↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
99/119

ベルチェ町陥落

Side:ユージ

僕たちがミゼラに迫ってきた魔族をどうにかしのいだ時、同時刻にベルチェの町が陥落したっていう情報が入った。 

あっという間に魔族に支配されたベルチェの町は砦が建設されていて、死亡した人間、亜人たちは外に山のように積み上げられているらしい。 あまりにも悲惨な状況らしく、僕は説明を聞いているだけで耳を覆いたくなった。


そして、山のように積み上げられた死体の傍には、晒し首があると。 そして、その中には、ケフィンさんの首がさらされていたらしい。

ただ、ヒルダさんの安否は不明との事。 女性は、捕虜にされている可能性もあるとの事だった。


そんな報告を受けた僕は、ケフィンさんの死を聞いて泣き崩れて意識を失ったフェリを支えるしかなかった。


それから数日後、ケフィンさんの死の報告を受けた使者が帝都から来た。目的はフェリとの会談のため。

「勇者様、フェリシア嬢は?」と神妙な面持ちの使者。

「部屋に籠ってしまって泣き崩れているようだ」としか言えない僕。 


なんどか部屋にいったけど、泣き声だけが聞こえた。 

僕もあれだけよくしてくれたケフィンさんの死は受け止められなかった。 だけど、報告後に見た映像で映し出されたケフィンさんの死。 それから死体は、魔族によって燃やされ灰になった。 遺品はなしだ。 なんて残虐なんだ。 その光景を思い出しただけで、怒りと悔しさでおかしくなりそうだ。


モニターに映しだされたときフェリが「お父さん、お父さん」って泣き崩れたのが今でも目に焼き付いてる。 報告を受けただけで気絶したのに、彼女は映像を見るといって聞かなかった。 そして、ミゼラの攻防の際は、勇敢に戦ってたフェリが、映像を見た後、一瞬で弱く儚くなったと僕の腕の中泣いている彼女を抱きしめた時に感じた。 その感触は今も忘れていない。


「そうですか。 実は、ケフィン殿より遺書と遺品を預かってまして届けにきました」という使者だ。

そうか、僕もこの戦場にでるときに遺書を書いた。 ケフィンさんも書いてたのか。

「お父さんの遺書?」とゆっくりと部屋のドアがあいて、少しやせたフェリが顔をのぞかせた。


流石に女性の部屋に使者を案内する事はできず、急遽宿の応接に案内した僕だ。 

僕は、そのあと退席しようとしたが、フェリが僕も同席してほしいっといってつかんだ手を離さないので、僕も同席する事になった。

「こちらが、遺書になります」と言って使者がフェリに渡した封書は2通あった。 

1通は、フェリ宛で、2通目がスヴェン宛だ。 遺書は本人じゃないと開かないようになっている。

遺書を読むフェリは、泣き崩れた。

「そしてこれが遺品です」といって目録が読み上げられていく。

まず、帝都の自宅はフェリのものとする。 

きっと、自分になにかあった時にヒルダさんの生存も不明になると思ってだろう。 そして、財産は金融にあずけてあって、フェリに2/3、そしてスヴェンに1/3いくようになっていた。 

彼なりの償いなのだろうか。 そして、最後に2本の両刃剣。 フェリとスヴェン用だ。

フェリ用のはミスリルでできたとても平民では手に入れる事ができない品物。 

スヴェンのは本人じゃないと開く事ができないがフェリより一回り大きい箱にはいっていた。


「お父さん。 私、これで絶対仇をうつから。 そしてお母さんも」と言って剣をにぎるフェリの姿は美しかった。

「うん、フェリ、ミゼラの町の襲撃がおさまったわけじゃないけど、次こそは魔族を倒して、占拠されたベルチェを取り戻そう」と僕は隣に座りながらいった。

「はい、ユージ様。」と力強く返事したフェリ。

「それで、こちらの方はどうしますか?」と聞く使者。

「お兄ちゃんの分は私が預かります」というと、少しほっとしてる使者だ。 

なんせ、もしフェリが断ったら使者が行方知らずのスヴェンを探さないといけなくなるしね。

そんな事を考えながらも、やはり魔族に対する憎悪が僕の中でました。

あんなに良くしてもらったケフィンさん、そして安否不明のヒルダさん。

この僕の手で、必ず敵を討つんだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。