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異世界で再就職する羽目になったけど、潜水艦乗りは潰しが効かなくて困ってます。  作者: はんちょう
第2章 後悔先に立たずとは言うけれど、予想外にも程がある。
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第10話 いちばんのザコ

体調不良で動けませんでした、すみません。

ペースが落ちるとは思いますが、更新は続ける予定ですので宜しくお願いします。

 船務士がマジでぎゃーぎやー五月蝿いから、仕方無くスライム相手にしばらく戦闘を継続することにした。折角の機会なので、戦闘だけで無く情報を集めて分析、まぁ、検証ってヤツをすることにした。

 水雷長は嫌そうだったが反対まではしなかった。今後の事を考えるとレベルは上げておくに越した事はないと思っているのだろう。面倒臭い事が大嫌いな水雷長も、流石にレベルの重要性と戦闘の危険性を比較して、戦闘する事を選んだらしい。

 結構な回数を熟してレベルは初期のメンバーが全員5、追加のメンバーが4になった。最初以降戦ったスライムのレベルが全て1〜2だったので、レベル4のスライムは結構レアだったのだと思われる。

 レベルの低いスライムばかりと戦っていたせいか中々レベルが上がらなかったが、戦闘数が熟せたこともあり検証はそこそこ順調であり、5つの事が予測出来るようになった。


 1つ目は、


『レベルが上がる度に必要なスライム討伐数が関数的に増えていったことから、レベルアップに必要な経験値の様なものがあり、一定値を超えるとレベルアップが起こる』


という事である。


「徐々に強くなっていくのではなく、いきなり"ポン"って強くなるのが凄く違和感があります。」


とは岩木3曹の言である。

 完全にゲーム脳になっていたから違和感を感じなかったが、言われてみればその通りだなと思う。本来ではそのような事はあり得ない。普段から訓練していると、徐々に体力や筋力が付いていくことを実感して来た者としては、いきなり身体能力が上がると違和感が凄いのだろう。ただ、逆にいえばレベルが下がらない限りどんなに訓練サボっても身体が鈍らないってことでは?と思うと非常に便利ではある。検証はしていないが…。

 兎に角今までの常識は全く通用しそうにない。


2つ目は、


『自分よりレベルの低いスライムを倒してもレベルアップは発生する』


という事である。

 船務士の話では、RPGには自分のレベル以下の敵を倒しても極端に獲得経験値が下がったり、ゲームによっては全く経験値が得られないというものもあるらしい。ド◯クエ世代としては、どんなに弱い敵でも数を倒せばレベルが上がっていたので違和感を感じなかったが、言われてみれば『経験値』にも関わらず格下の敵をルーチンワークで倒して得られるものはあるのだろうかという疑問はある。

 獲得経験値の変動については不明だが、もしかしたら経験値のような物を得ているというのは間違っているのかもしれない。しかし、概念的には分かりやすいため、便宜上経験値って事にしようという話になった。


3つ目は、


『ステータスのインフレがヤバい』


という事である。

メンバー全員にレベル毎のステータスをメモする様に指示し、記録した結果、トンでも無い事が判明してしまった。

具体的な例として、船務士のレベル0時のステータスと自分のレベル1、レベル5のステータスを比較表記すると、


レベル0(船務士)

生命力  10

魔力量  5

力    3

素早さ  1

魔力練度 0


レベル1

生命力  24

魔力量  21

力    8

素早さ  3

魔力練度 0


レベル5

生命力  253

魔力量  80

力    122

素早さ  64

魔力練度 0


 イヤイヤイヤ、これは流石にヤバいだろ!集団戦でタコ殴りにしたとはいえ、レベル0で倒せるスライムはマジで雑魚だった!

 何より1番ヤバいのが艦に残ってる人はスライム以下の雑魚って事だ。いや、以下というのもおこがましい、スライム未満だ。

 こんな事では最低限の安全すら確保出来ない。飲水の確保を後回しにしても、乗員のレベルアップを優先すべきかもしれない。今まではスライムしか遭遇しなかったが他の敵にも遭遇する可能性はある。

 幸い真水タンクは艦内タンクのため、流出量は少ない。節水すれば飲水には多少余裕がある。


4つ目は、


『ステータスの魔力以外は比例的な上昇をみせるにも関わらず、魔力だけは増え方がまちまちになる』


という事である。

 ロールプレイングゲームのレベルシステムに似てはいるが、其れなら魔力も比例的な上昇を見せないと辻褄が合わない。

 レベル3まで普通に上がった魔力がレベル4になった時は減少していた。更にレベル5になった時は上昇量が1番大きく、ステータスを記録しながら検証してなければ気が付かなかった可能性は高い。

 魔力だけが特殊な上昇をみせる事から、この世界ではそれだけ魔力が重要な存在なのかもしれないが、これ以上の事は解らなかった。


最後の5つ目は、


『ドロップアイテムは意外にレア』


という事である。

 初戦でドロップアイテムをゲットしていたため、某有名ロールプレイングのポーションや薬草の様に、ポコポコと頻繁にドロップするのかと思いきや、その後はしばらくドロップしなかった。

 倒したスライムの数を記録していなかったので確率は不明だが、体感で20〜30匹に1度位の頻度ではないかと思う。

ドロップアイテムは最初のを含めて手元に4つある。結構倒したなぁ…。


散々、


『スライムのタマゴだったらどーすんだよ!』


とか言ってたのに、ドロップアイテムだと断定しているのは鑑定で確認したからである。

 何て報告しようかとウンウンなやんでいたら、


「機関士、どうした?何か面倒ごとか?」

「いや、大したことじゃないんですけど、ドロップアイテムかどうか分からないから何て呼ぼうかと思って…。」


って水雷長に言ったら、『えっ?』って顔をされて、


「鑑定出来るんだろーが、お前。鑑定すれば良いじゃん。まさか気付いてなかったのか?」


と残念な子を見る様な目で…。

言われるまで気付いてませんでした、はい。スライム相手に散々鑑定したのに…。


というやり取りがあり、確認したら


【スライムの核(錬金術の材料)】

スライムの心臓部が魔力の影響を受けて低い確率で結晶化したもの。


と表示された。船務士は


『錬金術があるのかよ!ウヒョー!』


とかはしゃいでいたが、こちらとしては


『スライムに心臓ってあんのかよ…。』


って気持ちなんだが…。

 そもそも錬金術があるのかもしれないが、使い方すら分からんだろうがと言いたい。

 それより鑑定の内容に違和感が…ってか心なしか説明が詳しくなってる気がする。


“鑑定”


コウスケ・サカイ

種族   人族

位階   5

生命力  253

魔力量  80

力    122

素早さ  64

魔力練度 0

【アクティブスキル】

・鑑定Lv.1 → 2

・アイテムボックス

【パッシブスキル】

・睡眠耐性Lv.4

・病気耐性Lv.2

【称号】

・異世界転移者

【加護】

・なし


ちょっ!?鑑定レベル上がってる!

鑑定した回数はメモしてないが、少なくとも200回以上はしている筈だ。レベル2でコレとは…。思った以上に鑑定は上がりにくいのか、それとも100人近い乗員の中で1人しか持ってないことから、特殊性か強いのか…。

そういや船務士の全国レベル空手がレベル2だったな。鑑定に全国レベルがあるのかは分からないが、そう云う意味では熟練の鑑定士なのか?判断しかねるな。


まぁ、上述のような事があり、ドロップアイテムであるという事が確定した訳だが、今の所は使い道も無いため、只々保管するのみである。船務士が物欲しそうにしているが、コレは艦内の検証班に委ねよう。


 とりあえず、検証結果から導き出された結論として最も重要な事は、


『艦内の乗員はスライムより強い敵性動物に襲われたら一溜りもない』


と言うことである。

 現状極めて危険な状況下にあり、速やかにレベルを上げる必要がある。

水雷長と相談して急ぎ帰艦することにした。

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