表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/226

EP2 ギルド④

今回は、ギルド内の、クエストの処理についてです。

ジェームス係長。情報部のトップなのに係長w重要キャラの一人です。


明日より3日間、投稿の時間が不定期になります。15時以降かな?


ギルドの冒険者を管理する「冒険者管理課」

クエストを管理する「クエスト管理課」

ギルドの2大収入源を担う、心臓部。


冒険者管理係とは、冒険者からの登録料の徴取。

受けられるクエストの目安となる、冒険者ランクの査定管理。

ケガ、死亡などのトラブル時の対応から、健康の管理まで、日々時間に追われる課である。


に対し、クエスト管理課。

時間を惜しむなく使い、安全を求める課。

持ち込まれたクエストは、右から左へ冒険者にわたる訳ではない。

決められたプロセスを経て、初めてクエストとして冒険者へと渡る。



クエスト管理課 査定部。

持ち込まれたクエストの、査定と選別を行う。

必要人数や必要能力、時間などから最低価格を付け、クエストの内容に、疑いは無いかを確認して、営業へと渡す。

クエストの内容に、疑いがあれば「マルギ」と呼び、審査部へと送られる。違約金狙いの、嘘情報により、達成困難なクエストを持ち込む輩が居るからだ。



今日も又、3件のマルギが審査部へ回って来た。

「3等当選の宝くじを、換金してほしい。貧乏神」

「うちの犬、ポチが行方不明じゃ。探してくれんかの。花咲じじいさん」

「舞踏会に来た、ガラスの靴を履いた少女を、探し出してほしい。王子様」


この3件、怪しい。本当に困っているのか?

困っているのなら、助けなければならないが、違約金狙いだとすれば、クエストとして、出すわけにはいかない。


宝くじの案件。

早速、係長グレーが確認の為、依頼主の家を訪れる。

宝くじの写真を撮り戻ると、他職員が宝くじ情報サイトから、当たりか否かの判定。

結果、虚偽と判明。宝くじ当選金と、違約金狙いの悪質な犯行。

この依頼、却下!貧乏神様はブラックリスト入り。


このように、真偽を確かめる作業に、時間をかける。

惜しみなく、納得がいくまで調べ上げる。



他2件も、早速審査にあたる。依頼者宅に係を派遣するも、情報不足。

そんな時は、ギルド情報部へ協力依頼を出す。

情報部は、ありとあらゆる情報を集める、情報管理のプロフェッショナルなる集団。

係長ジェームス。

「我々に知りえぬ情報はない」と、豪語する。



情報部からの回答が届いた。

「花咲じじいさん様の愛犬ポチは、1週間前、隣に住む意地悪爺さんにより殺害、焼却されたとの情報アリ。意地悪爺さん宅内に、壺に入るポチの遺灰の存在を確認」


「2週間前、依頼主の館にて行われた舞踏会で、王子と踊るガラスの靴を履いた少女の情報を精査。靴の持ち主は、シンデレラ嬢。ガラスの靴は、現在シンデレラ家の下駄箱内に存在を確認」


国の諜報部を凌駕する情報収集能力。

彼らにないものが2つ。知り得ぬ情報とプライバシー。


2つのマルギ案件は、無事審査を通過し、営業部へと渡る。

ギルドへのダメージを食い止め、冒険者が安心したクエストを行えるよう、クエスト管理課もまた、下からギルドを支える大切な部署。



営業部。

文字通り営業。審査を通り、最低価格が付けらえれた案件を、依頼主と契約を交わす。

審査部の付けた最低価格は、あくまでも相場。

その価格を吊り上げるのが営業力。


スノープリンセス、トップセールスマン「ヴオール」

彼の実力を見てみよう。


彼が手にした案件

「収穫前のブドウ畑に出る、魔虫ブドウビートルの駆除。最低価格50G。依頼主 マスカット伯爵様。違約金200G」

彼はマスカット伯爵邸へを向かう。


「本日はブドウビートル駆除の件で、お伺いしました」

マスカット伯爵は、快く彼を向かい入れた。


「価格200G 違約金100Gにて、ご依頼を受けさせていただきます」

4倍!違約金は半分。

「ヴオールさん、それは少し高すぎないかね」

当然のことながら、他ギルドへ同一の依頼もしている。

見積競争の為だ。他ギルドは、高くて100G。最安値は60G。


しかし、トップセールスマンたる彼は、そんなことは百も承知。

「お言葉ですが、我がギルドの達成率は、他を遥かに凌駕します。

本案件は、失敗した際の被害は、違約金では補えません。失敗は、マスカット様側の大赤字になります」

優秀さをアピールすると同時に、足元を見る。


「我がギルドなら、専門の知識と技術を持つ冒険者が多くいます。必ずや駆除の成功をお約束します」

揺るぎない自信と、巧みなセールストーク。依頼主、揺れる。

「しかし200はな・・確かにスノーさんなら、信用はあるが・・」

追い討つ。揺れる相手を、後ろから切りかかる。それが営業の極意。


「査定部からは、この価格が最低価格と言われました」

嘘。営業の嘘は技。

「しかしながら、お得意様のマスカット伯爵様には、いつもお世話に成っております。こうしましょう。

次回の消毒作業。前年と同様の価格で、ご依頼を頂けないでしょうか?セット割といことで査定部を納得させ、150Gでお引き受けさせていただきます」

抱き合わせを理由の値引き。

「それは良い!前回の消毒は好評だった。こちらも助かる。150で了承しよう」

契約完了。


100をぼったくり、次の仕事まで取る。

これがトップセールスマン。


ヴオール曰く。

「損をして得を取るなど、普通のセールスマンの言葉。得をして、更に得をするのがトップ」


このようにクエスト一つにも、多くの人が携わる。

より安全に、より利益をと、大勢の人がギルドで働いている。

彼らはみな、その道のプロヘッショなるなのだ。




この完璧なシステムを、無視した依頼が2通りある。

1つは、人道的受諾。

ギルドメンバーによる、例を挙げてみてみよう。

『川で流され、溺れる少女。母親は助けを求める。が、川の流れは速い。誰も、助けてはくれない』

こんなシュチエーション。


ギムの場合。

「お?水泳か?まだ寒いのに頑張るな。俺も泳ぐか?」

論外。

「泳ぎ疲れていたようだ」

いい加減泳ぐと、岸に戻るギム。少女は小脇に抱え、救助は結果論で成功。が、契約の意思なし。報酬を受け取れず。


マリアの場合。

「おねがい・・・」

声を聴くや否や、川に飛び込み、娘を救うマリア。

ダメ。まるでダメ。

助けたは助けたが、ただの親切。報酬はもらえず。


雪姫の場合。

「助けてください!娘が・・・」

「その依頼、受けた」

そう、この一言が必要。依頼を受ける明確な意思。


娘を助け、岸に上がり、母親に引き渡す。クエスト達成となる。

人道的受諾の場合は、予め価格は決められていて、違約金はない。

価格は総じて安いが、この微々たる収入も、ギルドの運営の役に立つ。



もう一つが、ギルド幹部にのみ与えられた権限。

直接受諾。

依頼主はギルドを訪れ、直接幹部へ依頼をする。

秘匿性が高い。急ぎの為、通常のルートでは間に合わない場合、等。

または王室からの依頼も、総じて直接依頼だ。

信用がある場合は受けるが、一見さんやトラブった過去がある場合は、丁重にお断りする。直接受諾は、トラブルの元。



そのトラブルが、雪姫に迫る。



次回より7部作、まったりの流れからの大事件です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ