75話 『筋肉の恵み』
いやぁ、やれやれ、酷い目にあった。
学校が終わり、俺は帰路に着いていた。
命を家に送り届け、そのまま自宅に帰ることにした。
昨日は命の家に泊まっていたが、流石に連日泊めてもらうのは余りよくないと思う。
誰目線なんだと思われるかもしれないが、やはり一人暮らしなのにも関わらず家に男が居ると言うのを日常化するのは良くないと思う。
付き合っていたりそういう関係なら話は別だが、残念な事に俺はそういう関係では無いし、今後の命の為にもそういう変な習慣は付けないようにしたい。
…………そういえば、俺がこうやって命の家に行っているのは命を嫌がらせしてくるヤツらから守る為であって、その嫌がらせ問題が解決したら俺はお払い箱、もう必要無いのに会ったりはしなくなるのか…………。
そう思うと俺の心にスっと影がよぎったような気がした。
このまま嫌がらせが続けば俺は一生命の傍に居れるのでは無いか、そんな思考が一瞬よぎったのだ。
「いやいや、それは本末転倒だろ」
俺は慌てて首を横に振る。
危ない危ない、変な思考に陥ってしまうところだった。
そりゃ命の傍にずっと居たいのは本音だ。
だが、だからといって命に辛い思いをさせ続けると言うのは違うだろ?
俺は命を救う事が出来るかもしれない力を持っているんだ、それを邪な考えで使わない様にするなんて絶対にダメだ。
その力を使って命を俺の物にしようなんて言うのも以ての外だ。
『ドリーマー』 、これを使えばかなり色々なことが出来ると思う。
俺が思うに、本当に命への嫌がらせをゼロにする事だって出来るだろう。
…………だが、それは逆に命を害する事だって出来てしまうのだ。
「……あぁ、くそ、俺ってやつは…………」
そんな思考に陥りそうになってしまう自分が本当に情けない。
自宅に着いた俺はその思考をすぐさま晴らすべくスマホを立ち上げた。
本当なら『ドリーマー』を使う事によって命を救う事が出来るという確証はあったから、もうこれ以上貯金を切り崩してまで超能力を買う必要は無い。
しかし、2つの理由があって俺はもう少しだけ買い続けることにした。
1つはもしもの事を考えての保険だ。
もしかするとそれでもまだ改善されないかもしれない、そう考えるともっと強力な超能力を手にしておいた方が良いと考えたのだ。
もう1つはレベルアップの存在である。
これによってかなり買う為のハードルが下がっているのもある。
こういった理由によって俺はもう少しだけ買おうと思うのだ。
「と、言うわけで、買うぞっ!」
今日一日耐え忍び、やっと購入出来る事に俺は歓喜した。
うん、さっきつらつらと理由付けしたけど、結局は買いたいから買うんじゃい!
もう好奇心が爆発しとるんじゃぁ!
はい、ということで買います。
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『筋肉の恵み』
筋力が倍増し、体積が美しい形へと近づく。
動かせ、鍛えろ、限界のその先へ、筋肉は裏切らない。
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おおっと、これはこれは…………とんでもない超能力が来てしまいましたねぇ!
俺は興奮して寝転がっていた状態から飛び起きる。
「どれどれ……体に変化は…………ある、あるぞこれ!」
俺は身体中をぺたぺたと触る。
そこには大きさこそ殆ど変わっていないものの、今までとは比べ物にならないほどの強さを誇る筋肉があった。
非常に固く、かつ柔軟性に富んだ筋肉たちはさながらアスリートのようだ。
俺は服を脱ぎ、スマホでカメラを開き、それを少し遠くに置き俺の体の全体が写るようにする。
「お、おぉ……」
そこに映っていたのはこの前までのヒョロガリでは無い…………引き締まった体を持った…………女の子だったのだ。
「ちょ、待てよ」
俺は思わずツッコミを入れてしまった。
いや、だってなんか俺の体昨日よりも女の子っぽくなってるんですけども!?
百歩譲って体型が変わらなかったり細い感じになるのは分かる。
細マッチョという言葉もあるくらいだし、そういうものなのだろうと納得することが出来る。
だけど、これは違うだろ!?
なんというか……俺の男の部分がどんどんと無くなってきているような気がするんだが……。
ま、まぁともかく、体型は女の子っぽくなってきているとはいえ筋肉が引き締まった事には代わりがない。
密度? が高いと良いのかは分からないが、きっと『筋肉の恵み』によって俺の筋肉は増強された後圧縮されたのだろう。
それによって俺の体の肉付きが変わり、スッキリとした見た目なのにパワーはあると言ったような体に作り変わっているのだろう。
本来なら何ヶ月、何年、下手したら十数年をかけなければ手に入れることが出来ないレベルの筋肉をたった1万円で手に入れることが出来たのだ、やはりこのサイトは恐ろしい!
この筋力を今すぐにでも試してみたいところだが…………今はもう外は真っ暗になっており、あまり力を入れるようなことをしてしまえば多少音が鳴ってしまう。
近所迷惑になってしまうし、その検証は明日にしよう。
ちなみにこの作品私25話目投稿した段階でストック切れてるんですよねぇタハハ
学校始まって露骨に投稿頻度が減ったのはそういう事です、申し訳ないとは思ってます、頑張るので許してね☆
ちなみに我受験生!!!
けど今月バイト代8万入るんよ!!!
( °ᗜ°)ハハッ




