EP17 この人って?②
次EPから、コラボ編になります。
5日後、私たちは、米海軍横須賀基地まで出向く。
「よく来てくれました!ウエルカムです!」
日本語で出迎えてくれたのは、基地司令官「アーノルド大佐」だ。
「オスプレイ、安心安全、とても速い。お手頃価格です」
そういうアピールは、総理大臣にして。
「私は通訳兼、案内係の『天草二等空尉』であります」
近くに居た女性が敬礼をした。
また二尉だ。だが、飛鳥さんより大分年上。
「空自なんか必要ありません。陸自が対応する案件です」
いきなり敵対心むき出しの飛鳥さん。
「これだから陸自は・・・。本件は防衛大臣より、直々に命じられた案件です。陸自の意見など聞けません」
天草さんも負けていない。
「気にするな。陸と空は仲が悪い」
そうなの?
「戦車1台、約10億円。戦闘機1機が約130億円。陸の戦車は4人乗り、1人2.5億円。戦闘機は単座だから130億円ね。この価格の違いから、陸は空より安いと見られてるの。
因みに海は、イージス艦が約1500億。300人乗りで1人5億円。海も、陸よりは偉いと思ってるわけよ」
白鳥さんが話してくれたが、くだらない理由だ・・・・。
「では、出発します。目標海域は、波高10mのしけで、10k圏内には人は居ません」
オスプレイと言うのに乗るのは初めてだ。
垂直に離陸し、着陸できる、ヘリコプターの特徴を持ちながら、速度はヘリの倍。
たまに落ちるそうだが、80億円の高価な品は、保険に入ってるので安心らしい。
結構な雨と風の中、80億円のタケコプターは、私たちを40分ほどで、八丈小島へと連れて行ってくれた。
「どお?陸を這いずる芋虫たちにとって、空の旅は?」
悔しそうな飛鳥さん。
マリリンさんが援軍に向かう。私も、お世話になっている飛鳥さんを助けるかな。
「80億ってすごいですね。想像もつきません」
注)マリリン的のは、8億円。1/10と思っている。
「あら、お分かり?異世界の方も、空自の良さが分かりました?」
「空の旅は初めてです。移動はゲートを使い、一瞬で目的地に着きます」
「だよね。80億かけても、40分もかかるんじゃね」
思ったほど揺れずに、快適な旅だったけど、ここは飛鳥さんの為に、嫌味放つ。
「ぅ!」
天草さんは、ぐうの音も出ず。
科学と魔法。今のところ、魔法の勝利かな?
オスプレイの中には、アメリカの学者さん達が、10人ほど乗っており、多くの器機が運び出され、設置された。
OKのサインを受け取ると、天草さんは、私たちに魔法を放つように伝える。
「私から行きますね。ウォータートルネード!」
マリリンさんの魔法。
目の前に、水の竜巻が現れる。高さは5m。
「本調子なら20mはあります・・・」
空や陸と同じで、魔法使いも魔法の強さを意識する。
「ウォータースピア!ウォーターランチャー!」
立て続けに魔法が放たれる。
確かに、威力はショボイが、魔法を知らない者から見れば、現象は驚愕に値する。
「次は私。アイスバーン!スノードラゴン!ブリザード!」
「オオ!」「エクセレント」「ビューティフル」
学者からの声が上がる。
そして彼らを、最も驚かせたのは、氷姫さんたち。
魔法は、手品と言う形で、疑似体験していたが、四聖獣たちは、映画とか漫画の世界。現実離れ度が、半端なかった。
「ノー」
「オーマイゴット」
「シーザス」
「ゴディラ」
発する声で、驚きの度合いの違いが分かった。
久々に思いっきり魔法が撃てた。
彼らもデーターが取れ、ご満悦の様だ。
「こんな事って・・・」
驚いていたのは、学者だけではない。天草さんも顔色を変える程、驚いていた。
「ふふふふふ。空がいくら凄くても、陸自の協力者にはかないませんよね。さぁ、柊さん、マリリンさん!あのオスプレイを攻撃です!叩き落としてください!」
オスプレイは米海軍所有だ。攻撃などしたら、異世界人の評判が悪くなる。
って言うか、やれるか!
天草さんが、私達の元に来た。
「空自に入りませんか?2尉‥いえ、1佐でお迎えします」
「陸自は、幕僚長の椅子を用意します!」
「空自は、戦闘機も付けます。乗り放題です」
「陸自は、群馬県産の玉子をつけます。食べ放題です」
「アメリカは、副大統領の席を用意しマス。壁を作り放題デス」
米も加わったが、どこにも属す気はない。
私たちは、ルーランに帰るんだからね。
こうして、八丈小島演習は、極秘裏に終了した。
アメリカは、取ったデーターを持ち帰り、解析を始めるだろう。
白鳥さんの言う事が、正しいと願うばかりだ。
「実はな、EUからも要請が来た」
今度はEU連合か?
「この先、各国から来るわね」
予想はしていたが、余り良い気分ではない。
私たちは、戻ると夕食にした。
デリバリーと言う、この世界独自のシステムを使い、お寿司から蕎麦、スパにピザ、中華に洋食がテーブルに並んでいた。
会計は陸自に回る。
「正直さ、余り協力したくないな」
「私もです。今日は、はしゃいでしまいましたが、基本は見せるための物ではありません」
とうとう、何も無い空間と話し出すマリリンさん。
「だよな。なんか手を打つ必要があるな。だが、いずれは協力せざる得なく成るぞ」
その通りだ。この世界に魔法の概念を持ち込んだんだ。
責任はある。
「困ります!勝手に魔法を広められては、私たちの立場がありません」
ゲート?光り輝くゲートの中から、羽の生えた人が現れた。
^^XT大好きキャラの、ティナ様の登場でした。