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TS魔法少女は戦いたくない  作者: 橋比呂コー
第七話「ヴァルエメラルドの正体は誰だ?」
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ダイカルア百道の新たなる作戦

第七話突入。

導入編ということで、今回は短いです。

 修道院の一室。禍々しい邪神像が祭られている中、三人の男女が円卓を囲んでいた。修道女に魔女まではまだしも、ピエロの男は場の雰囲気もあり、かなり目立っている。ただ、一様に深刻な表情を浮かべており、介在する余地は皆無だった。

「よもや、クロコダイルカルアがやられるとは。ふざけた野郎でしたが、実力は買っていましたのに」

 ピエロこと百道が机を叩く。ひょうきんなメイクとは裏腹に憎悪を表面化している。直面した修道女こと海老名が怯える始末だ。


「魔法少女さんって、本当に強いんですね。倒せるんでしょうか」

「案ずることはない。我が見立てでは恐るべきはヴァルダイヤモンドのみだ。まあ、他にも魔法少女の報告が上がっているようだから、精査する必要はあるがの」

 唯一達観しているのは、大司教と呼ばれる存在。彼女らは邪教集団ダイカルアの中でも抜きんでた実力者、通称司教である。クロコダイルカルアが欠けて三人となってしまったが、その中でも圧倒的な力を有するのが魔女服の大司教なのだ。


「敗北した者はどうでもよい。センチピードカルアよ、作戦は進んでおるな」

「はい。私めはクロコダイルカルアとは違います。力任せに挑んでも勝てぬというのは彼が実証してくれました。なので、既に策は講じてあります」

「頼もしいな。して、その作戦とは」

「人々の恐怖を煽ると同時に、ダイカルアの活動資金も得ることができる。まさに、一石二鳥の策でございます。魔法少女を倒すにしても、資金が無くては話になりませんからね」

 ダイカルアの活動資金は主に信者からのお布施によって成り立っている。ただ、勢力が拡大するにつれ、資金難は無視できぬ問題であった。悪の組織と言えど、世知辛さからは逃れられぬ定めというわけだ。

「作戦の下準備は整っております。そろそろ本番。一気に邪神様への供物を集めて差し上げましょう」

 百道は不敵な笑みを浮かべて立ち上がる。すると、大司教は懐からあるものを取り出した。


 理科の実験で使う試験管にゴム栓がしてある。それだけなら学校の授業で使う変哲の無い代物だ。しかし、中に入っている液体が問題だった。

 明らかに体によくなさそうな、毒々しい黒色をしている。無理やり人間の飲み物に近い存在を挙げるとするならコーラだろう。炭酸なのかは不明だが、振れる度に泡立っている。

「百道よ。そなたが後れを取るとは思えぬが、こいつを託しておこう」

「大司教様。その液体は一体……」

「邪推はよした方がよい。クロコダイルカルアが最後に使ったものと言えば分かるかな」

 邪推するまでもなく、百道は正体を突き止めた。ダイカルアに伝わる魔法の中でも禁術中の禁術。使いどころを間違えなければ、ヴァルダイヤモンドにさえ勝てるかもしれぬ代物だった。


 さすがにおいそれと受け取るわけにはいかなかった。だが、百道は念には念を入れるタイプであった。クロコダイルカルアが敗れたのは慢心があったかもしれぬ。ならば、万全の態勢で挑めば遅れはとらないはず。

 百道は生唾を飲みこむと、大司教より試験管を受け取った。

「一応忠告しておくが、いざという時以外は使うでないぞ」

「心得ております。こいつを使えばどうなるかを」

 一礼を施すと、百道は修道院から脱していった。


「大丈夫なのでしょうか、百道さんは」

「あやつは曲者だからな。禁術に頼らずとも、魔法少女たちを根絶やしにできるかもしれぬ。だが、万が一敗れることがあるなら、わらわたちも本腰を入れるべきであろう」

 顎を撫でながら、大司教は遠方に厳しい視線を送る。傍に控える海老名はおろおろと椅子の背を握るばかりであった。

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