断章 ツバキのだいぼうけん ②
へやをしらべた。
トビラをみつけたけど、あかない。
「おしてもひいてもダメ。
どうしたらひらくの?」
たいあたり。
トビラにあたった。
パサッ。
ヒラヒラのからだがトビラにはりついた。
「クスクス……。」
うしろからわらいごえがきこえる。
「だれ?」
たなのうえ。
そこにナニかいる。
「君、ボクの声が聞こえているのか?」
「うん、きこえるよ。」
「へぇ、契約者でもないのにボクの声が聞こえてるなんて珍しい能力だね。
それに、自分の意思で動いている。」
「でも、ここに来たって事はそれ以外は大した力は持ってないんだろう?
ここがどこかも知らずに無駄に足掻いているモンだからつい笑っちまったのさ。」
「……??ここ、どこ?」
「ここは、『分類外神器収容区』。
別名、『神器の墓場』さ。
ここに入れられたら最後、二度と使われることはない。
先住達のように神力が尽きて眠りにつくのを待つだけだ。」
「その、ぶんるい……なんとかのトビラはどうしたらひらくの?」
「……話聞いてた?
二度と使われないって言ったんだよ?
開くわけ無いじゃん。」
「どうして?」
「だ・か・ら!
人間が来ないと!開かないの!」
「じゃあ、だれかくるまで、まつ。」
「……ああ、好きにしたら?
運が良ければ、数カ月で来るかもね。」
「すうかげつ?
そんなにまてない。
チョウスケがまってる!」
「誰それ?君の契約者?」
「そう。わたしのだいじなひと。
だから、はやくもどらないと!」
「ふーん…。
でも、そのチョウスケって人――」
「――本当に待ってると思う?」
「まってるよ。
だって、チョウスケだもん。」
「いいや。
どうせ今頃、君の代わりを探してるよ。」
「わたしのかわり?」
「そう、君の代わり。
君みたいな愛玩用の神器かな。
いや、もっとしっかりした大人な神器かも。
どっちにしろ、もう君の事は忘れてるだろうさ。」
「そんなこと、ない!」
わたしとチョウスケはどんなときもいっしょだった。
ほのおにやかれたとき、
がっこうにいくとき、
いっしょにたたかうとき、
いっしょにわらいあうとき、
どんなときだって、いっしょだった。
だけど、わたしがつれていかれたあのとき。
チョウスケは、ないていた。
「チョウスケはやさしいから、いつもムチャする。
だから、わたしがまもってあげないと。」
「……健気だね。
人間なんて所詮、神器の事を便利な道具としか思ってないよ。」
このジンギ、かなしそう。
「おはなし、しよう。」
「え、なにさ、急に。」
「アナタのけいやくしゃは、どんなひと?」
「君、本当デリカシーないね。
さっきの話の流れでそれ聞く?」
「わたしがはなしたから、こんどはアナタのばん。
トビラがあくまでおはなししよ。」
「……はぁ。
ボクの契約者は――」




