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聴雨譚  作者: 木逸昼寝
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雨垂

 ベッド脇にあるライトをつけ、棚から半分潰れかけた箱のなかに鎮痛剤がまだ数回分入っているのに安堵し、ティーパックから苦いほどに滲み出た冷たくなっているマグカップの紅茶を口に注ぎ込み錠剤を飲み干す。すぐにでもまた横になりたいが薬が多少効くまでと脚を抱き込みベッドの上に座り込む。生理きちゃったかな、トイレにいかなきゃ。。。ぼんやりとカーテン越しに部屋の灯りを無数に反射させた雨粒を見ながら腹をさする。そう言えばあのへんな手紙、と書類の入っている段の棚をひき、封筒を手にとろうとするが見当たらない。


 一瞬背筋がひやり、とする。乱雑な書類の中に紛れ込んでしまったのだろうか、押し入れたおりに他の書類に押しのけられ、棚の奥にでも挟み込まれてしまったのだろうか。引き出しを取り外し、手を伸ばし探るが見つからない。薄暗い中で目が眩む。書類も全てひっくり返してみたものの全く見つけられない。消えてしまった?腹部の鈍痛など消え失せ、おのれの息苦しい呼吸が迫り上がってくる。


 夢でもみていたのだろうか、送り主に覚えのない、不可思議な封書などはなからきておらず、ぼんやりとしていた昼と夕刻の逢魔時にでも迷い込んでいたのだろうか。


 ぐしゃぐしゃになってしまった書類を軽く整え、引き出しを棚に戻すと全ては自分の勘違い、思い過ごしであったのかもと思い直す。


 寝汗と今しがたの冷や汗で濡れた服がは除湿のかけっぱなしの部屋につめたい。もう日も暮れてどのぐらい眠っていたのだろうとスマートフォンの画面をつけると20時も過ぎてしまっているのを確認すると同時に暗い室内にLINEの通知が来ているのを見つける、美緒だ。

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