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余り語られない撮影所のあれこれ  作者: 元東△映助
74/203

余り語られない撮影所のあれこれ(73)リテイクT-3 「衣装」

★リテイクT-3「衣装」


●衣装部

キャストの「衣装」の殆どが「衣装部」さんの手配によるモノであることは、周知の事実です。

しかし、その中には「外部から借りる」「本人から借りる」「新たに作る」「既にあるものを使いまわす」「新たに購入する」と様々な「衣装」の準備の仕方がありました。

今回は、そんな「衣装」のお話を以前書いたものをリテイクする形で大幅に加筆修正させて頂きますW


尚、例によって情報のほとんどが約30年前ですw

今となっては変わっていることや、無くなっていることもあります。また、記憶の内容が30年の間に美化されたり劣化してしまっているものも存在しますwwその点をご理解の上、あらかじめご了承下さい。


●レギュラーキャストの衣装

基本的に東映の場合は、専属契約を結んだ会社が撮影所内に衣装部屋や衣装倉庫を確保して、役者さんの衣装を揃えて、管理しています。

私の知っている会社としては「東京衣装」さんと「東京衣装新社」さんががありました。

ドラマでも映画でもヒーロー番組でも、役が付いた役者さんの衣装は、「衣装合わせ」をして衣装が決定すると、その番組の撮影が終了するまで、他の作品へは貸し出しされません。

他作品へ貸し出してしまうと肝心の撮影の時に無いとか、破損、紛失する可能性があるという当たり前な話ですw

撮影が終了してしまうと、衣装倉庫の他の作品への貸出可能なエリアに移されますので、衣装によっては同じものが他の作品で見ることができますw但し、特徴的な衣装じゃないと分かりにくいかなw


●1点モノのハンドメイド

新番組のレギュラーキャストの衣装であれば、1年間を通して使用するモノもありますから新調して作ったり購入したりをしている可能性が高いのですが、中には1着だけではなく、洗い替えも考えて同じものを数着とかいう手配もありました。

但し、特徴的な「スーパー戦隊」のレギュラー陣の衣装などは一般的に存在していませんから、衣装部さんが製作するモノや、外部で製作して頂いたのちに納品されるモノもありました。

デザイン画を元にした特殊な衣装の大半は、外注による衣装製作で用意されるモノとなりますが、市販の衣装に「装飾を縫い付ける」とか「ワッペンを追加する」とか「一部の形状を変化させる」等の少し手を入れて既存の衣装のデザインを変化させる程度の変更では、外注に出すまでもなくて衣装部が製作していました。


●アクション用衣装

アクションが多い「ヒーロー番組」であれば、キャストが変身前にレギュラー衣装のままで、衣装が汚れたり破れる危険性のあるシーンが必要な場合もあります。

そんな場合の衣装で、尚且つ本来の衣装が高額だったりすると、アクション用としてお高くない似た色の衣装を用意して、それを着用する場合もあります。

但し、昔は衣装の形や色だけがまあまあ似ていれば、撮影に使用していましたが、現在では本物と見違える程の衣装が用意されます。

昔だからフィルムの解像度を甘くみていたという訳ではないのですが、明らかに衣装が変わってしまっているシーンがある作品が幾つか存在したのも事実です。


●「借りる」その1「本人の衣装」

本来の「衣装」は、あくまで「衣装部」が用意するモノを撮影用に「貸し出す」形式でキャストに着用させている訳であるが、「御本人の服を借りる」事もありました。

それは、御本人の「服のサイズが特殊」とか「本人の私服を(本人or監督等)が役に合うと気に入った」とかの場合で、購入するにも「特注品」になってしまったりして、「高額過ぎたり」する場合で、尚且つ「今回しか使用しない」とかの場合に「御本人の承諾」を得てお借りします。

コレが、レギュラー陣で今後も使用される可能性の高い衣装ならば、少々高額でも購入する場合もあります。

また、御本人にお借りする前や後に「買い取る」場合もあります。

流石に新品のお値段ではありませんが、古着として購入する場合の値段ぐらいはお支払いしていた可能性もあります。

まぁ、中には「ご寄付」下さるキャストさんもいらっしゃいましたが……


尚、「お借り」した衣装は、基本的には御本人の撮影の出番が終了されるまで「衣装部」でお預かりして、ホコリ取りやアイロン掛け等のメンテナンスを施される事となります。

最終的にはクリーニングしてお戻しする事になります。


余談ですが、小物類も御本人にお借りする場合があります。

特に「メガネ」はその筆頭です。

洋服は御本人の身体のサイズに合わせて着ていらっしゃいますが、まだまだ汎用性があります。

それに対して「メガネ」は、御本人個人の視力に対する補正をオーダーメイドしているモノですから、「伊達メガネ」以外では小道具としてはご用意できません。

ですから、普段からメガネを掛けられているキャストの中には、自分の役のイメージにあったメガネを数点以上お持ちの方もいらっしゃいました。


●「借りる」その2「タイアップ衣装」

最近では、衣装のデザイン協力等で外部の服飾デザイナーズブランドや服飾メーカーさんとコラボなんていうのもあるみたいです。

特にドラマではなくて、バラエティー番組やクイズ番組の出演者さんや司会進行役、また、コメントを求められる所謂雛壇タレントさん等では「スタイリスト」さんが付いて「衣装」を着てもらう訳ですが、これらの殆どは「1回しか着ない」モノであり、いちいち購入もしていませんし、予め衣装倉庫から用意するなんて事は殆どしていないのが現状です。

この様な短期間の撮影のためだけの衣装を、購入したりレンタルしたりする予算が乏しい場合には「タイアップ」が使われますw

日本語訳としては「提供」ですw

ブランドイメージの強化の為に、企業に衣装を提供・貸与して貰い、番組の中で「衣装提供」としてブランド名や企業名を提示します。

スタジオ収録の司会やコメンテーターならば、殆どが対象になるとおもわれますが、ドラマならば主役かメインキャスト位の衣装じゃないと、対象にはならないと思われます…

何にせよ、元がお高く購入も不可能で、しかし、デザイン性に優れている衣装程助かりますw

コラボも似たような感覚ですが、少し違いますね。


●「借りる」その3「企業からの貸与」

さて、キャストの役柄上、企業名の入った「制服」が必要になる場合があります。

その殆どが、企業さんの建物をロケ現場としてお借りしている場合で、旅館や会社等で看板等をそのまま使用させて頂いて「タイアップ」している企業さんの「制服」となります。

単に建物だけをお借りして、架空の名前を付けている企業等ならば、どんな制服や衣装でも良いのですが、名前まで使わせて頂いて「タイアップ」している場合は、何でも良いものでもないですし、数も必要な場合もありますから、お借りするのが一番の解決策となります。

例えば、旅館の名前の入った法被や浴衣等は、従業員役の分はもとよりお客さん役のエキストラの分まで必要となる訳です。


●エキストラさん達の衣装

前途した様な集団で同じ衣装を着用しなければならなかったり、エキストラに対しても設定が存在する場合は、衣装部さんがエキストラさん達の衣装を用意します。

しかし、設定が自由だったり、アクションが存在しない等の際には、エキストラさん達の自前の服のままでの出演となります。


近年、ネット等を使用して募集されているボランティアエキストラという方々がいらっしゃいます。

その方々の場合、服装や手持ちの小物類に至るまで「注意事項」が付いていますが、自前の服での出演というのが基本となっているようです。

「番組名やキャラクターを使用した服装、小物類は禁止」というのは、特撮ヒーロー番組へのボランティアエキストラの場合の定番の「注意事項」となっているようです。

過去には、「宇宙の賞金稼ぎに見える自前の服装、小物で(コスプレ可能。但し、オリジナルに限る)」という「注意事項」が付いて「写真審査」までしたボランティアエキストラ募集があった作品もありましたw


●あとがき

大幅に加筆訂正をさせて頂きました。

以前に「衣装」としてアップさせて頂いてから後に、「まだまだ書いていないことがある」「説明不足なことがある」と感じていて、リテイクと相成りましたw


それにしても、本日(2021/01/31)放送の「キラメイジャー」の充瑠くんの「衣装」の「汚し」、水性塗料だとは思うけれど「落ちるのだろうか?」と心配になってしまっていますw

マントは材質が変わっている様にみえますが…

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