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EP19 祭りの日に⑦

雪姫はギルドの経営者です。

ギムは、奇声を発しながら、必殺技の大安売り。

50K先まで、氷を切り刻む。

勿論、キメラごとだ。

「流石は我が師匠」

「王宮騎士団の師範ですわ」

王も女王も絶賛だ。


「マスター、このサイズなら、30%は早く溶けます。被害を抑えることが出来そうです」

「運び出すことも可能ですね」

そうか!撤去も可能なら、被害はさらに減らせるよね。


氷の上を飛び跳ねながら、ギムが帰ってくる。

「こんなもんでいいか?」

良い!ありがと・・・・!!

ギムを迎え入れた私は、気が付いた。

手に持つ剣が、ボロボロに刃こぼれしている・・・無茶したせいだ。


「ご、ごめん。大事な剣を・・・」

剣士にとって剣は、魂だ。

「あ?ああ、気にするな。王様から貰った安物だ」

おい!・・その王様が、ここにいらっしゃるんだ。

「ああ、その通りだ。俺がくれてやった、国宝級の安物だ」

目が、眉毛が、口元が・・お怒りだ。

「な?大体剣なんかは、刃が付いてりゃ上等だ」

いやいや、剣士としても、人間としてもダメだろ。

「雪姫!此度の働きは高く評価する。大儀であった。が、報奨金は無し。国の負担は3」

ぐはぁぁぁぁ!!!折半が、3:7に。しかも報奨金無し!

バカギム!

「キメラの部位。前後200mは研究の為に、国で頂きますわ」

それだけ言うと、王と女王は去っていた。


私は膝が落ちた。

これだけ働いて、大赤字。・・・下手すると、ギルドの貯蓄でも払いきらないかも。運営の危機だ!存続の危機だ!!



「マスター、大まかな概算が出ました。農業への補償は、約4200G 環境関係で1000G これは、一番効率の良い、30%を撤去した際の試算です」

リアちゃんが計算してくれた。

「もっとも30%の撤去には、2000Gの費用が掛かります。トータルで、うちの負担額は『6000G』と言う事になりますね」

アーロン君!6000Gって・・・ギルドの貯蓄が6000G

ヤバいよ。貯蓄が0Gでは、吹き飛んでもおかしくない。


ギムに頼むんじゃなかった!!



「雪姫!この氷な、隅ならなんとか壊せるぞ」

10m四方に切り分けた氷、隅ならこぶし大に出来そうだ、とブルックは言うが、今はそれどころでは・・・いや・・まてよ・こぶし大か?


「これってさ、うちのモノだよね」

「はい。ステラ女王は『キメラの前後200mは、国で』と仰いました」

「これのせいで、保証を払うんだ。氷は、うちの所有になるな」

氷はスノープリンセスの所有物・・。

「これ売れないかな?」

これは、溶けにくい氷だ。まだ夏。需要はあるはず。

「売れると思います!」

「いいかもね~あたいなら買うよ」

「ガオガオガオ」

「ダイル様も、欲しいと、申しております」


「リアちゃん、30%を売ったとして、採掘権の販売。1人に幾らで売れば良いかな?」

「はい。計算してみます」

撤去費用の2000Gの支払いが無くなり、逆に採掘権を売れば、被害は相当減るはずだ。


「相当な需要が見込めます。のべ8000人の冒険者が購入すると試算して・・1人『5S』での販売が、被害の支払い額を相殺する、損益分岐点となります」

5S・・か。


「1日頑張って、こぶし大10個。1個『2S』で売れれば、文句のない儲けになるよな」

「2S」が、高いか安いか?問題は氷の価格だが・・。

「こぶし大なら、3か月は溶けません。『2S』の価値はあると思います」

魔法で涼しくはできる世界だけど、微調整が難しいから、涼を取る時、何かを冷やす時には、氷が使われる。

行けるか?行けるよね?リアちゃんの予想に掛けた!


  「採掘権の販売だ!元は取ってやる!」



翌日から、ギルドでは、氷の採掘権の販売を始める。

1日取り放題。

取れた氷は、ギルドが買い取り、綺麗にしたうえで、一般向けに販売する。

営業部が、近隣農家へ、保障の話を持っていく。営業部の技で、保証額の交渉をしてもらう。

ここで、こけたら、ギルドは解散だ。



氷、ミラクルヒット。

ルーラン国内だけでなく、他国からも沢山の注文が来る。

海から遠いランスからは、大量注文も来た。安定した低温を保てる氷は大人気。

需要に供給が追い付かず、登録冒険者以外にも、採掘権を売る。

残暑で助かった感はあるが、1週間で、のべ1万人に、採掘権が売れ、収支はなんと黒!


「転んでも、ただ起きない奴だな」

「雪姫さんの、強い所ですわね」

ゴルノバ王と、ステラ女王は、ギムに新しい剣を持ってきてくれた。

なんだかんだで、出来すぎ王は、気配りが凄い。


「雪姫、例の話だが、9月末までに纏めろ」

王から、例の話のGOサインが出た。

キメラの問題のあるこの時期に、あえて来たという事は・・・。


例の話とは、魔人族とのコンタクトの事だ。


王は、キメラに魔人族の関与が無い、と見ている事になる。

魔人族の関与が疑われれば、とても魔人族を呼ぶなどできないからだ。

「ヒアリ族の襲撃から助けてくれた魔人族が、キメラで私たちを攻撃する・・考えにくいですわ」

ステラ女王は、分かり易く言ってくれた。

「キメラと、魔物の操作は、人類域の国だ。どこかの国が裏切ったのは、間違いない」

超が3つは付く国家機密的発言。

ゴルノバ王は、7か国議会より、魔人族を信用したことになる。


「分かるな?この依頼の意味が」

王の言葉は、全て極秘に行え、と言う事。

もしかすると、国の議会にもかけていない可能性もある。

王の独断かもしれない。


「その依頼、雪姫が受けました。最善を尽くします」

事は重要だ。秘密裏に事を進める事。そして、失敗は許されない。



敵か味方か?魔人族。

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