妹と宮本さんと修羅場3
ハル「鳴〜!冷君いたよ!」
鳴「ハルすごいわね。まさか本当にここで並んでるなんて。」
星乃さんと宮本さん…
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はああああああああああああ!?!?!?!?
なんで?何でいるの!?
いやいやいやいや
確かにさ、2時間もこの駅前広場の横にいたらさ、誰かしらと会っても仕方ないけどさ。
でも何でよりによってこの二人なんだよぉ…
どうしよ…
鳴「あなたここで一体何をしてるのかしら。」
冷「えーっとですね…」
ハル「冷君、ここのタピオカ美味しいからおすすめだよ!」
鳴「ハル、そんなことは今いいの。三上君が何でここにいるかが問題よ。しかも女…と…、あ…」
リナ「ちょっとお兄ちゃんに何の用ですか?って…あ…」
ハル「リナちゃんじゃん!こんにちは!」
鳴「えっ…女って……、なるほど、そういうことね。」
あの女、やってくれたわね。
リナ「で、お兄ちゃんをわざわざ探して来たみたいですけど、何ですか?」
鳴「リナちゃんには関係ないわ。黙って。」
リナ「は?黙りませんよ。あなたこそ黙ってください。今はリナがお兄ちゃんとデート中なんです。」
鳴「デートねぇ。あなた、これはどういうことか説明しなさい。」
冷「ですからその…」
あぁ怖いよぉ…
一気に修羅場じゃん…
そして僕は何回リナと宮本さんの言い合いを見なきゃいけないのだろう…
出来れば他のところでやってくれないかなぁ…
あぁどうしよ。
なんか適当に言い訳作らないと…
リナ「は?あなたほんと何ですか?リナとお兄ちゃんがデートしてたらダメなんですか?」
鳴「いいからリナちゃんは黙って。」
リナ「は?嫌です。」
ハル「まあまあ、二人とも落ち着いて。兄妹で遊ぶなんて普通のことだよ〜鳴。」
鳴「そうね。悪かったわ。」
リナ「ならさっさと帰って下さい。」
鳴「ちょっとリナちゃんは黙ってて。まあ、デートの相手が妹なのはまだ許せる範囲だわ。もし他の女だったらやばかったわね。」
冷「あ、はい。」
確かに。
他の女だったら殺されてたかも…
鳴「それで三上君は私の誘いを断ってまで妹とデートがしたいってことかしら?」
冷「いや、元々リナとの約束があったので…」
本当は宮本さんの方が先だったけど。
鳴「リナちゃんはいつ誘ったの?」
リナ「昨日の夜ですけど何か?」
おいリナ…
鳴「三上君、嘘は良くないわよ。いい加減その場しのぎの嘘はやめたらどうかしら?」
冷「はい、ごめんなさい。」
やっぱり宮本さんに安易な嘘はつけないな。
ほんと厄介だし怖い。
鳴「それじゃあ三上君。来週の花火大会、一緒に行くということで良いかしら?」
冷「はい?」
鳴「文化祭の時も話したでしょ。リナちゃんと行かないで私たちと行きなさい。」
リナ「ちょっと何でそうなるんですか!花火大会もリナがお兄ちゃんと一緒に行くんですけど?」
鳴「うるさいわねこのブラコン。リナちゃんもいい加減現実を見て同年代の男の子を好きになりなさい。」
リナ「は?無理ですけど?お兄ちゃん以外の人なんて考えられません。」
鳴「可哀想な子ね。」
リナ「は?どういう意味ですか?」
鳴「自分で考えればこのブラコン。」
リナ「ブラコンやめて下さい。」
鳴「嫌だわ。このブラコン。」
リナ「まじでなんですか。さっさとどっか行ってください。」
鳴「分かったわ。ちょっとあなた、リナちゃん借りて行くから代わりにハルと並んでなさい。ほら行くわよブラコン。」
冷「はい!?」
ハル「えっ!?鳴どういうこと!?」
リナ「ちょ…!離してください…宮本さん!え…ちょっと!」
宮本さんに連れて行かれて、二人はどっかへ行った。
なんだこの展開。
それで今隣にいるのが星乃さん…
ハル「二人行っちゃったね…」
冷「そうですね…」
ハル「二人きりにさせて大丈夫かな?」
冷「たぶん大丈夫なんじゃないですか。」
ハル「あれ?冷君あまり心配じゃない?」
冷「そこまで心配にはならないですね。あー見えて宮本さんはたぶん冷静だったと思うので。」
僕の軽い推測からすると、あの口論の勢いをそのまま利用して僕と星乃さんを二人きりにさせようという狙いがあるように思える。
あの宮本さんならやりかねない。
まあ天然で鈍感な星乃さんは全く気づいてないようだけど。
ハル「冷君。それで結局花火大会は誰と行くの?」
冷「さあ?分かりません。」
ほんとは花火大会なんて行かないで家にいたいんだけど…
ハル「なら皆で行こうよ!だって皆冷君と行きたいんだよ〜鳴もリナちゃんも。」
冷「そうですか…」
知ってる。
ハル「誰かが冷君を独り占めはずるいからね〜」
冷「独り占めですか…」
いや、言ってることは正しいと思うし、皆公平にしたいのは分かる。
ならば、僕抜きで花火大会に行くという提案を是非ともさせいただきたい。
これだって公平でしょ?
いうて今回も行くハメになるのは目に見えているというか…
だって相手は宮本さんとリナだから…
ハル「ってかここのタピオカもうどれくらい並んでるの?」
冷「もう1時間ぐらい経ちます。」
ハル「そっか〜!じゃあ後半分ぐらいだね!」
冷「そうですね。」
ってかリナがどっかに連れて行かれた今、タピオカに並んでいる意味はもうないのでは?
ハル「冷君、ここのタピオカ美味しんだよ!楽しみだな〜」
と思ったが、星乃さんはめちゃくちゃ楽しみにしているようだ。
本当は帰りたいが、ここで帰ってしまうと流石に星乃さんに悪いから仕方なく残るか。
それにせっかく1時間も並んでたのに今帰ってしまうと本当に何の意味もなく並んでいたことになるからな。
ぶっちゃけこんなに並んでまで皆が飲みたいタピオカの味も気になるし。
うっかり星乃さんに見惚れなければ大丈夫だろうきっと。
それにしても今日の星乃さんも可愛いなぁ、胸も大きいし。
ってかこの感じ、、、
デートじゃん。
鳴とリナちゃんがどっか行っちゃって、今、冷君と二人きり…
あ〜どうしよ〜
緊張しちゃう…
変な感じにならないようにいつもの感じで喋ってるけど、あたし大丈夫かな…?
冷君はいつも通りな感じだから大丈夫だと思うけど…
どうしよ…どうしよ…
嬉しいし、すっごい幸せだけど、ドキドキしすぎて胸がはち切れそう…
夏休み中は冷君に会えないと思ってたからさ…
でもなんでこんなにドキドキしてるんだあたし?
学校とかではこんなにドキドキしないのに…
なんで?
ね〜なんで〜
あ〜も〜
鳴〜どうしよ〜あたし…
あれ?急に星乃さん黙ったけど大丈夫か?