第二十二話 【 】
お待たせしました。
そこで大きな戦闘があった。
帝国の勇者ガルバリンが、仲間を率いて、死霊術師アレンと衝突したのだ。
彼はそこで死霊術師アレンの戦力を少しでも削ってくれれば良しと考えていた。
だが、ふたを開けてみれば死霊術師アレンの圧勝。その上、神官カルナと魔法使いエリーを新たに仲間に加え、戦力を増強した。
彼にとって、それは好ましくない。
いずれぶつかるであろう相手の戦力が増えるのを、みすみす黙っているわけがなかった。
暗殺をするか? 無理だ。今はまだ、相手の方が強い。
ならば、こちらも戦力を増やせばいい。
「目覚ろ。俺様の力を分けてやる」
一滴の血をガルバリンの胴体に垂らした。
その瞬間、禍々しい黒いオーラがガルバリンを覆う。
まるで生き物の様に黒いオーラはガルバリンの口の中に入っていった。
ピクッ、とガルバリンの指先が動いたことで、彼は口角を上げる。
「そうだが、貴様の名は首無し騎士。《首無し》のガルバリンだ」
いつだったんだろう。
俺が、僕が道を間違えたのは。
昔は楽しかった。
デュアスと訓練のために木刀で日が暮れるまで打ち合った。
エリーには魔導書の買い物にいつも遅くまで付き合わされた。
カルナの教会の奉仕活動には毎週末に布教活動にパーティで参加した。
そして、アレンとも一緒に笑い会えていた。
ダンジョン攻略だって何度も失敗した。強い魔物と出くわし、死に物狂いで逃げ出しては、帝国のみんなに馬鹿にされた。
当時から僕は勇者と呼ばれていた。
けれど、あの頃は重たい称号だった。
仲間達と努力して、初めてSランクダンジョンを攻略したのは凄くうれしかった。
勇者としての称号が帝国中で認められるようになったのは、その頃からだった。
そして、僕たちは名声に溺れた。
自分達は英雄なんだ、勇者パーティなんだと。
死霊術師は嫌われ者だ。
当時の僕達はアレンがいることが、煩わしくなっていた。
アレンを怒鳴り散らし、雑用を押し付けた。
辛かっただろう。苦しかったろう。
すまない、アレン。
出来ることなら………直接、謝りたかった……な………。
………。
………………。、
………………………。
そして、勇者ガルバリンの記憶は消えた。
そこにあるのは新しく生み出された魔物、いや、アンデットの《首無し》だ。
《首無し》は立ち上がり咆える。
言葉にならない悲鳴。いや、雄叫びだ。どちらともとれるその叫びは、助けてと言っているようだった。
今後は一週間に二日か三日の投稿頻度になると思いますが、投稿時間は朝の八時で変わりません。
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