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#22 「10代最後の夏休み」
夏休みが始まると同時に夏期講習が始まった。講習は4月の下旬に申し込みをしたので、当時の勇樹はあまりシステムを分かっていないこともあり、思った以上に講習を取りすぎてしまっていた。そのため、1学期の復習に割く時間が減り、またテキストでは補完し切れない部分を埋める参考書による勉強をする時間も作らなければならず、中々大変だった。9時から21時まで講習と自習に打ち込んだ。もちろん誰とも話さない。昼食を食べない日もあったりした。また、この辺りで勇樹は英語のある講師に心酔するようになった。それは河台塾の講師ではなく、某大手予備校の有名講師の参考書なのだが、当時の勇樹にとってそれはとても刺激的だった。それからというものその講師の参考書を仕上げることを最優先した。読めば読むほどロジックが分かっていき、英語が好きになったのだった。こうして勇樹の夏休みは幕を閉じた。




