『ルナ・ヒーラー』〈顔も知らない聖女様〉
◆◇◆◇◆
解決策が思いつかず、優先順位を設ける策により、力技で危機を脱出することを優先とした
「ノルさん…休憩して下さい」
「いえ、傷の深い方は優先して
治しておかないと」
頭痛がする。頭を鈍器で小刻みに叩かれている気分だ。吐き気が度々訪れ、その度に意識を失いそうになる───それでも人死が出るよりかはマシだった
「ッオ…」
「おい!桶もってこい!」
「ま…だぁ?」
『魔力枯渇』───あからさまに魔力を使い過ぎた弊害が体調に現れた。倦怠感、頭痛、吐き気、脱力諸々身体が動くことを『拒否』した
「ノル坊!」
それでも気力で無理に動いた結果、足がもつれ、倒れることになった───迫る地面
「…」
◆【何か柔らかいものに受け止められた】
倒れる前に誰かに支えられた様な気がする。最後に聞こえたのは『ガモンさん』の声だったし、クッションでも投げてくれたのだろうか
「ローラ、この方は?」
「ノル・スタルジア。Dランク冒険者の方です」
「なんと!冒険者の方でしたか
てっきり神官見習いとばかり」
女性の声がした
◆【身じろぎを試みる】
「おや、まだ意識がありますか
優秀、優秀」
「ルナ・ヒーラーだ!聖女様が来てくださった」
支えてくれたであろう女性の名前が聞こえた───聖女様とのことだった
僕が退こうとしたことに気がついた。申し訳が立たず何度も身体に力を入れようとしたものの力は入らなかった
体重を預けるばかりになってしまっている状況だ
「無理に立ち上がるのはやめたまえノル殿
声を出すのも辛かろう」
「…」
確かに声を出すのも億劫だ。今すぐにでも眠りにつきたい位、疲労も溜まってしまっている───瞼が勝手に降りてしまう
「後は引き継ぐ故、ゆっくり休まれよ」
「…」
力を振り絞って首を縦に微動させるのが精々だった。意識を保っていた『気力』が底をつき、温もりが心地よく、疲労が限界とあってそのまま、瞼が落ち切ってしまった
◆【気がつけば】
天井を見上げる様にして目が覚めた
「…」
次に目が覚めたのは休憩室でだった




