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僕の戦国時代  作者: 虫松
関ヶ原の戦い 最終戦
80/93

第九話 ホームランでした。

金棒対槍か。一般的に槍と刀が戦った場合。

槍の方が有利である一番の利点は間合いの長さが大きい。


団体戦では

中国から船でやって来た元寇の戦いで日本人は初めて

見る槍の部隊に刀で立ち向かい大きな被害を出した。

薙刀は古くからあったが、斬るものでり、遠くから突き出す

槍はなかった。そこから戦場での団体戦は槍が主流となった。


しかし一度懐に入ってしまえば刀の方が有利である。

俊敏性のある刀が近距離で使えば槍は立ち振る舞いが

出来なくなり、刀が勝つ。


弥助が持っている武器は重い金棒であった。

僕は思った。(弥助不利じゃない。)



(あんな重い金棒、振り回したとしても間合いに

入らなければ当たるはずがない)

家長はもちろん僕と同じことを考えていた。


関ヶ原の盆地に風は強く吹いていた。


「ペッ!ペッ!!」

口の中にジャリが入ったのか弥助が両手に唾を吐いた。

そして金棒を両手で強く握りしめた。


「では参ろうか」

家長は駆け足で弥助に詰め寄り槍を突いた。


✴︎キーン

✴︎✴︎キキーン

✴︎キーン


金棒と槍とが激しくぶつかりあう。


「ふんっ」

弥助は金棒を横にスイング、しかし空振り。

そこへ家長が近づき槍を刺してくる。


「ぐああああ」

槍は弥助の右足をえぐった。

そしてまた、一定の間合いにもどる。ボクシングで云う。

ヒットアンドウェイの攻撃だな。ようは当てたら、間合いを外すの

繰り返しである。


「うわあああいてっえなコノヤロウ!!」

次の金棒も空振り弥助の右腕は槍で突かれ肉をえぐった。


ぶーん!!

弥助は振り向きざまに金棒を振り回す。

しかしいたずらに空を斬るだけだった。



「もう少し楽しめるものかと思っていたのですが

期待が外れてしまい残念です。黒鬼退治も次でお終いですか。」

化け物退治も次で終わらせると家長は宣言した。


「タイショウ!!今は野球で云うどんな状態ダヨ?」


「2ストライク2アウト満塁だな!」(2死満塁)


「じゃあ次でホームラン打たないとゲームセットジャネえかよ!」

弥助は片手で金棒を家長にイチ◎ー選手のように真っ直ぐ

向けホームランの宣言をした。


「弥助無理だよ!当たるはずがない!!」


「黒鬼は、おつむのほうも弱そうだな!」


「うおおおぉおおおおお!!!」


弥助は大きな動作で金棒を思いっ切り振りかぶる、

そこへ家長が

弥助の腹へトリアイナを最後の一撃打ち込もうと

突進してきた。


「死ねえぇぇえ!!!」

家長はトリアイナを弥助の腹へ突き出す!


「・・・・・ぐっはぁああ」

家長が







槍を落とした。



弥助は振りかぶるポーズを止め片膝をつくと

前かがみに両手で金棒を前に差し出し低い姿勢で

突進!

金棒を家長の腹に横へ打ち込んだ。

金棒は鋼鉄の鎧にめり込んだ。家長の槍は弥助の頭上を

かすめた。


(スクイズか!!)


【スクイズ】

英語で押しつぶす、搾り出すの意味

野球戦術で得点圏内のランナーが3塁にいる場合

ピッチャーが投げた瞬間、ランナーは走りだし

バッターはバントをして、点を取りにいく。

スーサイドスクイズとも呼ばれ決死の行為を

表現するのにも用いられる。



「逆転!マンルイホームラン!!」


めり込んだ金棒を抜くと、弥助はおもいきっり横に金棒

をスイング!家長の腹へ金棒を振り抜いた!


「があああぁあああああ!」


(弥助、野球だと、それは2度打ちになるなぁまぁいいか)


家長は後方へ跳びうつ伏せに倒れた。


「オレをバカだと下の人間だとオモッタンダロ、それがお前のヨワさだ!」



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