EP11 襲撃④
やっと雪姫たちの登場です。
敵の包囲網の突破に成功した部隊は、向き直る。
後方に居た魔法部隊。
向き直った形が、魔法攻撃陣形となっている。
「魔法部隊!穴に向けて遠隔射撃開始!」
魔法部隊の攻撃は、ミサイル攻撃と同じで、前に友軍が居ると使えない。
だが、魔法の着弾点を限定することで、前に兵を送れる状況を作る。
「ルーラン友軍!右翼から敵を追走!ルーラン国軍は左翼から追走。
戦闘を避け、指示ある迄並走!」
国軍とは、国の持つ軍。友軍とは、冒険者やギルドからなる部隊。
ステラは、進軍するヒアリ族に追いつくため、戦闘の指示は出さず、追走の指示を出す。
「魔法部隊の防衛にリカ国、ジプト国。他は穴を避け、敵を追撃!敵進軍方向に防衛ラインを再構築!」
魔法部隊の護衛のため、2国の兵を残し、残りの兵で、穴から出てくるヒアリ族の進軍を止め、防衛ラインを築く。
ステラは次々と指示を出した。
ヒアリ族の動きは早くはない。
武装しているため、動きが悪くなっている。
戦場のオラシオ大草原から、ムクリの街まで50K
ルーランの追走兵は十分に追いつける。
「こちら追走部隊。ムクリから30K地点で追いつきます」
ルーラン国軍、追走部隊から連絡が入る。
「ランス国軍は、ゲートを使い、ムクリから20K地点へ移動」
連絡を受けたステラは指示を出す。
ゲートは土地勘の無い者には使えない。ランス国内ならランス国軍が適任。
進軍するヒアリ族を、街から25k地点で、ランスの軍が迎え撃ち、両翼からルーラン兵による挟撃をかます。
穴を攻撃することで、進軍兵を減少させつつ、ペイン、ランド、ラリアの3国軍により、防衛ラインを再構築。
既に進軍しているヒアリ族には、ルーラン、ランスの両国軍が対応。
これがステラの策だ。
「流石はステラ女王陛下。見事な采配です」
「一時はどうなる事かと思いました」
「ミネルバの切れ味、見ましたぞ」
安堵の声を漏らす、各国の猛者。
しかしステラの表情には、明るさは無かった。
「少ないですわね・・・せいぜい3~40万。・・・となると、雪姫さんの読みが・・」
ーーーミバラ山の裾野ーーー
山裾からは、5kほど続く森林地帯。
森林地帯を抜けると、草原が2kほどあり、ポルカの街がある。
ヒアリ族は、オリンポス山脈の地下を直進する。先頭が地底湖に気が付き、進路を狭めだす。進路が狭まることで、後続は詰まり、横穴を掘る。一部は、7国議会が予想した地点へ出るが、本隊は、地底湖を迂回した場所、ミバラ山の方に出る、とシュミレーションの結果がでた。
雪姫の読みと一致し、ポルカの城壁前に陣取る。
「向こうは始まったようね」
150k離れては居るが、40万の軍勢の声は、遠く聞こえていた。
ポルカの街にも、避難者は居るが『該当区域』ではない事から、城壁の内側からは、笑い声も聞こえてくる。
「計算では、あと数分でヒアリ族が来ます」
来てくれないと、女王に合わせる顔が無いよ。戦場放棄だもんね。
「来れば真っ先に、城壁の上で見張りをしてるギア族が、声を上げるさ」
ブルックの言葉は現実となる。
「コ、コードレッド!昆虫族です!!」
街の中が、ざわめき立つ。
「来たようね」
「はい。森林の中に現れました。穴は7つ。どんどん出てきてます」
見えないのが幸いだ。蠢くアリたちを見たら、鳥肌が立つ。
「マリア、スタンバイ」
マリアに準備の指示を出す。
「ギルド、スノープリンセス参上!」
私は宣言した。ギルドフラッグが、激しく炎を纏う。
「一応言うけどさ、今なら見逃してあげるわ。戻る気あるかな?」
「姫・・・虫にそれは無理ですよ」
だよね。
「戦闘前のご慈悲は、雪姫様のルーティングでございます」
フォローありがとう。
「マリア攻撃開始。穴は直接狙わないように。ギムとサマンサ、ギャリソン、ララちゃんは、取りこぼしの排除。城壁には近づけないで。
テレサ、私たちの周りに防壁を展開」
私の指示でギムとサマンサ、ララちゃんが左右に展開。
テレサが防壁を張る。
マリアの光子砲が放たれ、森はあっという間に、火の海に変わる。
うぁ…地面がアリだらけだ。
暗くて見えなかったけど、明るくなると、すごい大群だ。
「雪姫、数に臆するな。個体の戦力は、たかが知れているし、知能はギム並だ」
確かに。数で勝てるのは選挙だけだ!
ヒアリ族は、左右に広がるように展開する。
「トーマ右!ダイルは左!」
左右に広がる敵に、トーマとドイルを当てる。
7つの穴から、出るわ出るわ。
マリアの光子砲1発で、数千を倒すが、敵の数が多すぎる。
と言うか、地面が蠢くようにみえる。
「ちと、数が多すぎるか?雪姫、ペンダントで『広域移動阻害』を試してみろ」
私はペンダントを握り『広域移動阻害』と考える。
「広域アイスバーン」「広域氷壁」と浮かぶ。
「地面を凍らせると、ギムたちも動けなくなる。氷の壁を作る」
「いや、ギムたちを引かせて、地面を凍らせろ。確実に動きを遅らせられる」
「分かった。リアちゃん、ギムたちに帰還指示」
リアは信号弾を打ち上げる。
「大地よ凍り付け!」
私は、広域アイスバーンを使う。森の前に広がる平原が、凍り付つく。ヒアリ族は、明らかに動きが鈍る。
「次だ『最大魔法』で検索してみろ」
「ブリザード」「アイススピア」が浮かんだ。
白姫さんの着物や、簪の防御効果を以てしても、アブソリュートスノーは、まだ使えない。
「アーロン、行けるか?」
ブルックは、アーロン君に尋ねた。
「今行かなくては、副ギルドマスター失格ですね」
眼鏡を持ち上げ、ブルックの肩から降りる。
「行きますよ!大風よ!」
アーロンの魔法は風。強風が草原に吹きすさぶ。
「今だ雪姫!ブリザードだ」
合体魔法。2つの魔法を同時に放つことで、相乗効果を狙う。
私のブリザードは吹雪。
アーロン君の大風と合わせることで、低温の強風がヒアリ族を襲う。
一瞬にして、地上に出ているヒアリ族が凍り付く。
数十万単位のヒアリ族を倒す。
「痒い・・痒い痒い・・」
アーロン君が、今まで魔法を撃たなかった理由。
魔法アレルギーなのだ。魔法を撃つと蕁麻疹が出る・・・。
次回、マリアの必殺兵器。
このEPは、区切りが下手すぎでした・・・。




