59 戦士の国の決着(ざまぁ回)
『ゴージャスマート杯 小学生対抗剣術大会 エヴァンタイユ諸国代表選抜』。
それは勇者主催の大会にふさわしい、糞飾だらけの結末となった。
そんな肥溜めのなかには、百合の花のような聖女姉妹もいたはずなのだが、彼女たちはどうしていたかというと……。
姉妹は決勝が始まる前に、ゴルドくんからあるものを手渡されていた。
「これを、おじ……ゴルドくんがいいというまで身に付けていればいいんですか?」
それは、ゴルドくんの目が表面に描かれた『ゴルドくんアイマスク』と、コルク製でちっちゃなゴルドくんの形をしている『ゴルドくん耳栓』。
どちらもスラムドッマートで絶賛発売中のゴルドくんグッズである。
リインカーネーションとプリムラは不思議そうにしていたが、ふたりはゴルドウルフの言うことは基本的に素直に従う。
妹はどんなことでも無条件で、姉はゴルドウルフとのスキンシップが減少するようなことでなければ、オールオッケー。
しかもマスクと耳栓をすれば、ゴルドくんが隣にいてくれるというので、ふたりは嬉々としてアイマスクと耳栓を付けた。
会場の隅にちょこんと座って、ゴルドくんに寄りかかっていたのだが……。
いつのまのかゴルドくんが等身大のぬいぐるみにすり変わっても気付かず、そのままスヤスヤとお昼寝。
結局、目が覚めたときには、グレイスカイの屋敷にある、自室のベッドの上。
そのため、彼女たちは茶色いモザイクだらけの新聞で、試合の結果を知る。
勇者組織は今大会を、決着のつかぬままの幕切れと判断し、ドサクサまぎれにボンクラーノの所属校の優勝としようとした。
しかしロンドクロウの世論から激しい批難にあい、スラムドッグマートの優勝ということに修正せざるを得なくなってしまう。
よって、『スラムドッグマート with ナイツ・オブ・ザ・ラウンドセブン』は、エヴァンタイユ諸国代表として、さらなる大会に駒を進めることができた。
同時に、大会の時の活躍を新聞でも取り上げられ、なかでも決勝でのシャルルンロットの捨て身の攻撃が、ハングリー精神旺盛な同国の戦士たちに、大いに受け入れられた。
逆にゴージャスマートは、決勝の時の体たらくに加え、コミッショナーの不正が発覚して、顧客の信頼は地に堕ちる。
あれほどの醜態を晒してしまった勇者の店は、利用客減少どころか、石を投げ込まれるほどの嫌われっぷりとなり……。
当然のごとく、『ゴーストマート』に……!
剣術大会と同じく、スラムドッグマート側の完全勝利となったのだ……!
同店の責任者であるプリムラは、ロンドクロウの従業員たちからの信頼も勝ち得て、いまやりっぱな経営者に……!
しかしプリムラは申し訳ない気持ちでいっぱいになっていた。
「あの……私は、クエストのときはユニコーンさんと、剣術大会のときはお姉ちゃんと、お昼寝していただけでしたので……」
彼女はそう謙遜していたが、陰で特大級のホームランをカッ飛ばしていたことに気付いていない。
「あらあら、まあまあ。おうちの庭に、お馬ちゃんたちがいるわ。あたらしい子たちね」
「わぁ、みなさん真っ白いお馬さんで、とっても綺麗ですね」
「おうまたん、またあえたー!」
「パインちゃん、また会えたって……。あっ!? よく見たらこのお馬さんたち、角が生えています!」
「あらあら、まあまあ。この子たちは、あのときのユニコーンちゃんたちだったのね! いらっしゃい、ママたちのお家へようこそ!」
なんと、クエストの時に出会ったユニコーンたちがグレイスカイ島の彼女たちの神殿に、お引っ越し……!
聖獣を手懐けた聖女というのはいまだかつてひとりもいない。
それがユニコーンともなれば、もはやホーリードール家は、世界一の聖女の名家に……!
しかしそれを世間に喧伝しないのが、彼女たちが本当に『聖女』と呼ばれるゆえんである。
結局、野良犬軍は苦境に立たされることもあったが、蓋を開けてみれば、万事がすべてうまくいっていた。
さて、一時はリードした瞬間もあった、勇者軍はというと……。
剣術大会の決勝の出来事のおかげで、完全に空中分解していた。
ボンクラーノは『100勇』のおかげで勇者組織からの処分は免れたものの、決勝での失態の報道は止めることはできなかった。
今やロンドクロウでは『クソ坊ちゃん』として定着し、同国には近寄ることもできなくなってしまった。
セブンルクスにある自室のベッドで寝込んだまま、
「オッサン……オッサン……オッサン……!」
と、うわごとのようにオッサンを呼び続けているという。
そして、ステンテッドは……。
『勇者サゲ祭り』で市街を神輿で爆走し、多くの被害を出したという罪と、勇者に毒を盛ったという罪で、勇者組織、ロンドクロウ司法、両方から裁きを受けることとなった。
致死毒ではないということと、いちばんの被害者であるボンクラーノが、
「もうどうでもいいボン……それよりも、オッサンだボン……」
と糾弾する意思を失っていたので、二階級特退にとどまった。
二階級特退といえば勇者組織ではかなりの重い処分なのに、もはやそれすらも軽い処分に思えてしまうが……。
ともかく『ラクガキ勇者』は順調に、坂道を転げ落ちていった。
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●御神級(会長)
ゴッドスマイル
●準神級(社長)
ディン・ディン・ディンギル
ブタフトッタ
ノーワンリヴズ・フォーエバー
マリーブラッドHQ
●熾天級(副社長)
キティーガイサー
●智天級(大国本部長)
ボンクラーノ
ライドボーイ・ロンギヌス
ライドボーイ・アメノサカホコ
ライドボーイ・トリシューラ
ライドボーイ・トリアイナ
●座天級(大国副部長)
ゴルドウルフ
●主天級(小国部長)
●力天級(小国副部長)
●能天級(方面部長)
●権天級(支部長)
ジャンジャンバリバリ
●大天級(店長)
↓降格:ステンテッド
ファイヤーヘッド、サンダーヘッド、ストームヘッド、アースクェイクヘッド
●小天級(役職なし)
○堕天
コスモス、ザンガン
デスディーラー・リヴォルヴ、サイ・クロップス、ゴルゴン、スキュラ、オルトロス
ジェノサイドダディ、ジェノサイドファング、ジェノサイドナックル
ミッドナイトシャッフラー、ダイヤモンドリッチネル、クリムゾンティーガー
ライドボーイ・ランス、ジャベリン、スピア、オクスタン、ゼピュロス、ギザルム、ハルバード、パルチザン
名もなき戦勇者 3817名
名もなき創勇者 340名
名もなき調勇者 530名
名もなき導勇者 310名





