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最強魔王の躾け方!  作者: ー零ー
第4章 -魔王と王国-
63/1017

4-1

※セラフィ視点

本当に………なんという執念。


ジークに勝負を挑み、勝ち取り、ジークと友人なら私とも友人だなんて滅茶苦茶なことを言って。


………拒絶した私のことを、こんなにも想ってくれてるなんて。なんて馬鹿な娘だろう。


「どうだいお兄様。妹がその親友ときゃっきゃしてる姿は」


「たまらないね。あんなに嬉しそうなレインディアは本当に久し振りだ。


………ジーク殿には感謝してもしきれない」


向こうは向こうで肩を並べて談笑している。肴は私達らしい。


「しんゆう?しんゆうとは何でございましょう?」


ディアの問いにジークは何処からか取り出した紙にペンで文字を記す。


「俺のいた世界で使われていた言葉でな。これでおやと読み、こっちはともと読む。親っていうのはそのまま、自分の親。もしくは親しいって意味もある。そして友。


………何にも変えがたい、血の繋がりにも負けずとも劣らない最も親しい友に贈る言葉だ」


それを聞いて肩を震わせるディア。こちらを向いて再び抱きつく。


「素晴らしい言葉ですわ!私とセラは今、この時から親友なのです!異論は認めたくないです!」


「だ、そうだ」


こっちをみて悪戯っぽく笑っている元凶。悪い気はしないものの、なんというか、上手く乗せられた気がする。


「セラフィも、嬉しそうじゃない」


静観していたミレイナ達も微笑ましいと、こちらをみて口にする。これはもう勝てない。私も完敗である。


「さて、これで今日からレインディアと俺は友達だ。レインディアが困ってる時は力を貸そうじゃないか」


そのあとにジークは予定外だが、これはこれで悪くないと、楽しそうに呟いた。


「では近日中にあると見込まれる召集の際にイーリスに協力してくださいませんか?」


「おう、構わんよ。元からそのつもりだ」


その返しにふむ………と腕を組んで何かを考えるディア。嫌な予感が、しないでもない。


「あとこの一件が終わりましたらジーク様の工房に行きたいですわ!!お風呂も素敵だと聞いております!他にも―――」


どんどん要望が出てくる。王女を招くのは不味いのではないだろうか。


「ええよ」


ええんかい。

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