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9年差の同じ別れ  作者: マック アダソン
第1章:彼(思春期/非対面/上京前) —2013年10月-2016年3月31日
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① 出会い(手紙が配られる)

彼との出会いのきっかけは、私が中学三年生だった2013年10月頃、「全国の小中学校に配られる広報・啓発目的の手紙」という、公的な情報提供を目的としたものだった。これまでも毎年のように配布されていた手紙だったが、その時は中学三年での最後の配布だった。

教室で、その手紙が配られた。封筒と便箋が一式になったものが、前の席から順番に回ってきて、机の上に置かれていく。これまでも何度も見たことのあるものだった。

その手紙は、本来、公的な情報を一方的に提供し、社会的な意識啓発を行うことを目的としたもので、特定の誰かとやり取りを続けることは想定されていないものだった。

その場で封筒を開いた。呼ばれているような感じがした。

便箋の返信欄に、ペンを置く。私はそこに、「ペットを飼いたいがどうしたら良いか?」と書いた。書き終えたあと、封筒に入れて閉じた。封をしたあと、一度だけ表を見てから、鞄に入れた。

その手紙は、自分で投函せず、祖母に頼んで郵便ポストに入れてもらった。

それで終わるはずのものだった。

しかし、しばらくして、返信が届いた。封筒に書かれた自分の名前を見て、玄関先で一度手が止まる。部屋に持っていってから開いた。

彼は、その質問に対して丁寧かつ親身に、そして具体的に答えていた。内容は曖昧ではなく、ひとつひとつ順を追って説明されていて、読みながら、何をすればいいのかがはっきり分かる書き方だった。

困っている人にどう答えるかを考えながら書かれたような、迷いのない文章だった。

読み終えたあと、便箋を閉じずに、もう一度最初から読み返した。そのとき、「この人なら、自分の最も大切な世界である小説の話も真剣に聞いてくれるのではないか」と思った。

そう思ったまま、次の手紙を書いた。私は、「小説の話をしたい」と彼に伝えた。これは、彼との文通へと発展する、私からの最初の働きかけだった。

本来、この手紙は公的な広報活動として配られたものであり、特定の個人と継続的なやり取りをすることは想定されていないものだった。

それでも彼は、この手紙をきっかけに、特定の個人である私と、約三年間にもわたる個人的な文通を継続した。

さらに、本来この手紙は全国の小中学校までしか配布されていないものであるにもかかわらず、配布対象外となる高校に進学したあとも、そのやり取りは続いた。

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