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学園裁判所  作者: 真上真
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第4話


第4話



 俺が白羽と関わることになったのは、小学1年生のときに、あいつがイジメられているのを助けたことがきっかけだった。

 まあ、正直なところ、白羽を助けたっていうより、調子こいてたゴキブリどもにムカついたから、駆除したってのが、本当のところなんだが。


 今でこそ聖女様のようだが、当時のあいつは何かといえば「どうせ、わたしなんて」とか、「わたしには、なりたいものなんて何もないから」が口癖の、完全な陰キャだった。

で、あまりにもウジウジしてるもんで、気分転換させるために、当時やってたアーチェリーを、あいつにも無理矢理やらせたのだ。


 なぜアーチェリーかというと、当時の俺がハマっていたからだ。

理由は、単純明快。一人でできるから。

テニスとかだと、個人競技と言っても、実質相手がいないとできないが、アーチェリーは弓と的さえあれば、本当に他人は一切必要ない。まさに、オンリーワンを愛する俺に、ピッタリの競技だったってわけだ。


もっとも、その理屈で言えば、日本人だから弓道やればよかったんだろうが、あれは礼儀作法が面倒くさいし、弓自体も長くて持ち運びが面倒だから、やめたのだ。

 その点、アーチェリーは分解して持ち運べるから、お手軽だし。

 その代わり、使うたびにイチイチ組み立てなきゃならんし、矢も壊れやすくて高いから、トータルで考えると差し引きゼロなんだが。


まあ、それはともかく、そんなわけで白羽にとって俺は恩人であり、その腐れ縁は小中高から大学生の今に至るまで続いているのだった。





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