ウィタミーキスの探命日誌
人間社会の中で、仕事の補佐を行う自動人形が普及した世界。
作業用に必要最低限の構造しか有さない人形も、愛玩用として人間に好まれる外見を得た人形も、もはや失せぬ人間からの需要に応じて生産され、使役され、そしていずれ破棄される。
そんな自動人形の中にも、独立し職を得て、人間市民の一員として活動し続ける者がいた。
リーピとケイリー、この2体は「探命事務所」なる業務を立ち上げ、市民から託される様々な依頼をこなしていた。人間のような肉体を持たない、自動人形でなければこなせない仕事も少なくはない。食事や睡眠を必要としないはずの人形であったが、報酬はしっかり受け取っている。
社会の中で働き続けることは、自らの存在意義への問いかけでもあった。自動人形は、ただ存在し続けるだけであれば、極力動かずにいれば良い。が、人間に比肩する思考能力を得た自動人形は、物としての扱いを受け入れ難かった。
使役されるために作られた存在が、何者からも使役されぬ状況に意義を見出せるものだろうか。この疑念が生まれるのは、自動人形たちが完全なる機械ではなく、ある菌類を中枢として有する、生命体の一形態であったためかもしれない。
今日もリーピとケイリーは、“暮らすため”に、依頼を引き受ける。
作業用に必要最低限の構造しか有さない人形も、愛玩用として人間に好まれる外見を得た人形も、もはや失せぬ人間からの需要に応じて生産され、使役され、そしていずれ破棄される。
そんな自動人形の中にも、独立し職を得て、人間市民の一員として活動し続ける者がいた。
リーピとケイリー、この2体は「探命事務所」なる業務を立ち上げ、市民から託される様々な依頼をこなしていた。人間のような肉体を持たない、自動人形でなければこなせない仕事も少なくはない。食事や睡眠を必要としないはずの人形であったが、報酬はしっかり受け取っている。
社会の中で働き続けることは、自らの存在意義への問いかけでもあった。自動人形は、ただ存在し続けるだけであれば、極力動かずにいれば良い。が、人間に比肩する思考能力を得た自動人形は、物としての扱いを受け入れ難かった。
使役されるために作られた存在が、何者からも使役されぬ状況に意義を見出せるものだろうか。この疑念が生まれるのは、自動人形たちが完全なる機械ではなく、ある菌類を中枢として有する、生命体の一形態であったためかもしれない。
今日もリーピとケイリーは、“暮らすため”に、依頼を引き受ける。
序章
依頼1:フィンク議員邸にて
2025/10/06 13:12
ウィタミーキスについて
2025/10/06 13:16
まだ破られない安寧
依頼2:大通りの花屋さんから
2025/10/06 13:18
依頼3:市長邸にて
2025/10/08 15:07
依頼4:ある老人宅にて
2025/10/10 13:08
休日:書店での出会い
2025/10/13 13:19
依頼5:無人の倉庫区画にて 1/3
2025/10/15 13:11
依頼5:無人の倉庫区画にて 2/3
2025/10/17 13:14
依頼5:無人の倉庫区画にて 3/3
2025/10/20 13:05
帰還後:調査報告を兼ねて
2025/10/22 14:22
独自調査:花屋に雇われた店員について
2025/10/24 13:10
依頼6:アパート外の路上にて
2025/10/27 13:15
依頼7:遺体安置所にて 1/2
2025/10/29 14:17
依頼7:遺体安置所にて 2/2
2025/10/31 13:10
達成報告:および次なる依頼
2025/11/03 13:13
依頼8:特等市民住宅の一室にて
2025/11/05 13:09
追加依頼:フィンク議員の懸念事項
2025/11/07 13:07
依頼9:ヴィンス氏の名を騙る自動人形の確保協力
2025/11/10 13:15
依頼10:特定個体の枯死処分措置 1/2
2025/11/12 14:00
依頼10:特定個体の枯死処分措置 2/2
2025/11/14 13:10
市長からの依頼内容確認:及び対談
2025/11/17 13:10
依頼11:市長夫人と孫娘の外出付き添い
2025/11/19 14:13