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双葉、コスプレするッ!

「何か恥ずかしいな」

 双葉はメイド服を着ていた。いわゆる白と黒の典型的なタイプで、髪型は斗真の注文でツインテールにしていた。そして一周ぐるっと回ってみると、ヒラヒラのスカートがそれに合わせて靡いた。

「うん、似合うじゃないか」

 斗真はカメラを片手に現れると、フラッシュを焚いて早速、パシャパシャと撮り始めた。

「おい、いきなり止めろよ」

 双葉は顔を赤らめて怒鳴ったが、斗真は無視してカメラのシャッターを押し続けた。

「聞いてんのか?」

「その羞恥の表情は悪くない。だがこれだけじゃ、資料にならない。おい、床に仰向けに寝転がってくれ」

「ええ?」

「金払わんぞ」

「分かったよ・・・・」


 双葉は仕方なく、床に寝転がった。胸が強調されて何とも扇情的だった。さらに、双葉の戸惑っているような表情も良い感じに、そのポーズとマッチしていた。

「良いぞ。僕は君みたいなガキに興味はないが。小説の題材としては悪くない」

「俺をモデルにしたキャラが出るんですか?」

「ああ、まあね。最もなろうの読者のカラーと合うか、まだまだ未不確定要素満載だが」

「なろうって、何です?」

「なろうも知らないのか。全く、あそこはプロを志す者から、趣味で書く者まで、さまざまな目的のモノ書きが集まるサイトさ。かく言う僕も、そこから出版社の目に留まり、いつか作家デビューするつもりだがね」

「はあ・・・・」

 双葉の顔が少し沈んでことに、斗真は気付いていなかった。


(何だ。プロの作家じゃないのか。騙された気分)

 双葉の落胆ぶりは凄まじかったが、斗真も騙したつもりはない。

「次は服を脱いでくれ」

「はあ?」

「ヌードになれと言ったんだ。僕は女性の裸を生で見たことがない。小説を書く上で女性の裸体を表現するのに苦心しているんだ」

「流石にそれは・・・・」

「5万やっても良い」

「脱ごう」

 双葉はメイド服を脱ごうとした。しかし、その時だった。斗真はふとパソコンを見て驚いた。

「お、おい見てみろよ。僕のことをお気に入りユーザーにしている奴がいるぞ」


 斗真は興奮していた。画面には、ミリーというハンドルネームのユーザーが表示されていた。

「おい、これって、俺の知り合いかも」

 斗真は聞いていなかったが、ミリーとは、正に、今、双葉の家で居候をしているミリーと同一人物だった。彼女はパソコンなどの電子機器に異様な興味を示していたので、あちこちに彼女の痕跡が残っていても、当然かも知れない。

「ふふ、もうモデルは良いよ。ようやく僕も軌道に乗れそうだ。ほら、約束の3万円だ」

「サンキュー」

 双葉はお金を受け取ると、鼻歌交じりにアパートを出て行った。

 斗真は一人でニヤニヤと笑っていたが、窓の外から部屋を叩く音がしたので、思わず窓を見た。そこには、腰まで伸びた銀色の髪を持つ少女がいた。ここはマンションの三階である。窓から覗けるはずがない。少女は口を動かしながら、手を斗真の顔に向けた。すると、黒い煙が手の平から放たれて、窓の隙間から入り、斗真の体を包んでしまった。

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