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※セラフィ視点
―――それから時間になるまで、私は与えられた自室で過ごすことにした。………決してカガリがメイドの持ってきたお茶に感動してジークと楽しそうに話していたのが気に入らなかったわけではない。緑茶をあまり飲まない私でもあれは深みがあって美味しいと感じたのだからカガリはもっと喜んでいたことだろう。仕方ない。
部屋で何をするかとメイドさんに色々質問してみたがその返答はどうも人と話しているような感覚ではなかった。質問に対して笑顔で返答してもらえるが貴女の名前は?と聞くと名前はないんだにゃ~と返されどうして?と聞くと申し訳ないにゃ~その質問には答えられないにゃ~と返される。この工房はどのように造られたのか等の質問も全て同じ言葉で返される。まるで予め回答を用意していてそれ以外は申し訳ないにゃ~で返すように決まっているような、そんな気がする。というか何故語尾がにゃ~なのか、これが分からない。
さてどうしようかと思った時、二人のことが頭を過る。話し合いは終わったものの二人はお茶が無くなるまではとそのまま残してきた。………いや、まさか。とりあえず部屋の前で待機しているメイドを呼び出し居場所を尋ねてみると―――
「お二人はそれぞれのお部屋にはいませんにゃ~。一緒に別室にいらっしゃいますにゃ~」
「にゃんですと!?」
連れて行くようにいうとあっさり承諾され、二人がいるという別室へ。ドアに耳を当てるが音は一切聞こえない。ナニしてるか分からない。ナニって何さ。
ヤケクソ気味にドアを開けると家具も何もないただ広い空間。そしてそこには―――
「ほらほら、もっと前にでろ。足に魔力を一瞬だけ込めて跳躍しろ。過ぎれば無駄も増えるぞ」
「分かって………るってばぁ!」
カガリとジークはお互いに木刀を持ち、訓練をしていた。カガリは足に青い光を一瞬纏い、その足で地面を蹴るとあっという間にジークの懐に潜り込み一刀。しかし―――
「んー、踏み込みが甘いかな」
ジークはそれをあっさり受け流し、そのまま足を払い倒れるカガリに木刀を向ける。素人目ではあるがカガリの動きはかなり早かったが、それでも一蹴されてしまった。
「今の上手く行ったと思ったのに」
ジークの手を借り起ち上がると不満げにいうカガリ。それに対してジークはまだ足りないと苦笑いで返すだけ。なんとも楽しそうである。
「あれ、セラフィ?いつの間に」
「俺に突っ込んできて一蹴されるまでしっかり見られてたぞ」
「えええ」
顔を真っ赤にしてなんで教えてくれなかったのと抗議するがそれも修行だとこれまた一蹴。これ以上突っかかっても何も得るものはないとカガリは諦めた。
「カガリの修行に付き合ってたんだ。まだまだ足りないところは多いからな」
「そんなの………見ればわかるわよ」
何故説明したのか、なんて聞いたらまた何か言われそうなのでそれだけ言って顔を背ける。
「とはいえキリもいいな。カガリ、次は後にしよう。集中力も体力もだいぶ落ちてる。これ以上は効率が悪い」
「私はまだ―――」
「風呂もある。ゆっくり浸かってこい」
「!?!?」
その一言で敗北したらしくジークと距離を取りつつ何度も頷く。女の子として確かにそれは死活問題である、私にも覚えがないこともない。
「今メイドを呼んどいたから二人とも行ってこい」
「「覗くつもり?」」
ジークはなんともいやらしい人だと軽蔑の眼差しを向けて見るが―――
「………ハッ」
それに対して小ばかにしたように鼻で笑った。
「ちょっと!?今の何!今すっごい喧嘩売ったよね!いいよ!買うよ!」
「安心しろ、俺にとっちゃお前らはお子様だ。そんな無駄な心配してないでさっさといってこい」
経験豊富なジークさんにとって私達はお子様かそうですかそうですかなるほどギルティ。
「よしその喧嘩買いました!」
「セラフィ!ダメ!あと私も不味いから!」
カガリに羽交い絞めされ何もできないままメイドがくるまでその状態だった。あと一ついっておくとカガリは汗かいていてもいい匂いだった。誇っていい。
―――その後、二人でゆっくり温泉に浸かったが………なるほど、極楽だった。




