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【カクヨムコンテスト11 中間選考突破】 累計336万7千PV 僕の戦国時代  作者: 虫松
新選組列伝ー誠の残響ー

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第20話 (最終回)武の時代から、政治の時代へ

現代の令和。


静かな夜。

ページをめくる音だけが響く。


男が一人、歴史の本を閉じた。


近藤 勇の生まれ変わり

権田勇次郎、三十五歳。

宗教法人「悪天必罰教」総支配者。



その目は、どこか遠くを見ている。


まるで。


ずっと昔の記憶を、思い出すように。


風が吹く。

一瞬。

景色が変わる。


誠・剣・血。

そして

近藤勇。

処刑台の前。


あの誓い。


「次に生まれ変わるなら」

「武ではなく政治で世を変える」


その記憶が。


令和の男の胸に重なる。


権田は小さくつぶやく。


「……なるほどな」


「そういうことか」


過去と現在が、つながった。


机の上には新選組の本が並ぶ。


新選組の記録。

歴史書。

古い日誌。


権田はそれを読む。


仲間たちの、その後を。


静かに。


ゆっくりと。


想いを馳せながら。




会津戦争


炎に包まれる城

銃声。

雪の中の戦い。


斎藤一は会津に残った。

最後まで会津と共に誠を守るため。

命を懸けて。そして明治へと生き延びた。




永倉新八。


会津藩が降伏したのを知り江戸に戻って

松前藩に自首した。

別の道。

だが誠を捨てたわけではない。

彼もまた、明治へ生き残った。


剣ではなく。

時代の中で。

誠を語り継ぐ者として。



函館・五稜郭


冷たい風。

雪の大地。


旧幕府軍の最後の戦い。


土方歳三。


鬼のように戦う。


撃つ。

斬る。

倒れるまで。


そして

銃声。


一発。


身体が揺れる。


血が土に落ちる。


鬼の副長が静かに倒れた。


土方は死んだ。


だが逃げなかった。

最後まで誠を背負って。





権田は目を閉じる。


静かに。


長く。


「……あんたらしいな」


まるで

知っている誰かに言うように。


この物語の本当の姿。


新選組。


それは、武士になりたかった者たちの軍団。


身分も。

過去も。

関係ない。


ただ。

忠義だけで集まった。

命を懸けて。


薩摩。長州

新政府軍と戦った。


仲間が散り。

裏切りの刃があり。


近藤が死に。

沖田が病で倒れ。


そして。

土方が北の大地で散った。


誠は勝ったのか。

負けたのか。

誰にもわからない。



だが

時代は変わった。


剣の時代から。

政治の時代へ。



現在。


国会で緊張が走る。

与党代表選。


決選投票。


テレビ中継。

ニュース速報。

ざわめく政界。


内閣総理大臣になるために、権田からあらゆる支援受ける

後藤田 実は、票を集めるため必死に政界内を動く。


対するのは


女性初の総理を狙う政治家。


高田 早苗。


国中の視線が集まる。


誰が勝つのか。


だが

その裏で

一人の男が動いていた。


権田勇次郎、近藤勇の生まれ変わり


静かに。


誰にも気づかれず。


票の流れ派閥の動き。


弱点

すべて読んでいる。


まるで。

戦場の指揮官のように。


剣ではなく。

策略。

情報。

政治。


権田がつぶやく。


「これが……今の戦か」


少し笑う。


どこか懐かしそうに

亡き沖田総司の声が聞こえた気がした。


「近藤さん」

「約束、守りますよ」

「最後までついていきますよ」


決選投票。


開票。


緊張。


沈黙。


結果が出る。


だが。

その結果の裏には。

権田の一手があった。


誰も気づかない。

新選組の歴史と同じだ。


誠はいつも表に出ない。


権田は窓の外を見る。


東京の夜。


ネオン。

車の光。

昔とは違う世界。


だが心の奥で。


何かが言う。


「誠とは何か」


答えは

もう決まっていた。


誠とは誰かのために命を懸けること。


時代が変わっても

方法が変わっても

変わらない。


剣の誠

政治の誠


それは、同じものだった。


遠い記憶の中。


山南の呟き

土方の鬼の声

沖田の笑顔

永倉の怒鳴り声

斎藤の静かな目


そして近藤の背中。


権田は立ち上がる。


静かに、決意を込めて。


「……次の戦だ」


新選組の時代は終わった。


だが権田勇次郎の

誠の戦いは、まだ続いている。



令和の人斬り『天誅』外伝 ―誠の残響―


完結




ここまで読んで頂きありがとうございました。


虎口兼近さまには沢山の応援コメントと評価に感謝とお礼申し上げます。


虎口兼近さまに、新選組の物語のあとがき

を書いて頂きました。

こちらです。


https://kakuyomu.jp/users/mushimatsu/news/2912051596503045535


感謝です。本当にありがとうございました。



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