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俺だけ使える1万円で超能力を買える怪しいサイトを見つけたら人生が変わった件  作者: 黒飛清兎
第一章 『1日1回1万円で超能力が買えるサイト』
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12話 いつも通り学校に行っていたらクラスの陰キャ男子がおとこの娘になっていた件



月曜日、俺はいつも通りに学校へと向かった。


目的ができたからか、何故かいつもよりも足取りは軽い。

教室に人が集まっていない時間に教室に入ってしまうとその視線が一気に俺に集まるので、俺は少し遅いホームルームの少し前くらいに時間を調整して登校する。


ガラガラっと言う音をならしながら教室の扉を開く。

その瞬間、何人かの生徒がこちらを一瞬見たが、すぐに目線を外して話に戻る。

この感覚が嫌いだから遅く来てるって言うのに空気を読めない生徒はこっちを見てしまうのだ、やめて欲しい。


いつもならそんな事を思いながらも何かが起こることもなく、自分の席へと一直線に向かう事が出来るのだ。

だが、無情にもその日常は自分から変えるのではなく、他人によって崩されてしまうのである。


きっかけは1人の男子生徒の一言であった。



「…………あれ、まって、このクラスにあんな子居たっけ?」

「あー、あれじゃない? ほとんど登校して来てない女の子、名前は確か……」

「いやまて、あの制服…………男子じゃね?」

「え、まじやん」


あー、やめてください、僕みたいなコミュ障は自分の話題を振られるのを極度に嫌うのです。


席に向かう足取りが、途端に重くなる。

冷や汗がじわっと背中を伝った。


周りの視線が次第に増えていくのが分かる。

いや、分かるというか、完全に刺さってる。

俺はできるだけ無表情を装いながら自分の席に座った。


席に着いてからもその視線は無くならない。

俺はすかさず寝たフリをした。

そうすると、周りの様子が伺えなくなるものあってか周りのヒソヒソ話が全部俺に対してのもののように聞こえるようになってしまう。


くそ、こうなるからイメチェンはしたくないんだ!

友達とかの間でそういう話をするのはいいかもしれない、だが、どこの誰かも知らん奴にそんな事を噂される筋合いはないんだよ!


先生が来るまであと数分だ、その時間を耐えれば何とかなる。

そう思いながら机に突っ伏して時が流れるのを待った。


だが、次の瞬間、俺の頭を誰かがちょんちょんと突っついた。


うぅ、顔を上げたくない、だけど、上げなかったら上げなかったで変なやつと思われるだけなんだよなぁ……。


仕方が無いので、俺は意を決して顔をガバッと上げた。

その瞬間、誰かと目が合った。


「んぁ、起きた」


日本人とは思えないようなキラキラと色付いた黄色い目、それに綺麗にグラデーションがかかったオレンジと金色の髪の毛を持ち、指定の制服をこれでもかと着崩した美少女。

いかにも陽のオーラを纏った彼女は所謂ギャルとか言うやつなのだろう。


「えっと、なに?」

「んー、君さこの席に座ってるってことは…………彩斗君?」

「あ、うん、そうだけど」

「わ、やっぱりそうなんだ!」


彼女は手をパーにして口に当てながらみんなに聞こえるような大声でそう言った。

俺のその回答に周りの生徒が一様にざわつき始める。


「やっぱ可愛くなりすぎじゃね!? てか誰だよマジで!」

「ほぅ、おとこの娘と言うやつか…………このクラスで2人目だな…………」

「髪とかセットしてんの? いやそれにしても仕上がりすぎだろ……」


クラスのざわつきが一気に膨れ上がる。


うわぁぁ、終わった……マジで目立ちたくないのに……。


そんな俺をよそに、彼女はどんどん距離を詰めてくる。


「ねね、私の名前分かる?」

「え、あ、いや……う、うん?」


つい勢いに飲まれて、曖昧に返してしまった。


「え、ほんと!? じゃあさ、当ててみてよ」


そう言いながら、ギャルは俺の顔をまじまじと見つめてくる。

 距離、近い、近いから!

くそ、ギャルとかいう生命体はパーソナルスペースとかいうのが分からないのか!?


俺はすかさず少し椅子を後ろに引き距離をとる。


それにしても名前か…………わっかんねぇ…………。

別に関わりもなかったし、関わりを持つつもりもなかった。

席が真後ろだからその煌びやかな髪の毛が毎時間目に付いていたくらいだ、名前なんて分からない。


俺がどうしようかと思ってあわあわしていると、彼女はにやにやしながら俺の胸を小突いてきた。


「ふっふー、やっぱり分かんないんだよね」

「あ、うん、ごめん」

「いいよいいよ、今まで関わりなかったからさ〜」


うん、今まで無かったんだったらこれからも無くていいです、今の僕にはこの勢いはキツイですごめんなさい。


俺が何とかこの窮地から脱却しようとしていると、教室の外から救いの手が差し伸べられる。


ガラガラという音が鳴り、教室の中に1人の人物が入ってきたのだ。

白っぽい髪の毛に小さい背丈、クリっとした青色の目にほんのりと赤みがかった頬。

その人物は台を教卓の前に置き、その上に乗っかってこちらを向いた。


「はい、皆さんこんばんは、ホームルームを始めますよ!」


そう、このどう見ても幼女にしか見えない人物は真坂音子(まさかおとこ)、この学校の教師である。

年齢はその見た目とは違いしっかりと歳をとっており今年で27歳らしい。

そして何より驚きなのは、この先生……男らしい。

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― 新着の感想 ―
3000円のヘアカットでここまでキャラ変わるとかポテンシャルやばすぎ
まさか男な幼女!?
まさか男…
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