第七話 夢を見ました。
【騎馬砲兵】
4〜8頭の騎馬に砲台を火薬砲弾を収めた箱と一緒に引く、
現代で云う自走砲である。自走砲を劣化版戦車などと
云うものもいるが、太平洋戦争では自走砲は戦車より
野戦や移動面で適しており活躍した。
関ヶ原の戦い2日目
徳川家長は騎馬砲兵を量産するため、
各々の大名から騎馬を集めていた。
「乗馬出来るものは身分出生かかわらず、徳川直轄の軍として召し抱える。
名乗り出よ!騎馬隊は徳川軍の前に終結させよ。」
徳川家長は血走り軍を、各陣営に人員の徴収を始めた。
桃配山周辺は慌ただしく馬の鳴き声がしていた。
山の上より家長と影武者家康公と血走り軍が脇を固める。
「家長、大丈夫であろうか。わしは影武者じゃ。いずれ正体がわかれば
打ち首獄門じゃ・・」
「神君家康公、案ずられるな。血走りの軍が全力でお護りします。
血走りの軍の行く末は全て貴方様の肩に掛かっております。
血走りの軍も貴方も一心同体。この戦に勝てばいいのです。」
「秀忠がおるではないか。間違いなく秀忠はわしの行いを許すはずがない」
【徳川家康の息子】
「彼は不幸な事故に合うでしょう」
「・・・・
貴方は将軍職として贅沢な暮らしをお約束しますよ。
血走りの軍がいる限り。
そして後継者には徳川家長を使命するのです。立ち塞がる者、
邪魔をする者を私は容赦はしない、たとえそれが朝廷、将軍であろうと」
(わしはとんでもない化け物を生み出してしまったのか・・・
しかしもう、家長に協力してしまったいじょうは後戻りは出来ない)
騎馬は次々と縄で縛られてゆく、騎馬砲兵は作られていった。
明日の勝利を掴む為に。
◻︎◻︎◻︎
僕は静かな関ヶ原の地を眺めていた。
「昨日とは、うってかわって、今日はやけに静かだな。
昨日は朝からドンパチ煩かったな」
「東軍に何かあったのかもしれません。くノ一の部隊を送り込みます。」
「ゆっくり朝飯が食べれそうだな。卵ある?」
「殿は卵かけご飯が好きですな。」
「そう、これは変わらない味だねぇ。塩卵かけご飯なのが、かなしいね」
醤油は1603年に文献に出始めたらしい。今は1600年である
美味しいじゃなく、おしい!
しかし、お昼になっても夕方になっても東軍は攻めてこなかった。
徹底防御策なので、相手に攻めてもらわないと反撃出来ないのである。
カウンター狙いなので、防御あるのみ。
「徳川家康が攻めて来ないかなぁ」
「東軍、軍師や猛将揃いですので、何か作戦を練っているやもしれません」
(本多鬼い様が頭をよぎりま〜す。何でもあげますので、
もう来ないでくださいお願いします。(暴力団かよ))
僕は明日は血みどろの乱戦が行われる事になろうとは、
この時は考えもしなかった。
「弥助と武蔵は野球やってるのか」
「はい、チームという連合を作り試合をしたいそうです。」
「あー平和だなぁ。この戦が終われば。野球場を作ろうか」
「そのようなものを作って、何か利があるのでしょうか?」
「まぁ娯楽というか、みんなで応援すると楽しいんだよ」
(殿は南蛮にかぶれておられる。この国の行く末がどうにかしなくては。)
結局、関ヶ原の戦い2日目は終始平穏であった。
僕は、未来の野球場を夢見て眠るのだった。