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最終話【世界の形は】

暴力描写注意です

口を大きく広げでんぷんの盾ごとまるのみにしようとすると

びゅんっ、と強風が吹き荒れると綿が詰まったぬいぐるみが視界を覆う。原住民はどれだったろうか。

バチバチバチ!!と火花が枚大きな火が燃え上がる。

さらに爆発音が響く。


「くくっくくく…!」

ロゥムがいつもいたずらに使っていたかんしゃく玉や花火の道具を解体し爆弾に作り替えた。

「こっちだクソ野郎!」

「ボケナス!!」

「ごちそうじゃない!!」

「ぬいぐるみとの見分けがつかない馬鹿!!」

態々煽ってくる。あからさまな罠。所詮は小動物か。

拳銃を取り出し撃ち抜こうとするもあのでんぷんで頭を守ろうとする。


「此処からで良い?」

「えぇ、大丈夫」

シュウテが上空、グランの真上から落としたのはユマ。

上から落とされると迷い無くかかと落としをする。

重力とスピードが上乗せされたその威力、そして更に地獄を生き延びたユマの身体能力は高い。かかと落としでグランの歯を何本か折った。すかさず武器をはたき落とさせた。

「お前か、お前が頭か」

「頭は貴方が先ほど殺しました」

そこからお互い本気の戦いが始まる。しかしユマはグランには勝てないと薄々感じ取っている。殺すためだけに生まれたような体の作りのグラン。それに対して長年平和に使った老兵。

荒事は知っている。しかし長年武器を磨かなかった錆びたナイフのような自分は何処までいけるのか。それこそ仲間と力を合わせなければならない。

拳をぶつけ合い足蹴りで牽制しながらグランの最大の強みである多腕を最大限警戒する。武器はすべてはたき落としそれを遠くへ蹴り飛ばしたから大丈夫だが…。

伽藍の頭には角が2本ある。瞬間グランは頭を下げ頭突きをした。

ダイラタンシーの装甲のついた腕で胸を守ったがやはり守りに徹してしまう。

バァン!と大きな爆発音。

「邪魔なちび共が」

グランの歯が再生し超速でシルイとペムエを食い千切る。その肉片をユマに向けて発射した。

「くっ…下郎がっ…!」

ぼちゅ、ぼちゅと身体に穴を空けてくる。

ロゥムがグランの肩に乗っかり両手で毒の染み込んだタオルで顔を覆い首を縛りあげる。

「お前脳あるなら当然首が弱点だよな?脳神経通ってるよな!?」

ギチギチと縛りあげる中ユマはシュウテに傷を癒してもらう。

ロゥムは声を荒げた。

「天気!!とびきりのやつお願い!!!」

「!?自爆か!?」

瞬間カッと視界が白に包まれ大きな音の後雷がロゥムとグランを巻き込んだ。

グランは直立している。だが確実に大きなダメージは受けているはず。ロゥムは倒れ伏す。それを足で踏み潰すグラン。

(この世界は元々戦にまみれていた。住民も世界も他害能力が高い)

「じゃ…お願いね」

「わかった」

ユマが立ち上がりシュウテが空を飛ぶ。

(何をする気かは知らんが)

指を鳴らしグランがユマに突っ込んだ。そのままユマは上半身を傾けグランの腕を利用し体を巻き付けた。

「関節多くて助かるよ」

ごき、と関節を外して宣言する。

「囮は私だっ!!」

ユマが叫んだのと同時だった。シュウテが爆音とともに空から突進してくる。

「チィダン」

「お前が殺した私の親友の名前。死の間際に覚えろ」

地面にたたきつけられる三人。そこに生き残りはいなかった。

――――

世界は辛うじてその姿を保っている。

残されたのはぐずぐずに悪くなった天気だけ。

血と火薬の匂いを洗い流すように雨は止まない。

天気さんが友達の死を悼んで泣き続けていた。

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