョン、経典の極楽浄土を参考にした寺や貴族庭園のデザイン。

 そう考えると、中世のあらゆる権力者は「古代ローマ軍人・総督から出世、の成功と安定はもう無理。じゃあどうすればここで生きていける?」を考え、あの形に固まった……そこには古代ローマの物語、キリスト教の物語も多くあった……と想像できます。


 さらに、文明の複製というテーマを生物学と参照すると、類型化できます。

名前/性質/生物/歴史、SF/欠点

1 拡大成長/巨大化・複雑化/大型哺乳類や巨木/現代人類文明。/複雑化による変質

2 分裂増殖/コピーで増える/細菌・社会性昆虫/欧州→米国、ローマ→ガリア/敵となる可能性、暗黒の森|(『三体』は負文明となった地球人の船こそ恐れ憎んだ)

3 拡大拒否/小さく保つ/遊牧民/|(旧)白色彗星帝国/史実では都市文明になることでアサビーヤを失う。白色彗星帝国はテレサ、地球という外れ値の敵。本質的には物語のない国であること

4 永続静止/凍結・無成長/深海生物・深い岩石の中の細菌/『都市と星』ダイアスパー、『無伴奏ソナタ』、『三体』の物語のない国・暗黒領域/より上の技術、宇宙自体の変動

5ネットワーク雲/分散・同期/菌糸体、脳/今後のIT文明のありうる形/『三体』の次元兵器による広域消滅

6 濃縮/密度の深化/寄生生物/ダイソン球内文明・『量子怪盗』の情報特異点研究/物理学の限界、量子論忌避など

7 自滅/自己破壊/シャーレの中の微生物/さまざまな自滅……『白亜紀往時|(劉慈欣)』『火の鳥 未来編』など、今の人類を客観的に見た感想



 そして、「SFを殺す技術」という考え方もできます。

 容易に想像できるのに、SFには出てこない技術。

 実際にはSF作家たちは手を出さないことを選んでいる、でもそれをやったら物語が壊れるから、売れないから。


 小惑星の蒸留・液化。

 小惑星を二つ穴を掘って、ワイヤーでつないで振り回し人工重力とする。

 虫メガネでより大きな虫メガネを作る。小惑星を溶かしてピザ生地のように回す。

 水耕農場。糞尿を、食料と水と空気に戻す。エネルギー・水・空気・肥料分から栄養素・食料を直接合成する。化学合成細菌を利用する。海水で育つ稲やアゾラ。

 ガンダムの連邦型ソーラレイ。

 宇宙戦艦、生産力爆発:特に指数関数になる、自己増殖性自動工廠。低品位鉱山を活用できる技術。

 物資の無限化。

 並行時空への脱出による物資・エネルギーの制限解除……これは『三体』の解になる。

 穴掘り・船殻を豊穣にする技術。


 強力で、実際には多くのSFにあるけれど、有効に使われていない技術も多くあります。


 その、作者としてすべきことの逆を徹底してやったら?

「そんなことをしたら売れないよ」技術をてんこ盛りに詰める。

 それこそ冒険小説でも、争奪戦でUFOを手に入れて、捨てずに持ち帰ってからの話があってもいいのでは?



 これから、ITやAIなど情報系、核融合や宇宙や生産そのもの、それぞれは今が限度か、バーツラフ・シュミルが言うように線形のゆっくり進歩か、指数関数増大か。

 それに、99%をどうするか。


 未来を語るには最低限、「情報系技術がもっと発達する、強いAI・シンギュラリティ/発達しない」「軌道エレベーター・核融合など素材・移動・エネルギーの技術も発達する/しない」、さらに「これからも国家・戦争・格差・身分はあるしもっとひどくなる/技術が限度を越えたらそんなの消し飛ぶ」の組み合わせ、2の3乗で8つの前提を考える必要があるでしょう。それをやっている未来を語る人はどれだけいるでしょう?

 日本では科学技術悲観・定常文明ばかり。

 そして、本当に進歩することを考えたら、その先の未来は、今の人間には想像もできない事になりえる……現代の社会を中世の人が想像することの難しさのように。

 何を選ぶ?

 どうしたい?

 現実を見ないことを選ぶ?技術を、指数関数を抑制する?物語のない国を選ぶ?


 実際には今の『現実』の人類の、ほんの一歩先には、全く未知の世界しかないのです。

 たとえ科学技術が本当に、情報も物質も今が限度であっても、一歩先の未来が未知であることは替わりありません。


『死者の代弁者』で、エンダーはヒューマンという名のペケニーノと語り合います。ヒューマンが語る夢……それまでの生活の延長、ペケニーノという単一の知的種族、周辺部族は敵で争う。地球人に与えられた技術で人口を増やし、敵を殺し、支配範囲を広げ、子孫を増やす。

 エンダーはそれを、あらゆる生物の美しい夢だと言いました。そのうえで、それは悪であり、自分たち以外皆殺しにする世界になると否定しました。エンダー自体が、自覚は半ばバガーを滅ぼし、その無数の開拓済みの星を奪い、産児制限も過去のものとしたのです。

 もちろん欲望のままの指数関数増大は破局でしょう。しかし抑制だけの、『三体』の童話が言う物語のない国……ダイアスパーにも未来はないでしょう。何の変化もない、古代エジプトや中国の明のような世界。それでも外の世界は変化し、宇宙の星々は燃料を消費しているのです。


 あえてここで、昔の筆者の作品のテーマを再掲します。

《人間は愚かだが、だからこそ真実に背を向けず、未来を選ぼう。文明崩壊、十億単位の大量死(ギガデス)がなく、弱者も生きられる、自由のある未来を。》


 未来が未知だからこそ。指数関数という断崖に飛び込むしかないからこそ。

 そして筆者は、科学技術を進歩させる以外に、人類が生存することは不可能だと確信しています。定常文明はじり貧だと。


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