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孤児院

また冒険者で稼ぎに行く。ポットの為に色々と買い込まないとダメだし、キキとララの孤児院に寄付をしないとダメなのだ。


稼いだ金でロドリゲス商会でチョコやココア、南国フルーツを買い込みポットの元へ。


「うわっ、こんなにたくさんあるならもうずっと使えますね」


「この保存箱は蓋を閉めてる間は冷蔵と保存魔法が掛かるから腐ることは無いと思うぞ。他は何か欲しい物はあるか?」


「いえ、これだけあれば大丈夫ですよ。オレンジのケーキ食べて行きます?ゲイルさん柑橘系のケーキ好きでしたよね?」


「あぁ、貰おうか」


めぐみはシュークリーム、シルフィードは俺と同じもの、ラムザはナッツを洋酒につけたものがたくさん入ったパウンドケーキを選んだ。


「わー、美味しいね♪」


口の周りがクリームでべたべたになっためぐみの口をハンカチで拭ってやる。


「ゲイルさんは昔からすることかわりませんね」


「そうだな。毎日こんなんだ」


シュークリームを食べ終えためぐみは俺のケーキも食べ出した。


俺はラムザのパウンドケーキを一口貰う。


ん?


「どうしたのだ?」


「あ、いやちょっとな」


めぐみがあーんと口を開けるのでラムザのパウンドケーキを一口入れてやった。


「食べさせてもあげるんですか?」


「めぐみはシュークリームと柑橘系のケーキは自分で食べたろ?」


「はい」


「めぐみは俺の作った物はたいてい自分で食べるんだけどな、人が作った物はこうして食べさせろってなるんだよ」


「へぇ、そうなんですね」


「今の意味わかったか?」


「え?」


「シュークリームと柑橘系のケーキは自分で食べた。これはめぐみにとって俺が作るのと同等以上の物って事だよ」


「いやぁ、そうだったんですか。めちゃくちゃ嬉しいですね」


「このパウンドケーキは食わせろって言ったろ?」


「あっ・・・」


「このナッツを漬けた洋酒はここのか?」


「そうです」


「やっぱり酒は文化だな。こいつをやるからこれで漬け直せ。マリさん用なら足りるだろ」


と、熟成ブランデーと熟成ラム酒を渡しておく。


「うわっ、めちゃくちゃいい匂いがしますね」


「めぐみはあんまりこれ飲まないんだけどな、匂いは知ってるんだよ。この酒は俺が小さい頃からせっせと作ってたやつでな、ギリギリまで熟成してから保存魔法かけてあるから特別っちゃ特別だな」


「そんな貴重な物を頂いていいんですか?」


「マリさんに最高の物を食べて欲しいんだろ?好きに使えよ」


「ありがとうございますっ。めぐみさん。次は自分で食べて頂けるものを必ず作りますっ」


「うん♪」


「あと明日シュークリームをたくさん作っておいてくれないか?100個ぐらい」


「いいですけど、めぐみさんそんなに食べるんですか?味を変えておきましょうか?」


「いや、同じ物の方がいい。娘の所に差し入れしようと思ってな。今孤児院の運営やってるんだよ」


「なるほど、では用意しておきますね」



「めぐみよ、あのケーキはそんなに違うのか?」


「んー、なんだろ。他のはぶちょーが作った味するのよね。でもあれだけ違ったの」


「ケーキ類はもうポットの方がぜんぜん旨いだろ?俺はもうずっと作ってないし」


「ふふっ、私のはぶちょーに作って欲しいの」


「わっ私もゲイルの作って欲しいかな。ご飯は私が炊くねっ」


あー、めぐみにとって俺の飯は俺にとってのシルフィードが炊いてくれた飯みたいなもんか。



「明日の晩飯は孤児院でカレーでも作ってみんなで食べよっか」


「わー、賛成っ!」


翌日シュークリームを取りに行くとポットはクッキーをたくさん焼いてくれていた。


「ありがとうな。今日これ持って孤児院に行くけど一緒に行くか?晩飯カレーにする予定なんだ。お前も子供がお菓子を食って喜ぶ所見たいだろ?」


「そうですね。じゃデーレンも誘っていいですか?」


そして皆で孤児院に移動する。



「あっ、どうしたの?いつもこそっと来るのに」


「今日は飯でも作ってやろうかなと思ってな。カレー作ってやろうかと思ったけど迷惑か?」


「えっ?ご飯作ってくれるの?やったーっ!」


キキとララも久しぶりに俺の作ったご飯が食べられると喜んだ。


子供達はだれー?とか聞いてくる。皆少し小汚ない。


「ここは風呂は無いのか?」


「うん、お湯で身体を拭くぐらい」


「じゃ、風呂作ってやるよ」


「魔石も薪もそんなにたくさん買えないし」


お前らが魔石に魔力を補充すれば良いだろと言い掛けて気付いた。


「お前ら魔力をかなりセーブしてるのか?」


「うん」


「早く言えよ。ほらこっちにおいで」


二人を抱き締めて魔力を存分に補充してやった。


「ふふふふっ あったかーい。やっぱりパパの魔力って心地いいね」


そう言ってキキとララは子供の頃と同じ顔をした。



風呂を作り、温度調整機能付きの蛇口とシャワー、下水に浄化の魔法陣を組んでおく。インクも使わない魔法で描く魔法陣は通常の魔法陣とは比べ物にならないぐらい効率がいいので魔金をセットしたら100年ぐらいは持つだろう。


飯の前に子供達を風呂に入れる事に。俺とポットは男の子担当。女性陣は女の子担当だ。


「いやっほーっ」


ザッパーンッ


「こらっ、風呂で暴れんな」


「いえーっい」


ばっしゃーん ばっしゃーん


「てめぇっ。やりやがったなぁっ」


シビビビビビビッ


「うわっ 冷っめてぇっ!なんだよそれっ」


「水魔法だ」


「魔法なんて使うなよっ。汚ねぇぞっ」


「悔しかったお前も使ってみろ」


シビビビビビビッ


「うっひゃぁぁぁっ」



「男湯は元気だな」


「ゲイルが一緒になって遊んでるんでしょ」


「だろうな。ゲイルは娘が欲しい、娘が欲しいと言っておったが息子でもどっちでも良かったのではないか?」


「私との子供は息子だったからあんな感じだったよ」


「ん?シルフィードとゲイルには子供がおらんだろが?」


「えっ、あ?そうだね。あれ?」


「それはシルフィードになる前の記憶かも知れんな」


「そっか、そうかも知れないね。私とゲイルにも子供いたんだ」


シルフィードは風香(かおり)だった頃の記憶は無い。ゲイルからは聞かされてはいたけれども。でも男の子達とゲイルがはしゃぐ声を聞いて懐かしいと思ったのが嬉しかった。


「ねぇ、おねーちゃん」


「どうしたの?」


「おねーちゃんは子供なの?」


「違うわよ。どうして?」


「おねーちゃんだけ私たちとお揃いなんだもん。大人になったら大きくなるんだよね?」


えっと思ってた皆を見回す。


めぐみ、ややきょぬー

ラムザ、きょぬー

デーレン、ややきょぬー

キキとララ、成長中だがややきょぬーへの兆しあり。


ガーーーンっ


私だけ・・・、私だけ仲間外れ・・。子供達と同じグループ・・・


「めぐみさんっ!どうやったら、どうやったらそんな風になれるのっ?自分で変えられるのよねっ!」


「さぁ?ぶちょーは私が理想なんだよ。まさにパーフェクトボディ!どゆあんだすたん?」


「キーーーーっ!違うもんっ。ゲイルは私ぐらいが好きなんだもんっ。子供体型が好きなんだもんっ」


はっ!


シルフィードは自分で自分を子供体型と言って落ち込んでしまった。


「おねーちゃん、おねーちゃん。私は可愛いと思うよ」


「ありがとう。あなたはいい子ねぇ」


シルフィードは光の消えた目で慰めてくれた子供にお礼を言っていた。



ゲイルは風呂から出た子供を一斉に並ばせて風魔法でぶわーーっと乾かしていく。


きゃっきゃっ喜ぶ子供達。続いて女性陣を乾かしていく。


そしてカレー作りも子供達は見に来る。


「いいか、ここには刃物があるから絶対にふざけるな。大怪我に繋がるからな」


真面目な顔で真剣に注意をしておく。これは重要なのだ。


手伝いたいと言った子供達に手伝わせる。小さな子供はピーラーで皮剥き。ある程度大きな子供には包丁を使わせてみる。



作ったのはリンゴと玉ねぎたくさんの甘口カレーだ。ご飯はシルフィードに炊いて貰った。


「さ、たくさんあるからいっぱい食えよ~。その後にお楽しみもあるからな」


うっめーっとか言いながらも子供達は食べ出した。俺には甘すぎるのでスパイスとカイエンペッパーを足していく。


「ラムザもこっちの方がいいだろ?」


他は甘口カレーを旨そうに食べていた。


子供達に混じって口いっぱいに頬張って食べるめぐみ。それに負けじと子供達も頬張って食べる。やめなさい行儀悪いから。


「ほら、めぐみ食べ終わったらこっちにおいで、口の周りカレーだらけだろ?」


めぐみの口の周りを拭ってやると、小さな子供達もその後ろに並ぶ。


一人一人口を拭いてやると嬉しそうだ。親にこんなことして貰う事無かったんだろな。


そして、晩飯の後のお楽しみ。シュークリームに皆はおおはしゃぎした。それを見たポットが


「ドラゴンシティでの事を思い出しますね」


「そうだな、お前、子供らにパンケーキ作り教えてやるか?」


「はいっ」


「じゃ私も商売人になりたい子がいたら育ててみようかな?」


「なら、しばらくキキとララを手伝ってやってくれるか?」


「喜んでっ!」


二人は居酒屋の店員みたいな返事をした。


そして、小さな女の子がトコトコと歩いて来てちょこんと俺の膝に座り、ムグムグとシュークリームを食べて俺を見上げてにっこりと微笑んだ。めぐみみたいな笑い方をする子だ。とても可愛いらしい。俺はその子が落ちないように軽くお腹に手を回して抱っこした。


「あ、モモが笑った」


「ん?この子笑えないのか?」


「うん、お父さんとお母さんが魔物にやられた所を見ちゃったみたいで。ずっと隅でじっとしてるの」


流れ商人をしていた両親が移動中に魔物に襲われたらしく、通りすがりの冒険者が助けたが助かったのはこの子供だけだったらしい。


「モモっていうのか?」


コクコク


あ、口も利けないのか・・・


「シュークリーム美味しいか?」


コクコクと嬉しそうに頷く。


「ポット、美味しいお菓子は正義だな」


「はいっ」


「でもパパはやっぱり凄いね。モモがこんなにすぐに懐くなんて」


「パパ?」


モモが俺を見上げてそうしゃべった。


「うん、俺はね、キキとララのパパなんだよ」


「モモのパパは?」


「ちゃんと見守ってくれてるよ。ママと一緒にな」


「キキとララのパパはモモのパパと違うの?」


ショックで少し記憶が曖昧なのかもしれない。


「ここにはパパとママがたくさんいるぞ。このシュークリームを作ったのはポットパパだ。カレー作ったのはゲイルパパだ」


そういうと俺にギュっとしがみついた。


美味しい嬉しいと怖い寂しいが一気に入り交じってどうしていいのかわからないけどのだろう。


「大丈夫だよ」


そう言って抱き締め返した。


ここに男手も必要だな。ダン達も手伝ってくれるかな?


ゲイルはキキとララにこれからの運営方針を聞いてみることにするのであった。



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