EP19 祭りの日に②
異世界編を読まれている方は、飛鳥さんの変化に違和感を覚えるかもしれませが、お許しを。
数行ですが、説明を後の方に入れてあります。
「雪姫様、ジェームス係長より、重大な案件でございます」
ギャリソンからだった。
「反ギア団体『砂漠のペンギン』が、国内に多数入り込んだとの情報と、王様との連絡が付かない、とのことでございます」
砂漠のペンギン?
「はい。生ものの権利を脅かすと、ギア族をヘイトする連中で、過激テロリストでございます」
ギア族の日に、わざわざ・・。これは嫌な予感がする。
「分かった、すぐ戻るよ」
私と飛鳥さんは、コロシアムを後にした。
ギルドでは、ギャリソンと、テレサ、ジェームス係長が待っていた。
「お楽しみの所を、お呼び立てして、申し訳有りません」
「いいよ。で?王様との連絡って?」
ジェームス係長は、落ち着いた様子で話し出す。
「本日12:00に、情報の提供をしていただけるとのことで、連絡を入れるように申し付かっておりました。
が、12:00より、数回の連絡が、全て留守電になっております」
そりゃおかしい。あの王様に限って、約束を忘れたりするはずがない。
「直接伺うにも、ゲートは使用できませんので、雪姫様の許可が」
私の許可。それはゲート能力者の使用の事だ。
ゲート能力者は、A、B、Cの3ランクに分けられる。
Cは、ゲート石と同じ性能のゲート能力しか持たないが、Bランクは、大型ゲートの使用が可能で、Aランクともなると、阻害の効果を無視できる。
つまり、Aランクのゲート能力者は、阻害による侵入不可を突破することが出来る。「何処にでも入ることが出来る」と言う訳だ。
このため、Aランクの能力者には、登録が義務付けられていて、能力の使用は、所属組織の責任者の承認を伴う。
スノープリンセス、情報部には、Aランクの能力を持つ者が居る。
情報部所属の妖精族「キキ」さんだ。
・・・王宮は許可が無いとゲートが使えない。
正面から行く手もあるが、砂漠のペンギンの件も気になる。
あの王が、まさかとは思うが・・・。
「よし、Aランクの能力者のゲート使用を許可する。王様には、私が謝るよ」
悪意なき使用だ。理由もある。
悩むところではない。
「では、キキを呼んで参ります。ご準備を」
今いる戦力は、私と飛鳥さん、ギャリソン、テレサ。
万が一の時は、近接戦闘が予想される。
ギルドに連絡係を置く必要もあるから、テレサに残ってもらう。
「飛鳥さん、ごめんね。協力してもらえるかな?」
「勿論であります」
事の次第が分からない以上、マリア達のステージを邪魔したくない。
私とギャリソンと飛鳥さん、この3人で行こう。
キキさんが来てくれた。
「どこに繋げますか?王宮内なら、どこにでも繋げますよ」
何処だ?万一を考えれば、人目のない場所。
「トイレ。女王陛下のトイレがいい」
変な場所だが、人目は無いし、安全だ。玉座の間にも近い。
「分かりました。繋げてみます」
キキさんはゲートを開く。
「私も行きましょう」
ジェームス係長も来てくれた。
テレサを残し、私たちはゲートを潜る。
「静かだ・・・。いつもの王宮なら、こんな静かなはずはない。侍女たちの話声の一つもするはずだ」
女王専用のトイレに出れた。
「状況の確認がしたいですな」
ギャリソンは、個室に入る。
おい、何の確認だ?
「いや、これをステラ女王が、お使いと考え・・・・」
この場で不敬罪で処刑か?
「いや、いい判断です」
ジェームス君迄、何を言い出す?
「やはり・・・」
???
「このウォッシャーは、魔法が施されていますね。反応していません。出た時に、空間に違和感を感じました。確認が取れました」
確かに。魔法で高さが変わる仕様だ。
と、いう事は、魔法阻害も掛けられている、と言う事?
「そのようでございますな。私の感が当たりました」
嘘だ。女王専用を、堪能しようとしたくせに。
「魔法の阻害石は、どこも国が管理しています。裏取引となると、大変高価なものです。このフロア全体となると、とんでもない金額になるはずです」
砂漠のペンギン・・・金持ちなんだ。
「いえいえ、むしろ貧乏集団でございます。よほど金持ちの支援者が付いた、と言う事ですな」
「静かにであります。誰か来くるであります」
ドアの前で警戒していた飛鳥さんが、身をドアの裏に隠した。
「流石は大国の女王さんだべ。専用トイレまであるぞなもし」
「さぞかし、いい匂いがするべなぁ」
男二人だ。トイレに入って来た。
私たちは個室で身を潜める。
鈍い音と倒れる音。
ドアの後ろに居た飛鳥さんが、手にした銃の銃尻で2人を倒す。
ペンギンの着ぐるみを着た、武骨な男達。
「間違いない。テロリストに占拠されてる」
「こうなりますと、行動は急いだほうがよろしいですな」
2人倒してしまった。発覚する前に動く。
「対テロの場合、最優先で敵の数と位置の把握であります。人質の有無も優先事項であります」
流石は陸自。マニュアルを持っている。
「雪姫。手伝うわ」
氷姫さん。
「魔力は制限させてるけど、小さくてもできるから、情報収集なら任せて」
最小サイズの白龍と、白鳳、白虎。
虫ぐらいにしか見えない。
私たちは、倒した二人を縛り上げ、個室に押し込む。
白龍たちの戻りを待つ。
この先は、飛鳥さんとテレサが中心人物になります。
勿論ギムもマリアもブルックも持ち味を出しますよ。




