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俺だけ使える1万円で超能力を買える怪しいサイトを見つけたら人生が変わった件  作者: 黒飛清兎
第一章 『1日1回1万円で超能力が買えるサイト』
14/129

14話 命ちゃんは可愛いです



次の日、俺はバイトに来ていた。

俺のシフトは火水木金の4連勤なのだ。

バラバラにしたりしたらバイトない日の休みが短いような気がしてしまうのでこのシフトにしてもらっている。

普通にバラバラにした方が楽だったんじゃないかと思おうが、もうある程度固定シフトが決まってしまったあとだ、今から変えたいというのは気まずすぎるので、俺には出来ない。

なので俺は文句は言わずにこのシフト通りに働いているのである。


「いらっしゃいませー」


命のちょっと気の抜けた声が店内に木霊する。

どうやら命はレジの後ろにあるタバコ売り場にタバコを補充しているところみたいだ。


俺はとりあえず少しだけでも命と話す為にも命を呼ぶ事にした。


「し、志賀さん……」

「あ、綾瀬君? ちょっと待っててね、今タバコ入れちゃうから」

「あ、うん」


命はテキパキとタバコを補充し、それが終わったのかこちらに振り返る。


「それでどうしたの、綾瀬く……ん?」


命は俺の事を見た瞬間一瞬フリーズした。


「って、あ、え、お客様でしたか? あ、すいません、友人だと勘違いしてしまって…………」

「ん? え、俺綾瀬だけど…………」

「ん? え?」


俺がそう言うと、命は俺の顔をじっと見つめる。

まるで知らない人を目の前にしたような、そんな目だ。


「……え、本当に綾瀬君なの? 弟さんとか妹さんじゃなく?」

「え、うん、そうだけど」


そう言うと命は僕の顔を訝しげに眺める。

ちょっと恥ずかしい。


「うーん、よく見たら綾瀬君だ」

「あぁ、イメチェンしてみたんだ、どうかな? 前の方が良かったかな?」

「どっちでもいいよ」

「あ、うん、そうだよね」


くぅ、心に刺さるぜ…………。

これは完全に面倒くさがられてるって事だよな?

まともに話せるのが命だけなだけにその人から冷たい態度を取られてしまうとかなりきつくなってしまうな…………。


「ってあれ、今日はエナドリ飲まないんだね」

「あぁうん、最近健康に気を使っててさ」


『潤いの恵み』があるので健康へのダメージがかなり減らされているとはいえそれでもエナジードリンクは体にいいものでは無いのだ、出来る限り減らした方がいいだろう。

最近はネット情報で見た水を飲んだ方が良いという情報を信じて水道水をガバ飲みしている。

バイト中の水分補給も水筒を持って来てそれを飲んでいる。

経済的だししかも健康にも良いという一石二鳥なものだ。


「ふーん、偉いね」

「あ、うん、じゃ、事務所行ってるから」


少し恥ずかしくなってきた俺はそう言って事務所にそそくさと駆け込んだ。

その前に命に『ビューティーコンサルタント』を使用しておいたので、事務所でその情報を見る事にした。


「どれどれ〜?」


命はパッと見大人しそうな子だが、マスクを取った時の顔とかちらっと見ただけだが中々に可愛く見えたので、少し気になっていたのだ。

俺は頭の中にさっき入ってきた情報を見返す。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━


目:パッチリとした目、二重も綺麗。 86/100

眉:綺麗に整っており清潔感がある 72/100

鼻:小さく、整っている。 93/100

口:健康的でふっくらしている。 82/100

輪郭:綺麗。 84/100

肌:白魚のよう。 91/100

髪:前髪が目にかかりかなり印象を悪くしている。インナーカラーがピンクになっており、恐らく別の髪型をすれば物凄く輝く 23(99)/100

総評:美形な陰キャ 75/100

ポテンシャル:98/100


確実に美少女です。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━



「え、あ、何これ?」


俺は思わずそんな言葉が口に出てしまった。

確かに命は美形だとは思っていた、だが、これほどまでとは…………。

参考程度に言っておくと、普通くらいの顔の人の総評はだいたい25~50程度に収まる。

それ以上となるともはや芸能人レベルとなっていくわけだ。

俺が見た中で一番高かったのは世界一可愛い女優と言われている人物で、メイクはしている数値で総評が92とかであった。

しかし、メイクを外せばその数値は80程まで下がる。

それに対して命はどうだろうか。

命の総評の数値はどうやら髪がものすごい勢いでその他を引っ張ってしまっているみたいだ。

しかしそうだとしても75である。


つまり、命の容姿は世界一の女優を上回る可能性があるということだ。

その証拠に命はポテンシャルの数値がべらぼうに高い。

98なんてどんな人でも見た事がない。


そうか、これが逆マスク詐欺と言うやつなのか…………!?

命はいつも顔の殆どを何らかのもので隠しているためその美貌は周りの人たちは分からない、つまりそういうことだろう。


「……ま、どうにせよ俺は上手く喋りかけられないんだけどな、はは…………」


俺の声が空虚に響く。

逆に言えばこんなことを知ってしまったとはいえ対応が変わってしまうなんてこともないんだ、だからこれからも俺からの命への対応は変わらないのだ。


俺は事務所の椅子に座ってネットを開いた。


さて、『ビューティーコンサルタント』で出てきた分からない単語でも調べようか。

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― 新着の感想 ―
コンビニの店内に木霊するって相当だと思う。「木霊」ってかなり大声で尚且つ反響する環境じゃないと発生しない。 店内に響く 的な使い方をしたいんだろうけど、コンビニみたいな建物には似つかわしい表現ではない…
そんな美人な高校生位の娘が、平日の朝?昼間?にバイト入ってるって事かな? 学校はどうしてるんだらう?
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