5話 『明後日の計画』
時計は午後8時を示していた。...訂正、翔の家の時計はアナログのやつなので午後は示されていなかった。
玲奈がダイレクト土下座をした後、きちんと3等分に分けた。3人はピザに飛びつきそれぞれの取皿に取っていく。
「じゃあいっただっきまーす!」
「いっただきまーす」
「玲奈とテンションに突っ込んだら負けなのか?───いただきまーす」
とりあえず玲奈のテンションには突っ込まないでおこう と、翔は呟いた。
なんだかんだで8時を過ぎていた。
こいつらは帰らなくて大丈夫なのかと少し心配になった。
「お前ら家帰らんで大丈夫と?」
「翔、方弁入ってるよ。まぁ私は大丈夫やね」
「うまぁいぃー!───ん?家?大丈夫っしょー!」
ならまあどうでもいいかと翔は思った。とりあえず、目の前にあるものにかぶりつく玲奈と違って意外にも夏目が大人しく食べていた。
「夏目さぁー、勉強がんばったのは感心するんだけどさー」
「?」
「いやぁ、性格は変える必要ないと思うぞ?なんか玲奈と夏目が入れ替わったようになってるからさぁ」
玲奈は食べながら、こちらを見る。何かを言いたそうだが口に入っているので何もつたえられていない。
「───ふぅ。えっと私って夏目に似てきたって?」
「まあ」
「内面的に似てきたんなら最悪だよ」
ムスッとした顔で夏目が玲奈を見る。ジーッと見つめるが無視して玲奈はまたピザ食べ始めた。
「お前そんなこと言うキャラじゃなかっただろ...。───あ、てかピザ足りなさそうだな。2枚目温めてくるわ」
「おぉー!ないす翔!」
「ないすられた翔!」
おもむろに立ち上がり、ドアの前まで立つ。だが、夏目達の方を向き
「次のピザ...覚悟しとけよ?」
そう告げると、ドアを開け逃げるように下へ降りる。
へへへと笑いながらピザを開ける。
その頃の夏目達はというと、
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この街に伝わる伝説について語っていた。
「そいえば、夏目って 中浦の社 って行ったことある?」
「中浦の社?...あぁなんか色々やばいとこでしょ?行ったことないかなぁ」
中浦の社とは、この街に伝わる心霊スポットのようなものである。中浦の社には記憶の石という世の中から固定の1人の記憶を完全に消してしまう伝説が言い伝えられている。
子供の頃は悪事を働くと、皆から忘れられると親や先生に脅されていた。
「えっとー記憶の石だっけ?親によく言われてたなぁ」
「あぁー、それ私もー。...まぁこの街で育った人は大抵言われてるけどね」
「それでさぁー、その記憶の石がね本当にあるらしいんだよねぇー」
記憶の石は伝説などではなく、実は本当にあるのである。それを聞き、少し夏目は驚く。
「へぇー、そうなの?...まさか取りに行くき?」
「まぁ間違ってないけど、...ていうか全然間違ってないや」
「止めなよ。なんか不気味なんだよねー。そういうの」
そもそも、記憶の石を取ったところで何に使うのだろうか。その疑問がどうしても頭から離れなかった。
「ていうか、何につかうの?」
「ネットで売りたい」
もう天才が言うセリフじゃないよと夏目の心が叫ぶ。
そもそもこの伝説はこの街の住民にしか知られていない。買ってくれる人などいるのだろうか
「...とりあえずそれは止めときなよ。なんか嫌な予感っていうかなんか呪われそう」
「えー、でもまぁやっぱそうだよねぇ」
「今度試しに行ってみるだけ行ってみる?」
うんうんと玲奈は頷く。お互いスマホを手に取りカレンダーのアプリを開く
「じゃあいつ行く?」
「えっとー、あ...確か明後日休みだったよね?その時行こうよ」
「そういえばそうだったね。どうせ、翔も行くでしょ」
「そだね。どうせ翔何もすることないだろうしね」
という事で予定が入った。翔はどうせ暇という理屈で同行してもらう事になった。翔も興味はある。そういうオカルトみたいなやつを
「てか、ピザは!?」
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再び翔の方へ移る
ピザはちゃんと焼いていたようだ。しかし、どうも赤い。明らかにさっきのピザより、赤くそしてチーズが多い。
「玲奈は別として、夏目はバカだからチーズ多くしとけば気づかねーよな」
「んー...何か物足りない。───あ、バジルでもかけるか」
水道の横にある香辛料達の中からバジルを取り出し、再びピザの元へ戻る。
そしてパラパラとふりかける。
「おぉー、なんかそれぽっくなったわ」
この見掛け倒しのピザを上へ持っていく。
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戻ると玲奈も夏目も横になっていた。寝てはいない。何故なら目がぱっちり開いているから。
「何か私の食欲を大いにそそる匂いが私の前にあるような気がする」
「でもピザの配達員ってこんな遅かったっけぇー?玲奈ぁどー思う?」
「私別に食べられたらいい」
「私を棄てないでくれぇぇえ!なんか私のキャラが少し揺らいだだけじゃん!」
久しぶりに玲奈が叫んだ。といっても家の前で叫んだのだが。
「いや、別に夏目食べたくないなら食べなくていいんだけど?俺と玲奈で仲良く食べるから」
「ねー」
「なんか私だけ虚しい!」
いつのまにか座っていた夏目が哀しみを叫んでいる時、横になったままの玲奈が棒立ちの翔と目をあわせニタニタと笑っている。
「さて、食べますかな。玲奈さんよ」
「おっけーなのだよ。翔さんよい」
「お互の名前呼んでるから私の入り込む隙間が埋めつくされてるんだけど」
とりあえずピザをテーブルの上に置く。玲奈がにょこにょこと座り、ピザをのぞき込む。そして目をピカピカと輝かせる。
「おぉー!!なんかさっきより本格感がひしひしと伝わってくる!めっちゃうまそーやん!」
「確かにそれはほんとに言えてる。けど、絶対生地とチーズの割合あってないけどね」
「うん、それは焼いてる時に俺も思った」
ピザ生地とチーズの比率は1:2くらいである。数字で表すとそこまでと思うかもしれないが実際そうでもない。だってチーズの厚さがピザ生地の2倍あるのだから。
「まあ、そんなのいいや!とりあえず食べるぞ!」
「おー」
「お、おー」
もうすっかり玲奈が中心になっている。翔は時々指揮者になるが夏目はいつもサイドメニュー。
「いっただきまぁーす!───おぉー!!これは美味し!チーズの濃い味といきすぎてる辛さ!あぁ!まじ翔死ね」
「───少し辛いけど、このくらいなら私食べれるかな。水があれば」
二人ともそこまで反応がなかった。玲奈は少しあったとしても、夏目に関しては皆無だ。もちろん翔は全然平気なのだが。
「なんかあんま反応ねーなー。面白くねぇ」
「いや、醤油茶より圧倒的にまし。あれ飲んでなかったらリアクションあったかも」
「まじかよ」
あまり嬉しくない反応に萎える翔。辛いなど気にせずにバックバクと食べ続ける玲奈と夏目。
ところが夏目が食べるのをやめ、手を拭いて何か言いたそうな顔でこちらをみる。
「あのさ...明後日暇?」
「暇って分かってるから言ってんだろ?」
「まぁざっつらいと。んで本題に入るとね、えーとあそこに行きたいの。中浦の社」
「あー、記憶の石のやつか。懐かしいなぁ、親によく言われてたわ」
「あんた前からクソ生意気な餓鬼だったもんねぇ?」
爆竹を保健室のやかんに入れて職員室前で着火するような化け物だ。今ではピザにタバスコをどっさどっさですむが、前ならデスソースをおそらくかけていた。
それも、少量ではなく
「まぁクソガキっていうのは認めるが、お前にだけは言われたくねーな。近所ではうるさい以外の被害報告受けたことないくせに」
「まあね」
「いや、普通に生きてたら被害報告なんて来ないでしょ。うん。普通なら」
玲奈は至って普通に過ごしていたので周りから悪く言われる事はなかった。まぁそれが普通なのだが。
「玲奈は優秀だもんねー。...まぁ、そんな事はおいといて、行ける?」
「まあ行けない事はないけど。てか暇だし同行致しますけどね」
「おっけーおっけー。話のはやいやつは嫌いじゃないぜぇー」
これで、中浦の社に行く事は決定事項になった。
だが、これが...
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昨日は実家に帰っていてできませんでした(><)
それと、ガンプラ作ってました(笑)
Hgのバルバトスルプスです(笑)




