表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/226

EP4 恋せよ乙女③

キューおばさんの、魔法の矢がギムを・・。

「・・・無理だね」

いきなり却下。


「私はミノムシだってカップリングする自信があるよ。でもギムは無理さ。あれの頭の中には、飲む、寝る、剣を振り回す以外の単語はないね」

およそギルド職員全員が、ギムをよく理解している。


「でもね、先日マリアが不調な時の、ギムの慌てよう。あれは、マリアを意識してるからだと思う」

先日のマリアとの同衾の話を、キューおばさんにする雪姫。

「それゃ・・信じられないね。あの男が、女の隣で添い寝なんて・・」


「あの時のギムは、明らかにマリアを労わっていた。普通ならさ、ギャリソンとかに頼むじゃない。自分で抱きかかえて、マリアの部屋に行ったんだよ」

「試してみるかい?」

キューおばさんの作戦。同じ状況下を作り、反応を見る。ただし、不調になるのは他の女性で、マリアは不在とする。


「と言う訳なんだ。協力お願い!」

雪姫は幹部を集め、協力依頼。

「なるほど、面白いですね。これは良い作戦です」

「あたいは良いよ。面白そうじゃん」

「ガオガオガオ」

「ダイル様は、協力します、と仰っております」

「この依頼、お受けいたしましょう」

良し!全員の協力が得られた。

「・・・私は?」

マリアは近くで待機。



「宴会か?行く」

ギムは確実に参加する。招集には応じなくても、酒の場は絶対に断らない。

「ギム様、今日はマリア様が不参加の為、お酌は私がさせていただきます」

隣に座るのは、同じギア族のリアちゃんだ。


「マリア・・いないのか?」

明らかに、がっかりした表情だ。

「はい。私ではマリア様の代わりは、役不足かもしれませんが、よろしくお願いします」

キューおばさん、隣のテーブルで、ギムを観察。


宴は進み、それなりに盛り上がる。が、みんなの注目はギム。

雪姫が、リアにサインを出す。

前回はシステム調整して、マリアを弱らせたが、今回はリアちゃんの演技だ。


立ち上がろうとしたリアは、ギムに倒れ掛かかる。

「お、おい!リア?」

「スミマセン・・エラーが・・」

上手い。前回のマリアを見ているだけに、リアちゃんの演技は完璧だ。

「ルル!リアを見てくれ!」

機械担当はルル。ギア族の事は、ルルが一番理解している。

「これは・・・ギム様。リアは休憩が必要です」

前回の流れをなぞる。

「参ったな、雪姫!リアを部屋に連れて行ってくれ!」

(やはり!マリアの時と違う)

雪姫がリアを連れ出す。



「こりゃ、もしかすると、もしかするね」

キューおばさん、勝負に出る。

取り出した弓矢。

マリアに矢先に触れさせると、弓を構えた。魔法弓「恋する時間ですよ」が放たれる。


    

    「スパン!」

叩き斬る。

恋の弓矢を切り落とす、剣士ギム。


そう彼は、背後からだろうと、不意だろうと攻撃を許さない。例え、それが恋の弓矢でも。


「攻撃か?」

違うよ!!!!

「奇襲?」

的外れ!!!

身構えるギム。気配を殺すキューおばさん。


キューおばさんが動く。

立て込む酒場の中を、素早く横に移動しながら、立て続けに弓を放つ。その動き、トップ冒険者クラス。


放たれた弓は、ギムが剣で捌く。


テーブルの下に潜り込み、8本の矢を持つと、間合いを伺うキューおばさん。敵の動きを見失い、全方位に警戒を張り巡らすギム。

酒場は緊張に包まれていた。


決着の時!

8本の矢を同時に放つ、キューおばさん。

全弾叩き斬るギム。勝負あり。キューおばさん敗北。



「流石だねギム。あたしの弓を完ぺきに躱すとはね」

「キューおばさんか、道理で手ごわいと思ったぜ」

「また勝負だよ」

「ああ、楽しかった」

何故か、これで収まる。ギムだから収まる。


「やはりあいつに、不意打ちは無理だね」

矢が使えないとなると、作戦そのものがフイ。マリアの顔に、落胆の色。が、矢は射る必要はない。要は矢先が体に触れればいい。

矢先を外し、誰かがギムの体に触れさせる。それで事が足りる。


「あたいがやるよ」

サマンサが引き受けてくれる。

剣士同士、このような事でも、素人がやれば、気配が変わり、ギムの警戒を誘う。達人の相手は達人。

サマンサが、手の平の中に、矢先を隠し持ち、ギムに近寄る。

・・・が通過。


「マリア・・・お前なんか可愛いな」

振り返って戻るサマンサは、マリアの体に手を触れながら抱き着く。

作戦失敗。

手に持った矢先が、サマンサの肌に触れた。3時間、サマンサはマリアに好意を抱く。

「こりゃダメだね」

キューおばさん、弓の予備がなくなり、本日の作戦は此処迄。

マリアは3時間の間、サマンサの熱烈な攻撃に耐える。



宴は盛り上がりの中、終了。それぞれが帰路へと付く。

ギルドに住むのは、雪姫、アーロン、マリア、テレサ、ギャリソン。

付き人と共に、夜道を歩く。自宅の方向が同じ、ギムも一緒だ。


まだ桜が咲いていた。

桜並木の中、マリアはギムと並んで歩く。

マリアは、ギムの腕を両手でつかみ、首を肩に預ける。

後ろから見る雪姫たちは、仲のいいカップルにしか見えない。


「そうだ。マリア様。お部屋なのですが、203号室に変わってもらって、いいでしょうか?」

無粋なタイミングだが、リアは思い出したように言う。


マリアの部屋は206号室。

アーロンの部屋の隣だが、アーロンの付き人、ブルックが帰ってくるらしい。ブルックの体は大きく、2部屋を統合して対応する。

「はい。良いですよ」

マリア、快く快諾。が

「マリア様、203は・・・」

ギャリソンが、割り込む。

「あ!」

リアも気が付いた。


203号室。出たことのある、いわくつきの部屋。

昔、203で自殺した冒険者が居た。

それ以来、でる。ギア族のマリアは、機械。幽霊など気にはしない。

「リア、203はダメです!」

気にしないわけでもない。機械でも気に成る。

「でも、他のお部屋が・・・」

空き部屋は多くある。が、マリアの付き人ララは妖精族。

方位や風水を気にするため、部屋が限られてしまう。


このままでは、マリアたちは、他に住み移らなくては成らない。


「住むとこ無いのか?来るか?」

ギムの助け舟。

ギムの家は、国王から提供された、元貴族の館。

大きくて広い。

「それいいね!マリア、ギムのお家でお世話になりなよ」

雪姫、ある単語が閃く。

     「押しかけ女房」


マリアの顔が素晴らしく輝いた。


次回、マリアはギムの家を訪問。そこで見たモノは?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ