10 魔王、美化される
お待たせしました(*´`)
毎日更新途切れまくって申し訳ないです(o_ _)o
とりあえず毎日更新目標として書けなかった分は土日に投稿します…
え、この子今私に魔王って言った? 確かに見た目はまんま魔王時代と同じだけど魔法で変えているはずだし――とそこまで考えたところでふと思い出す。
(そういえば透明化の魔法って解除する時に他の幻惑系の魔法も解除する性質持ってたな?)
つまり――今の私の見た目は魔王ミナ・ダグリアのままということになる。
いや、まだだ。確認するまでは確定ではない。
私は縋るような気持ちで水魔法を鏡代わりになるようにして発動した。
……うん。アウトでした。
私は自分のやらかしに「はぁ……」とため息をつくととりあえず現実逃避することにした。
というか、魔王って恐れられる人につけられる代名詞みたいなものじゃないの? え、助けたのに恐れられてる感じすか? 本当にそうならちょっと堪えるんですけど……。
いや待て。怖がられているならお礼なんて言わないはずだ。つまり怖がられているわけではない……はずだ。
というより、助けたのに嫌われていたら誰にも好かれないのでは……? じゃあなんで私にお礼したんだろ?
私が疑問で思考をループしていると、それに気がついたノーリがコソッとある物語を話してくれた。
昔々この世界には、命という命全てを奪おうとする悪い人たちがいました。
その者達は滅法強く、普通の人では太刀打ちできませんでした。そこに現れたのが四人の英雄達です。
一人目は『支援の乙女』と呼ばれたエルフ。彼女は後方から魔法での支援をして仲間を強化したり、敵を弱体化させました。
二人目は『鍛冶の番人』と呼ばれたドワーフ。彼は武器のメンテナンスや装備の調達を行い仲間たちの戦いを支えました。
また彼は戦士としても有能で、その棍棒で敵をなぎ倒して仲間の血路を開きました。
三人目の『猛進の勇者』と呼ばれた人間。彼は剣と魔法を操り、前衛を勤めました。
――そして最後が『魔王』である魔族の少女。
彼女はあらゆる武具・戦術精通していました。
あるときには指揮官、あるときは戦士、またあるときは囮役を買って出ました。
突然攻めてくる敵にも即座に対応して、被害を最小限に抑えました。
彼女は昼間だろうと夜中だろうとすぐに駆けつけ、時には単騎で敵軍の中に突貫しました。
彼女のお陰で他の英雄達や軍が間に合い、多くの命が救われる結果となったのです。
私達は彼らのお陰で尊厳を取り戻していきました。
そして四人の英雄達は敵の大将と相対して、とうとう封印するに至ったのです。
彼らはその後自分たちの種族の国を治め、協力しながら世界の平和を守り抜きました。めでたし、めでたし――
(童話・『四人の英雄達の始まりの物語』より一部抜粋)
ノーリは『大雑把に説明するとこんな感じですかね?』と、遠い目をしながら答えた。
……この安直な団体名には聞き覚えがありまくる。もしそれが私の知っているものと同じだった場合、かなり色々不味い気がする。
私はいやーーーな予感をひしひし感じつつ、確認のために聞きたくないこと第一位であることを聞いた。
『今の、もしかしてしなくても私達のこと……?』
と恐る恐る尋ねるとノーリにしては珍しくげっそりした顔で、
『もちろんそうですよ。この時代に伝わる脚色された四人の英雄達の伝説です。そしてここで残念なお知らせです……』
『え、本当に聞きたくないんですが……』
と予想通りの、そして出来れば否定して欲しかったことを肯定された。
さらにノーリから爆弾投下予告をされ、私は思わず敬語になってしまった。
『これ、絵本の内容なので恐らく四種族の人たち全員が知ってます……』
『勘弁してください……』
『さらにさらに末恐ろしい情報が一つ……』
『え?まだあるの……?』
これで勘弁してくれ、と思っていたところに更なる新事実投下の予告に私のライフはゼロになった。
『私達の姿めっちゃ美化されてますよ……』
『え、何それ激怖なんですけど』
『勇者はイケメンでエルフは幼女、魔王は美女です。まあお師匠様に関しては実際のほうが綺麗ですけど』
私は思わず「ゴフッ!」となりながらも最後まで聞き終えた。
いや、私も絶対に美化されていると思うのよ。こういったものは確実に事実から離れるモノだと決まっている。
しかし私の中でここでひとつの疑問が生まれる。
『ん? そういえばドワーフのアイツは?』
どうしても気になったので聞いてみてしまった。
今の美化された人物の中にドワーフだけ上がらなかったので当然だろう。
『あー。あの人はそのまんまですよ。驚くほどに正確です』
という答えに私はちょっとうらやましく思ったものの、少し不憫にも思ったのだった。
私たちは一通りの情報交換を終えると目の前にある問題に目を向けることにした。――つまり子どもたちへの対応である。
私はぽんっとノーリの肩を叩くと親指をグッと立ててイイ笑顔で言い切った。
『すまん。私には無理だ。――という訳でノーリ、後は任せた。あ、それと私のこと適当に誤魔化しておいて』
『え。ちょ、お師匠様!?』
私はノーリの静止の声を振り切って気になっていた件の調査に乗り出した。
※
私が一通りの調査を終えたころ外が騒がしくなってきた。
恐らく私を探しに両親が暴れているのだろう。そういう子供思いなところ尊敬します!
私達は子供達を連れて外へと向かいそこに広がっていた光景に呆然とする。
なぜならそこには多くの兵を引き連れた両親が、見張りをしていたと思われる誘拐犯たちを伸している場面だったからだ。
そんな愕然としている私に今世で聞きなれた声が今の私の名を呼んだ。
「「リーリアッ!!」」




