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最強魔王の躾け方!  作者: ー零ー
第2章 -人魔大戦-
23/1017

2-1

※セラフィ視点

大事な話し合いの場………だったはず。


私達の今後を決める、決別のための話し合いだった。カガリが急に私に譲るといって驚いてしまったがそれはまぁいいとして。


………いつ、この男はここにいた。


「あ、何か飲む?」


「緑茶を」


「お、渋いね~」


そして何故、馴染んでいる。


「実家で茶葉を育ててたから、飲み慣れてるの」


「ほう。これは気が合いそうだ。特別にいい茶葉で淹れさせよう」


二人がいい感じの雰囲気と共に談笑している。やはり怪しい………絶対何かあった。というか空気読まないわねこの男。


「ねぇ、ジーク。話ってどこから聞いてたのかしら?」


「セラフィが部屋に入った辺りから。


あ、ガーベラ俺だ。緑茶を3人分頼む。いいやつな」


《承知いたしました。すぐにお持ちいたします》


指輪に向かってオーダーをしながらさも当たり前のようにいってのける。部屋に入った辺りからって最初からじゃないの。なんでさ。


「で、なんの話だっけ」


笑顔で言うジーク。キレそう。


「とにかく!私達はそれぞれ目的があるの!だからジークにはどちらに付くか選んでもらうから!」


これ以上話をそらされまいとジークを指差して強気に告げるが本人はジーっとこちらを見つめているだけ。それからカガリを一目みたあとこちらに視線を戻しため息を吐いた。


「一応聞いておくが、お前ら二人の目的はなんだ?秘密だなんて言わせねーぞ?」


なんといえば良いか。適当に誤魔化してもすぐばれる。かといって口にすれば軽くなってしまう気がして何もいえない。


そんな迷う私をおいてカガリは口を開く。


「私はこの世界について知りたい。父はこの世界には秘密があるといってた。だから………私は世界を巡り、何があるのか知らないといけないの。その為には私一人ではあまりにも無力だから」


「………なるほど、な」


この世界の秘密がある。それが何なのかは分からないけどジークは何か感じるところがあるのか少し考え込んでいた。


「………私はこの世界にある7つの迷宮を攻略しにいく。全て踏破すればどんな願いも叶うと言われているの。そのために、私にはジークの力がいるわ」


これが目的の全てではないが、間違ったことはいっていない。きっとそれはカガリも同じで、ジークの力が必要になる理由だけを伝えている。もしかするとジークはそれに気づいているかもしれないが、だからと言いたくはない。


「なるほどな、とりあえず分かった」


私達は黙ってジークを見つめる。とりあえず、というのは案の定それだけではないことに気づいているという意味だろう。でも、これでジークに選ばれたほうが己も目的を果たす大きな一歩になる。まるで神の審判を待っているような気分だが―――


「じゃあ二人一緒でいいじゃん」


そうはいかないのがこの男だ。


「まずカガリに聞く。この世界の秘密を知るといっていたがそのために何をする?手がかりは?アテはあるのか?」


「それは………これから探すわ。この世界のどこかには全てを見通す神獣もいるというし、もし神に出会える方法があれば何かわかるかもしれない」


それを聞いてジークはより眉根をひそめる。浅はかだと、いいたげな何処か批判の混じった目だ。


「それじゃあダメだ。闇雲、行き当たりばったりっていうのは無計画すぎる。特に事が大きいものに関しては致命的だ」


ま、人のことはいえないんだけどな。と最後につけて締めくくるとカガリは閉口する。とはいえ彼女を責めるものでもない。スケールが大きすぎるしそもそも世界の秘密を知る、というのは余りにも抽象的で曖昧なのだから。


「で、そういった意味でならセラフィの迷宮攻略は悪くない。踏破すれば何でも願いが叶うという伝説が生まれる時点で何処か秘密があると考えられる。どうだ?」


ここで彼の意図に気づいて私はお互いを見る。


これは………確かに困る。私は、カガリが一人危険な旅をすることを黙って見送るようなことはしたくない。


「まだ問題は残っているしゆっくり考えればいい。ただ………後悔はするな。結局それはいつまでも残る呪いだ。大事であればあるほど、な」


そういって何処か悲しげに虚空を見つめるジークは、悔しさが滲んでいる気がした。

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― 新着の感想 ―
[一言] 世界を巡るって、世界中に点在してる迷宮を巡っても、 やってること同じじゃないか これで別行動しようとするって意味判らん。無理ありすぎ それとも、世界の秘密とやらが、迷宮内にはないことが判明し…
[気になる点] 目的の設定とコンプライアンスが雑過ぎませんか笑 コレ絶対に協力したく無いやつです。もし娘さんがこんなこと言ったら、パパさんでも困っちゃうね。
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