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EP16 柊ほのか③

雪姫と柊ほのか。同じキャラですが、ギルドマスターと学生。

数行のセリフに、違いを押し込めましたw



今日は日下部先生の紹介のあった、神代道場へ行くことにする。

早速だが、気になることは、先に済ませる。


私とマリリンさん、飛鳥さんは歩きで道場へ向かう。


「私は剣道4段、柔道4段、なぎなた4段ですよ」

陸自って鍛えてるんだね。

「当然です。肉体が全て!それが陸自です」

自衛隊って、ガテン系の気がしていたけど、想像通りだ。


竹垣の古風な家。門も竹。流石に玄関は・・・武家屋敷の玄関だ!

虎の屏風が中にある。

「たのもう!」

飛鳥さんが、挨拶を玄関に合わせた。

中からは、道義姿の女性。「神代先輩」が出て来る。

「ほのかちゃん、来るって先生から聞いてるよ」

知ってる人がいると安心する。

異世界は大丈夫でも、時代錯誤の作りの玄関は、落ち着かない。



「えっと、どこまで知ってます?」

一応、話がかみ合わないと困るので、聞いておく。

「たぶん本当の方かな?テロリストじゃない方」

ショートカットの葵先輩。屈託のない笑顔で答えてくれた。

私の異世界転移を、受け入れてくれているようだ。

「部外者への漏洩は困ります」

会話で察した飛鳥さん。

「ご心配は無用です」

奥から師範の「神代悠馬」先生が出てくる。

「他言はしません。この神代悠馬が、お約束します」

「って言うか、それ言ったら、中二病扱いされるしね」

親子で、口は堅いらしい。

「絶対ですよ。もし言ったらプンプンですからね」

プンプンで済むのか?国家機密が?・・結構緩い。



「日下部君は、君の異世界での・・ギルドだったかな?そこの生活を心配していてね」

昨日の話を、もう、してくれていたんだ。

「護身術を、お教えてあげて欲しいと、頼まれたんだ」


私は、マックスと出会ってからの半年間、サマンサから剣術や、体術を教わっていた。

結構厳しくだ。今更、護身術は?


「お手合わせお願いします。既にご存じなので隠しませんが、戦闘経験もあります。護身術ではなく、実戦形式の技を教えて頂きたいです」


剣道は、スポーツ。剣の道を究める為のモノ。

剣術は、殺し合い。相手を倒す技を磨くモノ。

私が覚えたのは、剣道ではない。剣術だ。


「なるほど。分かりました。では、葵と一戦。それを見てから決めましょう」

相当失礼な事を言った。

でも、受け止め、寛容に対応してくれた。

この人は、できた人だ。



「ほのかちゃん、ここでは私も『神代流剣術』の師範の一人だからね。学校の道場の私とは、違うからね」

葵先輩。面も小手も、防具は付けずに、木刀を手にした。

本気だ。


私も木刀を手にする。当然防具は身に着けない。

「ほう」

神代師範は、ちょっと納得したようだ。


防具を身に着けずに、木刀を持つ。経験者か、暴走族だ。

その醸し出す雰囲気から、私の「戦闘経験もある」と言う言葉の真意を読み取った。



ルーランでは、何度か戦闘を経験した。

1対1は、ギルドムーンライトのガンゼ。

一方的に魔法を撃たせただけだが、胆の座り方は学んでいた。

相手の「神代葵」さんは、高校生剣道の全国レベル。

しかも、得意の剣術。私はダイエット目的の、適当部員。

普通なら勝てない相手だが、ルーランでギルマスをやっている私が、負けて良い相手でもない。



    「では両者、はじめ!」

神代師範の掛け声で、私たちは構えを取る。

互いに礼はしない。剣道ではないからだ。


葵先輩の構えは、左足が前に出た右上段。

この構えは、サマンサから聞いている。

これは、一撃に全てを掛ける、必殺の構え。

打ち下ろす力は、受け止める事が出来ない程強く、躱すしかない。

が、その踏み込みと、剣の速さは尋常ではないと聞く。

そして、威圧感。

葵先輩も師範と言うだけの事はある。

先輩が大きく見える。


私は、サマンサ流「砲丸投げの構え」

体を低くし、左足は大きく前。

木刀を左手で深く握り、右肩の位置へ。剣の尻に右手の平を当てる。

そのまま腕を前に伸ばせば、突きの型になる。


葵先輩の「八相の構え」に対抗する、一撃必殺の構えだ。

打ち下ろすより早く、相手の胴体に剣を突き刺す。

間合いは、私の方が長い・・・はず。


葵先輩も、私の構えで作戦を読み取る。

が、先輩は、選んだ構えは解こうとはしない。

私も、この構えで勝負する腹が、決まっている。

勝敗は、先に当てた方の勝ち。一瞬で決まる。

が、ストップがかかった。


「そこまでです」

止めたのは、神代師範。

「柊さん、優秀な方から、教わっているようですね。ですが、その構えだと、相打ちです。双方、大きなダメージを受けてしまいます」

間に割って入った神代師範は、葵さんの木刀に手をやり、剣を下ろさせた。


「お父さん・・・」

止められて、すこし納得がいかないようだった。

「これは、柊さんの力を見る為。葵も分かったでしょう。柊さんには、護身術は必要が無いと」

「・・あ・・はい」

葵先輩は、剣を収め、体から力を抜いた。


「ほのかちゃんは、その・・異世界では、命のやり取りなんかもしてるの?」

葵先輩は、当然のように聞いてきた。

「ん~~~普通にあるかも」

先輩とは言え、なんとなく私の方が年上・・と、思っているせいか、敬語ではなかった。

「今の殺気は、そのせいなのね。凄い殺気だったよ」

「剣と魔法の世界だからね」

殺気なんかは、嫌でも、身についてしまう様だ。



「魔法!?」

おっと、食いつかれた。

「極秘事項です!柊さん!」

飛鳥さんが飛び出してきたが、もう遅いって。

「ほのかちゃん、魔法も使えるの?」

がっちり食いついている。

「あははははは」

笑ってごまかせるか?

「見せて!魔法って見たことない!」

まぁ普通の反応だと思う。

「ダメです!極秘事項です」

飛鳥さんは食い下がるが、異世界の事を知ってるし、問題なくね?

「飛鳥プンプンです。向こう向いてます」

あははは・・良いってことだね。


「アイスバーン!」

床が凍る魔法なら、害はない。

道場の床が凍る。

薄っすらと白くなる程度だが、明らかに魔法の効果だ。

「おお」

「ほぉ」

親子で反応が同じ。

「他にもあるの?」

湧き出す好奇心。葵先輩の目が輝いていた。


「あるけど、余り見せられないかな?攻撃魔法は、人の命も奪いかねないからね」

この言葉を聞いて、葵先輩も我に返る。

「あ・・ごめん」

いたずらに見せるモノではない。魔法は、ルーランのギルドマスターとして、生きていくための術。


この日は、これだけで帰る。

後日、稽古を付けて貰う事にする。

実戦の感覚を忘れないように、とのことだった。
















次回で日本編の最終EPとなります。

そして他世界編へと続きますが、他世界編の前に、「他世界」についての解説を入れます。

自己作品とのコラボですw

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